- 著者
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上村 宗弘
中川 尭
脇屋 桃子
池田 長生
田守 唯一
山本 正也
伊藤 信吾
田中 由利子
岡崎 修
廣江 道昭
原 久男
諸井 雅男
- 出版者
- 公益財団法人 日本心臓財団
- 雑誌
- 心臓 (ISSN:05864488)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.6, pp.683-688, 2012 (Released:2013-11-28)
- 参考文献数
- 9
目的: 冠動脈の石灰化スコアが冠動脈CTによる有意狭窄病変の診断精度に与える影響について検討した.方法: 64列冠動脈CT(64SCT)と侵襲的冠動脈造影を行った連続25名について, 64SCTの感度と特異度を冠動脈石灰化スコア(Agatston score)別に検討した. 評価対象とした冠動脈は主要3枝で内径が2mm以上とした. また, 最も高度な狭窄部位をその枝の評価対象とした.結果: 64SCTによる狭窄評価が侵襲的冠動脈造影と一致したものが, 49血管(65.0%), 過大評価は20血管(26.0%), 過小評価は6血管(8.0%)であった. 石灰化スコア1,000以上の患者では, それぞれ10血管(41.7%), 10血管(41.7%), 4血管(16.7%)であり, 400以上1,000未満の患者では8血管(53.3%), 5血管(33.3%), 2血管(13.3%), 400未満の患者では31血管(86.1%), 5血管(13.9%), 0血管(0%)であった. 侵襲的冠動脈造影で75%以上の狭窄に対する64SCTの感度および特異度は, 全患者では91.3%および78.8%であり, 石灰化スコア1,000以上では87.5%および56.3%, 400以上1,000未満では85.7%および75.0%, 400未満では100%および92.9%であった.考察: 石灰化スコア400未満では感度と特異度は十分であり, 400以上1,000未満でも特異度は比較的高い. このことは, 64SCTの結果の評価の一助となり得る.