著者
西本 豊弘 藤尾 慎一郎 永嶋 正春 坂本 稔 広瀬 和雄 春成 秀樹 今村 峯雄 櫻井 敬久 宮本 一夫 中村 俊夫 松崎 浩之 小林 謙一 櫻井 敬久 光谷 拓実 設楽 博巳 小林 青樹 近藤 恵 三上 喜孝
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

弥生時代の開始が紀元前10世紀末であることが明らかとなった。その後、日本列島各地へは約500年かかってゆっくりと拡散していった。さらに青銅器・鉄器の渡来が弥生前期末以降であり、弥生文化の当初は石器のみの新石器文化であることが確実となった。
著者
永嶋 正春
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

全国的な視野の元で、遺跡から出土した数多くのベンガラ系赤色顔料資料の調査を実施し、またベンガラ質岩石の所在や自然露頭に関する情報収集にも努めた。以上の作業を継続して実施したことで、日本におけるベンガラ系赤色顔料の実態を概ね明らかにすることができた。パイプ状ベンガラ顔料のあり方が概括できたわけである。1 パイプ状ベンガラ顔料の存在が、北海道から九州に至るまで全国的に確認され、また時代も縄文時代早期から古墳時代に至るまでの非常に長い期間に渡って使われていたことを、出土資料に即してより具体的かつ綿密に捉えることができたのは、予め想定されていたことではあるものの大きな成果であった。2 これらの作業の中で、長野県下の資料に縄文時代前期初頭の漆資料を検出できたことは、日本の初期漆文化を考える上できわめて重要な知見となる。3 同じく作業中の成果として、熊本県玉名市柳町遺跡出土の木製短甲に、4世紀初頭の文字の存在を確認できた。パイプ状ベンガラ顔料の研究は、単に赤色顔料の研究にとどまるものではないことを実証した事例として重要である。4 自然露頭におけるパイプ状ベンガラの産地は未だ発見されておらず、その追求はこれからの大きな課題として残ったままである。しかしながら、パイプ状ベンガラの元形態がペレット状である事実が確認できたことは今後に向けた大きな情報と言うことができる。