著者
溝口 優司 中橋 孝博 安達 登 近藤 恵 米田 穣 松浦 秀治 馬場 悠男 篠田 謙一 諏訪 元 馬場 悠男 篠田 謙一 海部 陽介 河野 礼子 諏訪 元
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

旧石器時代から縄文~弥生移行期まで、日本列島住民の身体的特徴がいかに変化したか、という問題を形態とDNAデータに基づいて再検討し、日本人形成過程の新シナリオを構築しようと試みた。結果、北海道縄文時代人の北東アジア由来の可能性や、縄文時代人の祖先探索には広くオーストラリアまでも調査すべきこと、また、港川人と縄文時代人の系譜的連続性見直しの必要性などが指摘された。シナリオ再構築への新たな1歩である。
著者
西本 豊弘 藤尾 慎一郎 永嶋 正春 坂本 稔 広瀬 和雄 春成 秀樹 今村 峯雄 櫻井 敬久 宮本 一夫 中村 俊夫 松崎 浩之 小林 謙一 櫻井 敬久 光谷 拓実 設楽 博巳 小林 青樹 近藤 恵 三上 喜孝
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

弥生時代の開始が紀元前10世紀末であることが明らかとなった。その後、日本列島各地へは約500年かかってゆっくりと拡散していった。さらに青銅器・鉄器の渡来が弥生前期末以降であり、弥生文化の当初は石器のみの新石器文化であることが確実となった。
著者
水町 龍一 川添 充 西 誠 小松川 浩 五島 譲司 羽田野 袈裟義 椋本 洋 御園 真史 寺田 貢 高安 美智子 高木 悟 落合 洋文 青木 茂 矢島 彰 藤間 真 森 園子 船倉 武夫 上江洲 弘明 松田 修 森本 真理 井上 秀一 山口 誠一 萩尾 由貴子 西山 博正 堀口 智之 渡邊 信 近藤 恵介
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究に着手後9か月で国際研究集会を行い,当初の研究目標である学士力の基盤となる数学教育を,モデリングを軸にしたリテラシー教育として行うことの可否・可能性を議論した。結論は,解釈の多義性があるので「高水準の数学的リテラシー」とすること,モデリングではなく概念理解の困難を緩和する方向で近年の数学教育は発展してきたこと,しかしいくつかの留意事項を踏まえれば十分な可能性があるということであった。そこで「高水準の数学的リテラシー」とはコンピテンスであると定式化し,教育デザイン作成に際して価値,態度,文脈を意識する必要を明らかにした。微分積分,線形代数,統計等の諸科目で教材作成・科目開発を実践的に行った。
著者
猪又 直子 池澤 善郎 守田 亜希子 桐野 実緒 山崎 晴名 山口 絢子 山根 裕美子 立脇 聡子 広門 未知子 近藤 恵
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1276-1284, 2007
参考文献数
13
被引用文献数
5

【背景・目的】本邦では多数の植物由来食物による口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome : OAS)を検討した報告は稀である.そこで,本研究では本疾患の臨床的特徴と花粉感作との関連性を明らかにするため,OAS診断例63例について検討した.【方法】6年間に植物由来食物摂取後の口腔症状を自覚した例に被疑食物と花粉のプリックテスト(SPT)や特異IgE測定(CAP-FEIA : CAP)を施行した.【結果】被疑食物のSPTが陽性となったOAS診断例63例(男 : 女=1 : 2,平均年齢 : 28.7歳)の原因食品はリンゴ13例,モモ12例,キウイ12例,メロン11例であった.モモは口腔以外の症状を高率に誘発し,モモとウメの各1例でアナフィラキシーショックに至った.上位4食物のSPT陽性率は55.0〜63.2%であった.リンゴではCAPとSPTと間に相関をみとめたが(r=0.39,p<0.05),メロン,モモ,キウイではみとめられなかった.花粉症の合併は66.1%と高率で,花粉のCAP陽性率はリンゴではハンノキで,メロンではカモガヤ,ヨモギ,ブタクサで高い傾向があった.【考察】SPTとCAPの陽性率は食物の種類によって大きく異なる傾向があり,また,全体として患者の訴えより低い.現時点では,植物由来食物によるOASを診断する際に皮膚テストを用いるほうがよいと考えた.
著者
近藤 恵 兒嶋 朋貴 大川 智章 入部 百合絵
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.3, pp.208-216, 2022-03-01

