著者
久次米 真吾 野呂 眞人 中島 香織 板倉 英俊 森山 明義 沼田 綾香 熊谷 賢太 酒井 毅 手塚 尚紀 中江 武志 原 久男 坂田 隆夫 杉 薫
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.97-107, 2005

<BR>【症例】33歳,女性.<BR>【主訴】動悸.<BR>【経過】生後より,全内蔵逆位・右胸心・右室性単心室・肺動脈弁狭窄症・共通房室弁閉鎖不全症と診断され,3歳時にBlalock-Taussig短絡術を,8歳時にWaterston手術を受けている.23歳時に心房内リエントリーを機序とする心房頻拍(AT)に対してカテーテルアブレーション(CA)を行い,以後,動悸は消失した.最近,週に1回程度の動悸を自覚するようになり来院,Holter心電図でQRS幅の狭い持続性頻拍を認めたため入院した.電気生理学的検査の結果,この頻拍は,前回と類似した房室接合部近傍を起源とするATであり,少量のATPで停止した,AT中の最早期興奮部位に通電したところ,通電中にATは停止し,その後は誘発されなくなった.<BR>【まとめ】成人期まで生存し得た右室性単心室症例に合併した,AT再発例に対するCA成功例を経験したので報告する.
著者
森山 明美 阿部 典子 山岸 由幸
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.959-964, 2015 (Released:2015-08-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

【目的】本研究では病棟看護師が栄養管理に関する自己評価に影響する要因を検討することを目的とした。【対象及び方法】成人病棟に勤務する看護師655名に無記名自記式質問紙調査を実施した。質問紙は24項目からなる「看護師の栄養管理に関する自己評価尺度」を使用した。これは栄養管理全般における看護実践能力を評価するものである。【結果】合計得点は経験年数により有意差がみられた(p<0.001)。多重比較では、1-2年目は3-5年目(p<0.001)、11 年目以上(p=0.018)より有意に低かった。6-10年目は3-5年目より有意に低かった (p=0.019)。また、栄養学授業構成に関して合計得点は「講義と演習・実習」が「講義のみ・履修なし」より有意に高かった(p=0.044)。多重ロジスティック回帰分析では、栄養学授業構成において「講義と演習・実習」が「講義のみ・履修なし」より合計得点の上位群が2.05倍(オッズ比2.05,95%信頼区間1.04-4.03)であった。【結論】病棟看護師の栄養管理に関する自己評価は、経験年数や栄養学授業構成が得点と関連した。
著者
森山 明美 阿部 典子 山岸 由幸
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.1201-1210, 2014 (Released:2014-10-20)
参考文献数
26
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は、看護師の栄養管理に関する自己評価尺度を開発することである。【方法】看護師655名を対象に無記名自記式質問紙により行った。調査は再現性評価のため再テスト法を用いた。質問項目は、文献から栄養に関する看護介入を検討し、35項目を作成した。尺度タイプは5段階リカート法を用いた。【結果】回収403名、有効回答は365名であった。因子分析は一般化された最小2乗法を用い、因子数は固有値1以上の基準とした。因子負荷量は0.35以上で因子分析を繰り返した。プロマックス回転の結果、5因子24項目を抽出し「看護師の栄養管理に関する自己評価尺度」と命名した。5因子について各項目内容を検討し、「アセスメントに基づく食事指導」「食事摂取に関する援助」「経管栄養に関する援助」「在宅栄養管理に関する援助」「職種間との連携」と命名した。α係数はα=0.743~ 0.908、再テストは r=0.34~ 0.65であった。【結論】開発した本尺度は信頼性と妥当性を確保したと判断した。
著者
臼谷 三郎 西山 邦隆 木田 和幸 山内 登 苅谷 克俊 秋元 義巳 森山 明夫
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.21-26, 1985

PMD患者の体重とBMR測定値に関する資料を収集し, 患者のBMを予測する方法について検討し, 次の結論を得た。<br>1) 体重偏差値 (<i>x</i>) と%BMR (<i>y</i>) との間には, 統計的に有意な逆相関を認め, 前者に対する後者の回帰直線として, <i>y</i>=-0.99<i>x</i>+178.1が得られた。<br>2) 患者の体重値があれば, 上式を用いて%BMRを算出し, これから体重補正係数を求める。次いで, 該当年齢の基礎代謝基準値に体重補正係数を乗じて予測BMRを算出し, これに, 実測体重値を乗じるという簡単な手技で, 年齢に関係なく患者のBM値を予測することができる。<br>3) 上式は, 体重偏差値30~120%, %BMR60~160の範囲のものに適用できる。上式を用いて, 患者個人の予測BM値と実測BM値との偏差率を検討すると, 84.4%のものが, 偏差率±15%以内に分布していた。ゆえに, 上式を男子PMD患者のBMR (kcal/kg/日) 予知式として提案した。
著者
榎本 善成 野呂 眞人 伊藤 尚志 久次米 真吾 森山 明義 熊谷 賢太 酒井 毅 坂田 隆夫 杉 薫
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.2, pp.S2_111-S2_116, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
12

症例は29歳,男性.17歳時に不整脈原性右室心筋症(ARVC)による心室頻拍(VT)から心肺停止となり,植込み型除細動器(ICD)を植え込み経過観察していた.2011年3月11日の東日本大震災以降,動悸の訴えあり3月14日ICD作働を認めたため,当院緊急入院となった.入院時心電図は,左脚ブロック型,右軸偏位のHR100台の心室頻拍(VT)であり,over-drive pacing,各種抗不整脈投与でも停止しないため鎮静下でVTコントロールを開始した.約1週間の鎮静でコントロール後,持続するVTは消失したため,第48病日に独歩退院となった.しかし,その後も心不全悪化のために短期間で再入院を繰り返し,6月4日に再入院となった.心臓超音波検査(UCG)では,右心系の著明な拡大のみならず左室駆出率10%程度の両心不全の状態であり,入院後再度VT storm状態となった.鎮静下でのコントロールも無効であったため,補助循環装置(PCPS)導入したが,VT stormが鎮静化することなく,死亡した.震災を契機にVT storm状態となり心機能悪化が助長されたARVCの1例を経験した.
著者
森山 明
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1297, pp.38-39, 1990-03-20
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
参考文献数
39
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。