著者
森本 浩行 西形 達明 西田 一彦 玉野 富雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.806, pp.806_45-806_54, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

城郭石垣は, 個々の石垣石の大きさや加工の状態, 基本勾配や反りの量などの違いによって様々な断面形状を形成しており, 同じ形状のものは存在しない. これら石垣形状に影響を与える各種要因を考慮した石垣構築の技術的な変遷について解明を進めた結果, 基本勾配や反りの量は石垣石の加工状況に大きく影響されていることが明らかとなった.
著者
上田 高徳 佐藤 亘 鈴木 大地 打田 研二 森本 浩介 秋岡 明香 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.85-97, 2013-03-29

Webクローラは,クローリング済みURLの検出やWebサーバに対する連続アクセス防止といった処理を実行しながらデータ収集を行う必要がある.Web空間に存在する大量のURLに対して高速な収集を実現するために並列分散クローリングが求められるが,省資源でのクローリングを行うためにも,処理の時間計算量と空間計算量の削減に加え,計算機間の負荷分散も必要である.本論文で提案するWebクローラは,クローリング処理をProducer-Consumer型のモジュール群で実行することにより,これまでの被クロールWebサイト単位での負荷分散でなく,Webクローラを構成するモジュール単位での負荷分散を実現する.つまり,Webクローラを構成する各モジュールが必要とする計算機資源に応じた分散処理が可能になり,計算機間での計算負荷やメモリ使用量の偏りを改善することができる.また,ホスト名やURLを管理するモジュールは時間計算量と空間計算量に優れたデータ構造を利用して構成されており,大規模なクローリングが省資源で可能になる.Web crawlers must collect Web data while performing tasks such as detecting crawled URLs and preventing consecutive accesses to a particular Web server. Parallel-distributed crawling is carried out at a high speed for the enormous number of URLs existing on the Web. However, in order to crawl efficiently, a crawler must realize load balancing between computers in addition to reducing time and space complexities in the crawling process. The Web crawler proposed in this paper crawls the Web using producer-consumer modules, which compose the crawler, and it realizes load balancing per module and not per crawled Web site. In other words, it realizes load balancing that is appropriate to certain computer resources necessary for the modules that compose the Web crawler; in this way, it improves biases in computation loads and memory utilization between computers. Moreover, the crawler is able to crawl the Web on a large scale while conserving resources, because the modules that manage host names or URLs are implemented by data structures that are temporally and spatially efficient.
著者
池松 弘朗 依田 雄介 大瀬良 省三 今城 眞臣 門田 智裕 加藤 知爾 森本 浩之 小田柿 智之 大野 康寛 矢野 友規 金子 和弘
出版者
医学書院
雑誌
胃と腸 (ISSN:05362180)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.1051-1053, 2014-06-25

はじめに 早期大腸癌の治療方針について,pTis(M)癌はリンパ節転移の報告がないことから,内視鏡的摘除の絶対適応病変とされている.しかし,その一方で,pT1(SM)癌は約10%の割合でリンパ節転移があることが報告1)されており,海外の多くの国ではリンパ節郭清を伴う外科手術が施行されている.また,過去の手術検体を対象にした,pT1癌のリンパ節転移のrisk factorに関する報告も多く認められる2). 本邦では,それらの報告を根拠に,リンパ節転移のriskの少ない病変を内視鏡的摘除の適応病変としている.「大腸癌治療ガイドライン2014年版」3)では,内視鏡的摘除後のpT1癌の経過観察条件として,垂直断端陰性例において,(1) 乳頭腺癌,管状腺癌,(2) 浸潤度<1,000μm,(3) 脈管侵襲陰性,(4) 簇出G1のすべてを満たすものとし,それ以外の病変は郭清を伴う追加腸切除を考慮すると記載されている. 内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)に代表されるような内視鏡治療技術の進歩に伴い,多くの早期大腸癌を内視鏡的に完全摘除することが可能になった4)5).その一方で,内視鏡的に脈管侵襲,簇出を診断することは困難であるため,完全摘除生検としての内視鏡的摘除を先行し,病理所見を確認した後でpT1癌の治療方針を決定したらどうかという意見も存在する.また,さらなる内視鏡的摘除の適応拡大が学会・研究会などで議論されており,今後ますます完全摘除生検としての内視鏡的摘除が議論の的になることが予想される. 本稿では,いくつかの側面から大腸pT1癌に対する内視鏡的完全摘除生検の必要性と問題点を概説し,現時点での筆者らの意見を述べたい.
著者
森本 浩行 西田 一彦 西形 達明 玉野 富雄 森 毅
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.263-268, 2000-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
14

