著者
森田 昭彦 石原 正樹 亀井 聡
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.262-264, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
5

A detailed survey to investigate the prevalence, clinical features, associated outcomes, and prognostic factors in adult patients with influenza–associated acute encephalopathy was performed. The estimated annual incidence of adult IAE was 0.98/1,000,000 population in Japan. Baseline patient characteristics were 50% male, median age at onset of 54.5 years, and median hospital stay of 15 days. As initial symptoms, 93% of patients showed disturbance of consciousness. Convulsions and delirious behavior were shown in 26% and 40% of patients, respectively. 65% of patients received pulse corticosteroid therapy with methylprednisolone and 21% of patients received intravenous gamma–globulin therapy. Additionally, 21% of patients required mechanical ventilation. 63% of patients achieved a good recovery, but 7% died. Plasma glucose level was significantly associated with poor outcome. Hyperglycemia might be an independent predictor of poor prognosis in IAE patients and reflect systemic hypercytokinemia in IAE pathogenesis.
著者
森田 昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.25-30, 2013-11-29 (Released:2015-10-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

2008年~2010年に長崎県大村市の山野,並びに庭園に生えているコスギゴケ,ハイゴケ,ツルチョウチンゴケ,フデゴケ,ヒメシノブゴケ,エゾスナゴケ,ホソバオキナゴケ,コムチゴケ,ジャゴケ,および島根県出雲市の庭園に植栽してあるセイタカスギゴケの10種の蘚苔類が坪枯れ状となって褐変枯死し,その上にナタネ種子大の褐色球形菌核を認めた。それらの褐変した部分からは白絹病菌様の糸状菌が分離され,その分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温,菌叢の色や形状,主軸菌糸幅,かすがい連結の有無などに関してギンゴケから分離された白絹病菌と一致した。これら蘚苔類からの分離菌は,すべて各宿主蘚苔類に対してギンゴケ白絹病菌と同様に病原性を示し,病徴の再現を認め,再分離も可能であった。以上の結果から,坪枯れ症状を呈した10種の蘚苔類から分離された糸状菌は白絹病菌(Sclerotium rolfsii Saccardo)と同定し,各宿主蘚苔類の白絹病(Southern blight)と呼称することを提唱する。
著者
森田 昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.89-92, 2009 (Released:2010-03-02)
参考文献数
7
被引用文献数
7 7

New blight-like symptoms in the native moss Bryum argenteum were first found on plants growing in a gutter in Omura, Nagasaki, Japan on June 24,2008. White mycelia and rapeseedsized, brown, spherical sclerotia were observed on the diseased plants. A fungus similar to Sclerotium rolfsii was isolated from the infected parts. The mean optimum temperature for mycelia growth of the isolates on potato sucrose agar medium was 25°C and that for sclerotium formation was 30°C; the mycelial tufts were white to grayish brown, with the main hyphal width ranging from 4.3 - 7.9 μm ; clamp connections were observed. These mycological characters were identical to those of S. rolfsii reported in other plants. The isolates were found to be pathogenic to B. argenteum in an artificial inoculation test, and could be re-isolated. Therefore, Koch' s postulates were satisfied. We proposed that this disease be called southern blight of B. argenteum caused by S. rolfsii.

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著者
山下格 森田昭之助編
出版者
金剛出版
巻号頁・発行日
1980
著者
森田 昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1991

ビワがんしゅ病の春芽及び各季節葉での発生消長を1970年から1989年まで調査した。春葉の発病率の高低は春芽の発病率の高低と一致した。しかし,夏葉,秋葉,春芽の発病率は前季節葉(芽)の発病率の高低とは関係がなかった。<BR>初発病日を中心とした1か月間の降水量,降雨日数の多少が各季節葉(芽)の発病率の多少に影響していた。2月の平均温度や萌芽期の寒波襲来による寒害が春芽のがんしゅ病芽枯れ病斑発現の重要なる要因である。<BR>ビワ樹体の付傷後の経過時間とがんしゅ病の発病との関係は付傷後多湿状態では8日,乾燥状態では1日で発病率が低下した。多湿状態では枝葉ともに付傷後5日から6日までは感染可能であった。<BR>付傷後5日間の降水量は発病後と密接な関係があり降水量が多いと発病度も高かった。ビワがんしゅ病菌ファージの雨水中での濃度は11月から5月までは高く,6月から10月までは低かった。<BR>がんしゅ病病斑伸展時期はナシヒメシンクイ防除園では5月から6月と9月,ナシヒメシンクイ無防除園では5月から9月までであった。<BR>がんしゅ病の病斑拡大と病斑内のナシヒメシンクイとの関係は病斑内の食入虫数が多いほど発病度が高かった。また,ナシヒメシンクイの虫体表面に病原細菌の付着が認められ,ナシヒメシンクイが病原細菌の伝搬にも関与していると思われた。<BR>以上の結果より,ビワがんしゅ病は降雨,春芽の萌芽時の寒害,秋葉展葉期の台風等の気象要因やナシヒメシンクイの食入等が重要な発病要因であると考えられた。
著者
榊原 保志 森田 昭範
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.901-911, 2002-11-30
参考文献数
13
被引用文献数
5

