著者
近藤 徹
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.154-166, 2011-09-15 (Released:2011-09-26)
著者
川崎 秀明 喜納 敏男 染谷 健司
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.219-229, 2001-09-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

従来, ハイダム用魚道は施設規模が大きくなることから実設置が進まなかったが, 新たに「エアリフト魚道」を開発するとともに, 実証実験を行い, 魚道として使用可能であることを確認した。エアリフト魚道とは, 上下池を結ぶ魚送管に圧縮空気を送り込むことでエアリフトによる水流を生み出し, この水流で魚類を上段池に押し出すものである。本論文では, エアリフト魚道の基本原理, 実証実験結果を述べるとともに, 実用化に向けての検討を行ったものである。
著者
荻原 国宏 川上 高嶺 奥村 克司 遊道 義憲
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.21-28, 1999-03-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
3

長径間のシェル構造ローラゲートでは, 微小開度において自励振動を起こすことが報告されている。自励振動の発生範囲は, 水圧による梁の変位を考慮した上での, ゲート下端からの流量が最大になる水位以上の領域であるとされている。本実験では, 姫川第六発電所洪水吐きの下流傾斜形シェル構造ローラゲートの実機を用いて微小開度における振動実験を行い, 設計段階での理論上の自励振動発生範囲と実際の振動発生範囲を比較することができた。その結果, 振動発生範囲については, ゲートのたわみを起因として振動が発生するという理論とよい相関を示すことが確認された。
著者
大町 達夫
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.138-150, 2000-06-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1999年台湾集集地震 (マグニチュードMw7.5) では, いくつかのダムが被害を受けた。中でも石岡ダムは低角逆断層型地震断層に直撃され, 決壊に至る被害を受けた。本ダムは大甲渓の河口から約25kmに位置し, 1977年に建設された長さ357mの重力式コンクリートダムであり, 18門の洪水吐ゲートと2門の排砂ゲートを備えている。地震断層の食違いにより, ダム本体の右岸側には約7.5mの段差が生じたほか, 左岸にある取水トンネルも約3.5mの段差によって破壊した。日月潭の水社ダムと頭社ダムは, それぞれ30.3m, 19mの高さで, ともにコンクリート中央遮水壁をもつアースダムである。これらのダムにはダム軸方向に数本の亀裂がはいったが大被害には至らなかった。鯉魚潭ダムは高さ96mの中央土質遮水壁型ロックフィルダムであり, 地震により左岸側堤頂取り付け部に約10cmの開口が発生し, 堤体は10cm弱の沈下を示した。
著者
佐藤 道生 柏柳 正之 佐藤 泰明
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.109-119, 2006-06-15 (Released:2008-05-30)
参考文献数
6

沖縄やんばる海水揚水発電所は,海水揚水発電技術の信頼性を確認することを目的に建設された世界初の海水揚水発電所である。本発電所の上部調整池は遮水シートによる表面遮水方式が採用され,平成11年3月から5年間にわたって実施された実証試験において,海洋環境に暴露された遮水シートの物性変化が観察されたほか,耐久性についても検討がなされた。本報告は,実証試験結果のうち上部調整池に適用した遮水シートの耐久性について述べるものである。
著者
大矢 通弘 角 哲也 嘉門 雅史
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.90-106, 2003-06-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ダム堆砂を浚渫や掘削などにより排除し, その土砂をリサイクルすることを考える. ダム堆砂のリサイクルにとってコストが大きな制約条件の一つであるが, これまでコストに関する分析例は少なく, あっても骨材利用に関するものに限定されていた. 本文では, 環境利用も含めたダム堆砂リサイクルのコスト分析を行った. そして, 近年研究が進んでいるPFIやリスク・マネジメントの考え方をダム堆砂リサイクルに初めて適用することにより, ダム堆砂リサイクルの事業可能性を明らかにした. その中で, 貯水池土砂管理の視点に基づいた, 官民合同プロジェクトとしてのダム堆砂リサイクル事業の新たな事業枠組みを提案した.
著者
田畑 和寛
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.113-123, 2017-06-15 (Released:2017-06-20)
参考文献数
5