1959 (昭和34) 年の「大坂城総合学術調査」において, 現大阪城が豊臣秀吉創建のものではなく, すべて江戸時代初期の徳川幕府による築造であることが判明した. またこの調査により, 本丸天守台南側で地下深く埋れた石垣が発見された. その後, ガスや水道の埋設管敷設に係わる調査において, いくつかの地下石垣が発見された. 特に, 1984 (昭和59) 年に行われた大手前配水池南側の調査において, 大規模な石垣垣の隅角部が発見された. これらの地下石垣は地上の石垣とは規模も積み方も異なり, 豊臣時代の大坂城ではないかと考えられている. 本研究では, 筆者らが提示している数値評価法を用いて, この地下石垣の特徴について考察するとともに, 石垣構築の技術的な面から構築年を推定した.
著者
友田 春夫 滝川 修 森本 浩司 藤田 有希美 岩本 智超 多田 博己 小熊 俊明 臼井 和胤 椎名 豊 吉岡 公一郎 布施川 雄一 田川 隆介 井出 満 鈴木 豊
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.26, no.Supplement1, pp.139-145, 1994-01-31 (Released:2013-05-24)
参考文献数
20

不安定狭心症,非貫壁性心筋梗塞を主とする,acute coronary syndromes例における虚血心筋の評価を,123I-MIBG,201TlClSPECT法にて試みた.123I-MIBG 111 MBq(3mCi)静脈内投与90分後より心筋SPECT像を撮像後,引き続き201TICIを投与15分後より心筋灌流SPECT像を撮像した.冠動脈造影は1週間内に施行した.非貫壁性心筋梗塞症例7例の内,201TlClによる心筋灌流低下一欠損部位を特定できない3症例においても,123I-MIBG心筋像では全例責任冠動脈領域の欠損像を描出し得た.不安定狭心症例にて,6例中3例においては,血清酵素の逸脱所見を認めず,かつ201TlClによる心筋灌流正常所見であっても,123I-MIBG心筋像では,責任冠動脈領域の明確な欠損像を描出し得た.以上のように,123I-MIBG心筋像により,他の方法で捉えられない,過去数週以上の虚血発症部位が描出されることが示された.
著者
森田 直子 森本 浩一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、観相学という知の体系が19世紀の絵物語形式のメディアの成立に与えた影響を解明した。まず、19世紀前半のスイスで、後のストーリー漫画の原型となるような近代的絵物語を刊行したR.テプフェールが観相学を作画に取り入れた背景を解明した。一作品あたり何百回も同じ顔を描くことで物語るメディアの語りのしくみと、17・18世紀ヨーロッパの美術・演劇論・修辞学との関連を探った。とくに、18世紀までの美術・演劇理論や作法書等において、「内面を映し出す顔」と「作法・演技としての顔」という顔表現の二面性への関心が強く見られたことも明らかにした。
著者
渡辺 正純 豊田 満里子 今田 伊助 森本 浩
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.176-182, 1974-01-25
被引用文献数
1

Urinary metabolites from rabbits dosed with phylloquinone and dl-α-tocopheryl acetate were examined. We found that phylloquinone was excreted as conjugate forms of 2-methyl-3-(5'-carboxy-3'-methyl-2'-pentenyl)-1,4-naphthoquinone and 2-methyl-3-(3'-carboxybutyl)-1,4-naphthoquinone, and dl-α-tocopheryl acetate was excreted mainly as the conjugate form of 2,3,5-trimethyl-6-(5'-carboxy-3'-hydroxy-3'-methylpentyl)-1,4-benzoquinone lactone and in small amounts, as the conjugate form of 2,3,5-trimethyl-6-(3'-carboxybutyl)-1,4-benzoquinone.
著者
森本 浩一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

虚構としての表象・表現は,現実としての表象・表現と「区別」される限りにおいて,固有の認知的役割を演じる。従って虚構論は,現実性の本質を扱う存在論と不可分の関係にある。この点については,過去の補助金研究(「文学的虚構の基本性質に関する研究」(2000〜2001年度)課題番号12610568)においても一定の検討を行ったが,これを踏まえつつ,本研究では,虚構の認知的特性とそれが現実認識との関係において持つ役割について考察した。1 虚構の認知的効果。近年,認知科学において,表象内容が真として妥当する範囲(スコープ)を限定する表象機構,いわゆる「メタ表象」の研究が進んでいるが,虚構は,世界に関する直接的な信念形成からの「分離」を特徴とする点で,メタ表象の典型である。虚構は「分離」のもとでの表象の試行・探索を可能にし,それが美的な報酬感を伴うとも考えられる。虚構のメタ表象的メカニズムとその効果について検討した。2 虚構の社会的機能。現実認知を構成する多くの表象は,百科事典的知識や報道・伝聞に基づく公共的表象であり社会的な信念システムであり,個々の表象は多くの場合,確からしさの程度を伴うスコープ付き表象であり,神話的信念や信憑性に乏しい虚構的なものも混入している。解釈を通じた虚構作品の直接的影響を含め,現実認識の構成において虚構や虚構的なものが果たす役割について検討した。3 虚構の現実性。虚構の本来的な「現実性」は,作品の還元的解釈においてではなく,むしろその「部分」消費の過程においてこそあらわになる。詳細は今後の課題であるが,「レイヤー構造」分析の方法論を提示することで,この問題に関する端緒的な検討を行った。