長野県白馬村において,ヒートアイランドの時間的な変化を検討するために,自動車による全73地点の移動観測を83回行った.ヒートアイランド強度は全測定地点のうち市街地気温の上位3地点の観測値の平均と郊外気温の下位3つの平均の差として求めた.さらに約1年間にわたり郊外の水田域中央部に臨時に設置した定点観測を実施し,市街地にある白馬アメダスの観測値との差をとることにより,都市と郊外の気温差を求めた.その結果,次のことが明らかになった.積雪期のヒートアイランド強度は他の時期よりも大きく,その変動も大きい.都市と郊外の気温差が大きくなる月は夜間(20時)においては1月,3月,4月と9月であり,日中では7月・8月が大きい.積雪期の気温差の日変化パターンはその他の期間と類似し,日の出後急激に小さくなり2〜3時間後には上昇に転じ,その後日の入り前後まで急激な増加は続く.灌水期の特徴は14時から15時において極大になる時間帯がある.気温差が最大になる時刻は日の出前ではなく,19時から22時が多い.
著者
稗圃 直史 寺井 理治 福田 伸二 富永 由紀子 根角 博久 森田 昭 長門 潤 一瀬 至 佐藤 義彦 浅田 謙介 橋本 基之 中尾 敬 吉田 俊雄
出版者
長崎県果樹試験場
雑誌
長崎県果樹試験場研究報告
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-15, 2008-12

長崎県果樹試験場では、1973年から農林水産省指定試験事業の「びわ育種指定試験地」としてビワの育種を開始し、2007年に早生種の'涼峰'を育成した。'涼峰'は1974年に'楠'に'茂木'を交雑して得た実生の中から選抜された。1996年から'ビワ長崎6号'としてビワ第2回系統適応性検定試験に供試し地域適応性を検討した結果、大果で食味の優れる早生種であることが確認され、2005年9月15日に'涼峰'と命名され「びわ農林5号」として登録された。また、種苗法に基づき2007年3月15日付けで登録番号第15019号として品種登録された。1)樹姿は直立と開張の中間で樹勢はやや強い。枝の発生はやや密である。満開期は年により変動するが概ね12月中旬で、'長崎早生'より遅く'茂木'より早い。ビワがんしゅ病には比較的強い。2)育成地の長崎県大村市における成熟期は5月下旬で、同じ早生品種の'長崎早生'と同時期である。3)果実の大きさは平均56.5gで、'長崎早生'や'茂木'よりも大きい。果形は短卵、果皮色は橙黄である。剥皮性は良好である。果汁の糖度は11.4%で'長崎早生'や'茂木'と同程度、また、酸含量は0.23g/100mlで両品種より若干低い傾向である。果肉は両品種と比べて軟らかく多汁で、食味は良好である。果皮障害ではへそ黒症および緑斑症は発生しにくいが、そばかす症が発生しやすく、裂果および紫斑症も発生する。
著者
森田 昭広 古賀 久志 渡辺 俊典 横山 貴紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.30, pp.49-54, 2006-03-17

グラフのマッチング問題は一般に計算量が膨大であるが,問題固有の属性情報などを用いて効率的な探索を実現できる可能性がある.本研究では,グラフマッチング問題が入力2グラフから生成される積グラフの最大クリークを抽出する問題へ還元できることに着目し,その効率化のために2つの属性情報利用アルゴリズムを考案した.1つ目はクリーク抽出の探索過程で属性情報を用いて探索領域を削減する方法,2つ目は積グラフの生成時に属性情報を用いて積グラフの規模自体を抑制する方法である.これらを計算機実験によって比較検証した結果,双方共に有効であるが,特に後者の有効性が顕著であることを確認した.Graph matching problem has a very high computational complexity. But we can reduce it by exploiting domain-specific information such as object's attributes. In this research, where we solve the graph matching problem by reducing it into a maximum clique problem in a product graph generated from the two input graphs, we propose two algorithms, both exploiting attribute information. One is the method of decreasing the search space by using attribute information in the process of maximum clique search. The other is the method of decreasing the size of the product graph by using attribute information during the product graph generation. Through experiments we showed that, although both are effective, the latter dominates the former.