平成27年9月9日~10日にかけて鬼怒川流域において既往最大の降雨量となった「平成27年9月関東・東北豪雨」は,鬼怒川の堤防が決壊するなどの災害により,流域に大きな被害をもたらした。この出水において,鬼怒川上流にある4つの直轄ダム(五十里,川俣,川治,湯西川)では,通常の洪水調節に加え,下流の水位や洪水の状況をみながらできるだけ洪水を貯留し下流放流を絞る操作等を行い,4ダムで約1億m3の流水を貯留することにより下流の洪水被害の軽減に大きく寄与した。
著者
永山 功
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.243-248, 2018-12-15 (Released:2018-12-26)
参考文献数
4
被引用文献数
2

フィルダム,盛土,斜面の安定計算には円弧すべり法が広く一般に用いられている。しかし,その理論は意外と正しく理解されておらず,誤った使用例もときおり見受けられる。本稿は,円弧すべり法の原理に立ち返って理論的再考察を行い,その正しい使用法について論じたものである。
著者
梅田 信 古里 栄一 浅枝 隆
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.269-281, 2006-12-15 (Released:2008-06-27)
参考文献数
46
被引用文献数
7

富栄養化した貯水池における藍藻類の現存量と成層強度との関係について検討を行った。いくつかのダム貯水池において,成層強度の指標である浮力周波数がO (10-4) からO (10-3) (s-2) を下回る弱い成層状態において藍藻類の現存量が少なく,曝気循環施設が導入されているダムにおいては浮力周波数の低下と藍藻類の減少が生じていた。ダム貯水池ごとの限界浮力周波数に大きな差はみられなかった。浮力周波数は,曝気循環対策の計画設計および管理運用の合理化において有効であることが示唆された。
著者
松谷 真二 酒向 義勝 中村 隆 江沢 一明
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.61-71, 1993

本システムは、RCD工法等を採用するダム工事において、広いコンクリート打設面の打継面処理を効率化することを目的として、高圧水を回転ノズルから噴射しながらグリーンカット (レイタンス除去) 作業を自動で行いつつ、バキューム清掃を同時に行うものである。コンクリート打設面は、打設後の気温と経過時間により硬化の度合が異なるため、本システムにおいては、過去の実績による適正カッチング条件 (ノズル高さ・水圧) をデータベース化して初期設定し部分的な強度のバラツキに対応するためコンクリート表面のカット状況を電磁波センサで自動計測することにより、カッチングエネルギを自動制御して、良好なグリーンカット作業を可能としている。
著者
渡辺 勝 今田 晃
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.6, no.22, pp.57-68, 1996-06-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

七ヶ宿ダム管理用発電所は、ダム放流水と水道用水を利用し両掛水車により発電するもので、平成4年4月より運転を開始し、その発電出力は3,600kWで全国のダム管理用発電所の中でも最大の規模を誇っている。発生電力はダム管理用として使用し、余剰電力は一般電気事業者に供給することにより、ダム管理費用の節減につながっている。近年、ダムの取水設備は、その取水目的と水質問題等に対応するため専用の取水設備を設置していることから、別系統で取水された水力エネルギーの効率的発電方法として両掛水車は有効な方法である。
著者
工藤 アキヒコ 西垣 誠 鳥居 剛 浅田 昌蔵
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.137-151, 2003

本研究は, フィルダムロック材の浸透特性が水位急低下時の残留水位とロックフィルダムの安定性に及ぼす影響について検討したものである. 長期間の計測の結果からは, 上流側ロックゾーン内には残留間隙水圧が発生していないこと, この傾向は, 建設後24年を経たダムにおいても継続して維持されていることなどを確認した. また, 残留水位面の浸透流解析と安定解析の結果から, 実際のフィルダムロック材の飽和透水係数, 不飽和浸透特性および動水勾配依存性 (非ダルシー現象) がダムの設計に重要であることを示した.
著者
渡辺 啓行 ラザビ ダバ ソヘイル 高島 賢二 谷山 尚
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.276-288, 2000

