著者
北村 智 河井 大介 佐々木 裕一
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.16-28, 2017-09-30 (Released:2018-02-07)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本研究では,ツイッター上でのポジティブ感情語およびネガティブ感情語の使用と,投稿動機とクラスタリング係数の関係について検討した.20~39歳の日本のツイッター利用者1472名を対象としたオンライン調査データとツイッターのログデータの分析を行なった.分析の結果,社会的報酬動機とネガティブ感情語数,特に不安感情語数には有意な負の関係が示され,記録動機とポジティブ感情語数には有意な正の関係が示された.交流・自己充足動機はネガティブ感情語数との間に有意な正の関係をもつ一方,ポジティブ感情語数との関係ではクラスタリング係数が交互作用効果をもった.最後に,ビッグデータとしてのツイッターデータの利用に関する考察を行った.
著者
河井 大介
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-46, 2014-09-30 (Released:2017-02-04)
被引用文献数
3

Krautら(1998)が最初のインターネット・パラドクスに関する論文を発表した当時と比べ,インターネット利用環境は大きく変化した。特に近年の社会的な関係に基づくソーシャルメディアの普及は,実社会での社会的な関係に大きな影響を及ぼす可能性がある。その一方で,ソーシャルメディア上での人間関係に負担を感じるいわゆる「ソーシャルメディア疲れ」などの議論もある。すなわちソーシャルメディアの利用によって友人関係や精神的健康にネガティブな影響を及ぼすソーシャルメディア・パラドクスの可能性が考えられる。そこで本稿では,2011〜2012年にかけて実施したインターネットを用いたパネル調査のデータを用いて,このソーシャルメディア・パラドクスの可能性について分析を行った。ソーシャルメディアの新規利用者では,よく投稿をする人が一時的に友人関係満足度にポジティブな影響を及ぼしているが,全体でみるとソーシャルメディアをよく投稿するほど友人関係満足度や孤独感に対してネガティブな影響を及ぼす傾向が示された。つまり社会的な関係を基礎とするソーシャルメディアの利用において,友人関係や精神的健康にネガティブな影響を及ぼすというソーシャルメディア・パラドクスの存在の可能性を示した。
著者
河井 大介 天野 美穂子 小笠原 盛浩 橋元 良明 小室 広佐子 大野 志郎 堀川 裕介
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第26回全国大会
巻号頁・発行日
pp.265-270, 2011 (Released:2012-03-20)
被引用文献数
1

This paper shows actual use of Social Networking Service(SNS) and its effects with SNS addiction. SNS user is over 70 million, and we can see a topic about internet or SNS addiction on mass media and internet homepage. However there are few paper about SNS addiction. Thus we present this paper about how long, how often, what kind of service, and what kind of scene SNS addicted user use SNS, and what kind of burden and sacrifice SNS addicted felt by using SNS, and change and effects by SNS use.
著者
河井 大介 天野 美穂子 小笠原 盛浩 橋元 良明 小室 広佐子 大野 志郎 堀川 裕介
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.265-270, 2011

This paper shows actual use of Social Networking Service(SNS) and its effects with SNS addiction. SNS user is over 70 million, and we can see a topic about internet or SNS addiction on mass media and internet homepage. However there are few paper about SNS addiction. Thus we present this paper about how long, how often, what kind of service, and what kind of scene SNS addicted user use SNS, and what kind of burden and sacrifice SNS addicted felt by using SNS, and change and effects by SNS use.
著者
松本 涼子 河井 大介
出版者
社会情報学会
雑誌
社会情報学会(SSI)学会大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.183-186, 2013

This paper shows actual use of Social Media and its motives of information-sharing. Now there are over 50 millions social media users in Japan, and they share their feelings, opinions, tips and other things every day. What make them to write and upload so much information? The desire of friendship, expression, or recognition? In this paper, we focused especially reciprocity and tried to show the relationship between information-sharing and reciprocitical motive. Our analysis are based on the internet survey whose research object are Facebook or Twitter users.
著者
河井 大介
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.1-13, 2016-03-31 (Released:2017-01-25)
参考文献数
28

1990年代以降,投票率の低下や政党離れが進み,積極的無党派層やそのつど支持層と呼ばれる層が議論されてきた。このような中,2013年に解禁されたネット選挙を踏まえ,2014年衆院選における政党に対する態度によるメディア利用の相異を探索的に分析した。政党に対する態度は,公示直前の時点で,支持政党を持たず政治的関心も低い無関心層,支持政党は持たないが政治的関心の高い積極的無党派層,政党支持度において1つの政党のみを支持する1政党支持層,政党支持度において複数政党を支持する複数政党支持層に分類した。ふだんのメディア利用と選挙期間中のメディア利用が,この政党に対する態度によってどのように異なるのか分析を行った。分析の結果,積極的無関心層は他の層と比べてネットを利用せず,複数政党支持層は新聞やネット利用が他の層よりも活発であり,ネット選挙解禁の恩恵を最も受けていると考えられる。つまり,積極的無関心層は受動的な情報接触が比較的多く,複数政党支持層は能動的な情報接触が比較的多い可能性が示唆された。