近年,農業従事者数の減少により少人数で多頭数の家畜を管理するためのモニタリング技術が求められている.本研究では非接触に収集可能な牛の鳴き声を用いたモニタリング技術の構築を目的に,本論文ではモニタリング技術に必要な鳴き声からの個体識別手法について提案する.鳴き声を用いた個体識別の先行研究では,識別率が十分でないことや月齢による鳴き声の音響特性の違いを考慮していない点が課題として挙げられる.本研究では,月齢の異なる雌のホルスタイン種成牛5頭,育成牛9頭と子牛4頭の計18頭から鳴き声を採取し,声帯波長や声道長に関連のある基本周波数やパワー,線形予測残差波形のMFCC(Mel-Frequency Cepstrum Coefficients)などの音響的特徴量を抽出した.これらの特徴量を利用して,SVM(Support Vector Machine)による個体識別を行った結果,先行研究よりも識別率が35%以上向上した.これにより,牛も人と同様に声帯波長や声道長に個体性が含まれていることが明らかとなった.加えて,話者認識に用いられる相対位相を上記の音響的特徴量に加えることで個体識別の向上が確認された.
著者
近藤 恵子 佐藤理史 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.11, pp.119-126, 2000-01-27
被引用文献数
3

本稿では,格変換による単文の言い換えを機械的に実現する方法を提案する.我々は,そのために必要な42の格変換規則と,言い換えに必要な情報を得るために使用する「動詞辞書」「自動詞?他動詞対応辞書」「有情/非情名詞辞書」の3つの辞書を作成した.格変換規則は,格のマッピング,述語のマッピング,名詞句の制約条件,動詞の制約条件から成る.名詞句の制約条件は,入力文の名詞句が有情か非情かで規則の適用を制限する.動詞の制約条件は,入力文の動詞の種類,使役形のタイプ,受動の可否,格から規則の適用を制限する.辞書は,変換する動詞を得るためと,制約条件を確認するために使用される.我々は,この規則と辞書を実装した言い換えシステムを作成した.言い換えシステムは,格変換規則を繰り返し適用することで言い換えを実現する.我々はこのシステムの実験を行い,有効性を確認した.This paper proposes a method of automatical paraphrasing of a simple sentence by case alternation. We make 42 case-alternation rules and three dictionaries: the verb dictionary, the dictionary that records intransitive verbs and their corresponding transitive verbs, and the dictionary that records animateness/inanimateness of nouns. A case-alternation rule consists of a cases mapping, a predicate mapping, a condition for a noun phrase, and a condition for a verb. The condition for a noun phrase restricts to applying the rule to an input sentence by whether the noun phrase in the sentence is animate ness or inanimateness. The condition for a verb restricts to applying the rule to an input sentence by the verb's type, the causative voice, the passive voice, and cases. We have constructed the paraphrase system implemented these alternation rules. This system generates all possible paraphrasing. We have conducted an experiment with this system, and show the effectiveness of the method.
著者
藏澄 美仁 土川 忠浩 近藤 恵美 石井 仁 深川 健太 大和 義昭 飛田 国人 安藤 由佳 松原 斎樹 堀越 哲美
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.115-127, 2012-11
参考文献数
55
被引用文献数
1

本研究の目的は、屋外環境における至適温熱環境の範囲を提案することである。実験は、夏季と冬季の屋外温熱環境における人体の生理的・心理的反応を求める実測を被験者38名を用いておこなった。延べ実測数は906であった。ETFeと人体の生理的・心理的反応との関係を明確にした。得られた知見を以下に示す。暑くもなく寒くもない温熱的に中立な温冷感申告をすると考えられる夏季のETFeは31.6℃、冬季のETFeは36.0℃を得た。季節により温冷感申告の評価に違いが示され、夏季の場合と比較して冬季の場合の方がETFeに対する傾きが大きくなり、暑さに対する反応よりも寒さに対する反応が強くなる傾向を明らかにした。快でもなく不快でもない快適感申告をする寒い側の温冷感申告値は44.7、暑い側の温冷感申告値は55.1を得た。この条件を快適温熱環境範囲としてETFeと温冷感申告値との関係から快適なETFeの範囲を求めると、ETFeが31.6〜38.5℃を得た。
著者
落合 謙太郎 佐藤 聡 近藤 恵太郎
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2010