ジョイントの開口による非線形と堤体の材料非線形を考慮した有限要素解析を行い, ダムの地震応答にこれらの非線形性が与える影響を調べた。材料非線形を考慮すると, より大きな永久変位やジョイントの開口が生じる。堤体と基礎間のペリメター沿いのジョイントが開口すると上流面底部で片持ち梁引張応力を解放しクラウンカンチレバー中間高でアーチ圧縮応力が増大する。一方, 片持ち梁間の鉛直ジョイントが開口するとアーチ引張応力が解放されダムは上流下方向に変位し下流面底部で片持ち梁圧縮応力が大きくなる。
著者
福井 直之 中村 元郎 渡部 貴裕
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.159-168, 2020

<p>新桂沢ダム堤体建設工事は,幾春別川総合開発事業の一環として,約60年前に建設された北海道初の多目的ダムである桂沢ダムを,ダム軸を同じくして11.9m嵩上げする工事である。ダム高を1.2倍にすることにより貯水池の総貯水容量が1.6倍となる効率の良いダム再開発である。直轄ダムでは初となる同軸嵩上げを,冬期の5カ月が打設休止となる北海道において約2年で打設した。原石採取・骨材製造を含めたコンクリート打設実績と嵩上げダム施工上の特徴について報告する。</p>
著者
川島 文治 木村 靖弘 西垣 誠
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.5-20, 2010-03-15 (Released:2011-03-31)
参考文献数
3

八汐ダム調整池では,熱水変質と大規模岩盤クリープが主な生成要因と考えられる高角度の開口割目を主体とする割目のネットワークが形成され,極めて深部まで連続するミズミチが分布する。止水対策に向けて実施した試験グラウチング等の結果,湛水した状態の調整池底部において地下水位以下で注入を実施した場合,注入圧力に加え,セメント粒子の限界沈降速度より大きな浸透流速を活用して,主な開口割目に対して効果的なグラウチングが図られ,減水効果が確認されている。本論文では,このような注入メカニズムに対して定性的な考察を行ったものである。
著者
谷崎 博人 山田 達郎 若崎 富男
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.3, no.12, pp.45-52, 1993

コンクリートダムの建設工事において、ケーブルクレーンを使用する時、コンクリートの運搬・打設作業は、長時間での単純な繰り返し作業のため人為的なミスが発生しやすい。またコンクリート運搬車やバケットと作業員との接触事故の危険性がある。このような問題点を解消するため安全性の確保・作業の省人化による効率化を図るべくトランスファーカの自動運転システムとバケットの遠隔開閉装置を開発した。これにより、従来の方法と同等以上の能力を発揮し、かつ安全性の向上が図れた。

1 0 0 0 OA お詫びと訂正

出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.337-337, 2001 (Released:2010-04-30)
著者
森 吉昭 島田 保之 幸村 秀樹 高橋 章
出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.114-123, 1997-06-15 (Released:2010-04-30)

中央遮水壁型ロックフィルダムの各ゾーンのうち堤体の安定性を確保するシェルゾーンには, 要求品質に見合うように自然地山深部の堅硬な岩石を使用している。この材料を採取するためには採石場表層付近の土砂, 軟岩を大量に廃棄する必要があり, ダム工事費増加の要因の一つとなっているため, 重回帰分析手法を用いて廃棄材料の有効活用を図った。本報告は, その検討結果について述べるものである。
著者
二階堂 司 齋藤 源 藤田 光則 青山 裕俊
出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.152-162, 2003-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

美利河ダムでは, サクラマス (サケ科サケ属) の降下魚対策のため, ダム湖を迂回するバイパス魚道が計画されている. 魚道上端と河川の接続部には, 河川の水と魚をまとめて取り込み, 余水だけを戻して魚を魚道に誘導する施設が必要であった. 施設計画の技術的課題は, この目的に対して有効な余水吐き形式を設定することと, 魚をできるだけ迷入させない細部条件を設定することであった. 実際の魚を使った現地実験を踏まえて検討した結果, 余水吐き形式は横越流堤による薄層越流方式が有効と判断された. また, 有効な越流水深や横越流堤の形状, および照明の併用など, いくつかの設計条件が得られた.