著者
植田 健太 小板 隆浩 佐藤健哉
雑誌
情報処理学会研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.116(2008-EMB-010), pp.51-57, 2008-11-20

近年ネットワークに対応した機器が増加しており,ネットワークに対応した機器を操作する研究や,ネットワークインタフェースを持たない機器をネットワークに対応させる研究などが行われている.今後,様々な機器や Web サービスが連携し,動作する環境が望まれる.また,ユーザにとっては, Web サービスや機器を自由に組み合わせることが望まれる.しかし,現在,様々な技術仕様が存在するため,機器を統一したインタフェースで連携させることは難しい.本論文では機器と Web サービスとの連携を考慮し,REST アーキテクチャに従った機器連携手法を設計する.そして,この設計に従った Web インタフェースを用いることで,ネットワークインタフェースを持たない機器,ネットワークに対応した機器,インターネット上に公開されている Web サービスそれぞれの技術仕様が互いに連携できる手法を提案し,その有用性を議論する.
著者
中村 光 岩永 可奈子 境 泉洋 下津 咲絵 井上 敦子 植田 健太 嶋田 洋徳 坂野 雄二 金沢 吉展
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION FOR MENTAL HEALTH
雑誌
こころの健康 : 日本精神衛生学会誌 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.26-34, 2006-12-30

本研究の目的は, ひきこもり状態にある人を持つ家族の受療行動に影響を及ぼす要因を明らかにすることであった。ひきこもり親の会 (セルフヘルプグループ) に参加している家族153名から自記式質問紙による回答を得た。その結果, 以下のことが明らかにされた。(1) 家族の85.6%がひきこもり状態を改善するために相談機関を必要としている。(2) 精神疾患に対する偏見が家族の受療行動を阻害する可能性がある。(3) 相談機関の存在や所在地を知っていることが, 家族の受療行動を促進する可能性がある。(4) 家族にとって保健所や精神保健福祉センター, 電子メールによる相談は利用しにくく, 反対に電話相談は利用しやすい可能性がある。(5) ひきこもり状態にある本人が相談機関来所を拒否すると, 家族の受療行動を阻害する可能性がある。調査結果の検討を通して, ひきこもり状態にある人を持つ家族の受療行動を促進する方法が議論された。
著者
境 泉洋 中村 光 植田 健太 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.865-873, 2007-10-01

目的: ひきこもり状態にある人の活動範囲に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした.対象・方法: ひきこもり状態にある人の家族473名を対象にひきこもり状態にある人の活動範囲とひきこもり行動チェックリストに回答を求めた.結果: (1)活動範囲をカテゴリカル主成分分析によって「対人交流のある場所」と「利用自由な場所」に分類したところ,「利用自由な場所」への外出頻度が高かった.(2)1日あたりの外出時間が長く抑うつが強いほど「対人交流のある場所」への外出が多い.(3)1カ月あたりの外出日数が多いほど「利用自由な場所」への外出が多く,家族回避行動が強いほど「利用自由な場所」への外出が少ない.(4)攻撃的行動が多いほど1カ月あたりの外出日数が多く,生活が不規則であるほど1カ月あたりの外出日数が少ない.結論: ひきこもり状態にある人と家族の関係や攻撃行動に焦点を当てた介入によって,ひきこもり状態にある入の利用自由な場所への外出が促進される可能性が示唆された.