著者
山中 茂樹 北原 糸子 田並 尚恵 森 康俊
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、今後30年以内に発生するだろうといわれる首都直下地震において発生する膨大な避難者たちの行動を予測するとともに、その対応策を考えるのが目的であった。ところが、2011年3月11日、東日本大震災が発生。加えて東京電力福島第1原発の事故で福島県民を中心に多くの強制避難・自主避難が生じた。そこで、同時進行している事象の実態把握と解析も進めた。3年間の成果として、住民票を移さずに避難した人達の在留登録制度の新設や避難元自治体と避難先自治体が避難住民の名簿を共有する避難者台帳の整備、広域避難者の支援に充てるファンドの創設など多くの政策・制度を提案した。
著者
橋元 良明 木村 忠正 森 康俊 北村 智 是永 論 片桐 恵子
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2018年度は、まず、先行研究の検討、既存調査の再分析、理論的検討を行なった後、(1)60歳以上の高齢者を対象とするグループ・インタビュー調査と(2)40歳から79歳までを対象に、インターネット利用を中心とする情報行動に関する質問票調査を実施した。(1)は60代70代男女各2グループ、1グループ各6名、計4グループ24名を対象に、テレビ接触状況、インターネット利用の実態、ネットを通した動画視聴、ネット利用の功罪等についてインタビューした。インタビュー対象とした24名はほとんどがネットを積極的に利用しており、退職後も趣味や地域活動にいそしむ人が多かった。ただし、対象者は、いずれも東京都文京区在住者で必ずしも一般的な60代以上を代表する人たちではないことは考慮しなければならない。(2)は、中央調査社の保有するマスターサンプルから、全国の40歳~79歳の男女1600人をランダムに抽出し、各種情報行動について質問したものである(有効回収票827)。70代について結果を見れば、70代のネット利用者は71.2%とかなり高率であるが、スマートフォン利用者は28.3%であった。また、ネット利用といっても大半がモバイル機器を通したメールだけの利用者であり、サイト・アプリの利用者(PC通しも含む)は43.4%にとどまり、いまだに年代的なデジタルでバイトが完全に解消したとはいえない状況であることが判明した。メッセージングアプリのLINEの利用者も、70代は21.8%にとどまるなど高齢者への普及は十分でなく、ネットショッピングの利用者も70代は20.3%にとどまる。そうした背景にコスト的な問題や周囲にサポートする人がいないという状況や、ネットにまつわるトラブルに大きな不安をいだいているという現状があった。
著者
北村 智 橋元 良明 是永 論 辻 大介 木村 忠正 森 康俊 小笠原 盛浩
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、現代における情報行動の変容について、加齢効果・時代効果・コーホート効果を弁別して明らかにすることを目的とした。2015年に「日本人の情報行動」調査を実施し、2005年調査および2010年調査のデータと合わせて分析を行なった。分析の結果、テレビ視聴時間に関しては、有意な年齢効果と世代効果は確認されたが、時代効果は認められなかった。インターネット利用時間においては、PCインターネット利用時間に関しては2005年から2010年にかけて増加する時代効果のみが確認された一方、モバイル・インターネット利用時間に関して世代効果と一貫して増加を示す時代効果が認められた。