著者
水谷 秀樹 平工 雄介 川西 正祐
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、抗がん剤と活性酸素(ROS) との関係に注目し、抗がん剤の効果・副作用の発現を酸化ストレスの観点から明らかにすることである。今回、薬物としてマイトマイシンC (MMC)、ピラルビシン (THP)、カルノシン酸 (CA)を使用した。THP, CAは、Cu(II)存在下では濃度依存的にDNAを損傷し、この損傷にはROSが関与していた。また、培養細胞の実験で、MMC, THP, CAの細胞死において共にH2O2の関与を示唆しており、これらの細胞死誘導因子すなわち抗がん作用因子としてROSの1つであるH2O2が重要であることが明らかになった。
著者
水谷 秀樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.11, pp.1837-1842, 2007-11-01 (Released:2007-11-01)
参考文献数
19
被引用文献数
17 32

A number of anticancer drugs exert their effect by causing DNA damage and subsequent apoptosis induction. Reactive oxygen species (ROS), such as hydrogen peroxide (H2O2) and super oxide anion (O2-), participate in apoptosis and DNA damage induced by some anticancer drugs, however, the precise mechanism of apoptosis via ROS formation remains to be clarified. I investigated the mechanism of apoptosis and DNA damage induced by anticancer drugs, especially topoisomerase inhibitors, using human cultured cells. TAS-103, a topoisomerase inhibitor, induces apoptosis through DNA cleavage and subsequent H2O2 generation mediated by poly (ADP-ribose) polymerase (PARP) and NAD(P)H oxidase activation. Doxorubicin (DOX), an anthracycline antibiotic and topoisomerase inhibitor, induces apoptosis through direct oxidative DNA damage leading to indirect H2O2 generation mediated by PARP and NAD(P)H oxidase activation. DOX caused site-specific oxidative DNA damage in the presence of copper(II), which may contribute to apoptosis. These findings suggest that ROS formation plays important roles in apoptosis induced by anticancer drugs. Furthermore, these studies may provide an insight into the development of new effective chemotherapeutic drugs.
著者
水谷 秀樹
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.239-245, 2010

本研究は,登山が戦技として位置づけられる状況の中で,当時の立山登山はどのような目的をもって実施されていたのか,また,立山は当時の社会状況のなかでどのように位置づけられていたのか,その実際を当時の県内新聞社(富山日報社・北日本新聞社)の新聞報道から明らかにしたい。
著者
前田 徹 平松 佑彩 佐伯 憲一 水谷 秀樹 吉川 昌江 青柳 裕 矢野 玲子 高橋 誠弥 原﨑 周平 日野 知証
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.2018-028, 2018 (Released:2018-11-21)
参考文献数
10

薬学部卒業生の進路は多岐にわたるため,キャリア形成を促し,ライフプランを構築するためのキャリア教育は大学教育の重要な柱の一つである.本学は女子大学であるため,結婚・出産など女性特有のライフイベントを踏まえた上でキャリア形成を図る必要がある.在校生964名を対象とし,キャリア意識や将来のキャリアプランについてアンケート調査を行った.回収率は56.2%であり,回答者の87.6%が「キャリアプランを考えることは必要」と回答したが,実際に考えたことのある学生は57.2%であった.調査結果から,回答者の71.1%が結婚・出産を踏まえた上で「生涯働き続けたい」と就業継続の意識が非常に高く,また学年により必要な情報や問題点が異なることがわかった.今後,学生のニーズや薬剤師を取り巻く社会的背景の変化も踏まえた上で,結婚・出産など女性特有のライフイベントを考慮したキャリア教育に取り組む必要がある.