ブランケットによる燃料トリチウム自己供給技術の確立は核融合炉達成の必須条件であり、技術開発には生成から回収までのトリチウム循環に関する特性の解明が必要である。本研究ではDT中性子源による核融合炉ブランケット増殖材照射実験を実施し、増殖材から回収されたトリチウム量を測定することで、増殖材料からのトリチウム回収性能を明らかにし、核融合炉トリチウム増殖回収技術に必要な工学データの取得と設計課題の解決について貢献することを目的としている。原子力機構FNSでのDT中性子照射によるトリチウム回収実験の測定システムを用いて回収性能の試験を実施した。実験の具体的な手法は、固体増殖ブランケットの最有力中性子増倍材であるベリリウム体系(直径63cm、厚さ45cm)のほぼ中心にステンレス角柱で囲まれたヒーター付のアッセンプリ中にペブル状の増殖材(Li2TiO3)を挿入し、DT中性子源にて照射しながらトリチウム回収量を評価するものである。さらに照射時オンライン回収実験の準備を開始し、リボルバー式のバプラー切換装置を導入し、スイープガスの水分計測定、コールドトラップや酸化銅ベットの調整を行うことで、水形(HTO)ならびにカス形(HTやT2)成分分離で時間分解が可能な回収トリチウム測定システムを構築した。平成23年度は、震災により、原子力機構核融合中性子源(FNS)による照射ができなかったため、次年度の平成24年度に上記のトリチウム回収実験を改めて実施した。増殖材温度300℃と600℃のHTOとHTの分離回収測定から、トリチウム生成量の95%以上を回収できることが解った。また温度によるHTO回収量とHT回収量の違いがあることが明らかとなった。さらに時間分解測定の結果からガス系の回収は照射開始から遅れて回収されることがわかり、生成から回収までの時間が数時間必要であることが明らかとなった。
著者
村田 勲 近藤 恵太郎 宮丸 広幸 落合 謙太郎
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.762-773, 2009-11-25
参考文献数
24

核融合炉の核設計に不可欠な,14MeV中性子と核融合炉構成材料核種との核反応断面積の高精度測定をめざし,過去約10年間に亘って,大阪大学が日本原子力研究開発機構との共同研究を通じて,2つの新しい二重微分断面積測定手法の開発を進めてきた.日本原子力研究開発機構FNS施設において利用可能な世界で唯一のDT中性子ペンシルビームを用いる本測定手法により,放出中性子スペクトル測定に基づく(n,2n)反応断面積の直接測定,およびきわめて高精度な荷電粒子放出二重微分断面積測定が可能となった.本解説では測定手法の概要と,これまでに得られた世界初となるベリリウム,ジルコニウム,フッ素の最新の詳細断面積測定結果についてわかりやすく解説した.
著者
太田 博崇 工藤 安澄 井手 麻友美 嶋田 隆介 田邉 秀聡 池崎 修 近藤 恵里 横山 政明 田部井 弘一 山口 高史 原田 徹 二階堂 孝 柳田 修 高橋 信一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.173-175, 2020-06-26 (Released:2020-07-07)
参考文献数
6

The patient was a 66-year-old woman who had not been to the hospital or taking any medication. She visited our hospital with chief complaints of fever, headache, and general malaise. Blood tests showed an abnormally high inflammatory response. Chest, abdominal, and pelvic plain CT did not reveal any obvious abnormalities that could cause inflammation.Streptococcus bovis was detected in blood cultures. Because of the high incidence of colorectal lesions related with the bacterium, a lower gastrointestinal endoscopy showed an advanced colonic cancer in the ascending colon. A laparoscopically assisted right hemicolectomy was performed.It is a rare case of advanced colorectal cancer discovered by bacteremia caused by S. bovis.
著者
近藤 恵二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.228-240, 2003-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

ビールはお酒としての機能のほかに, 栄養源としての役割や食品増進及び利尿作用などの効用が広く認識されている。最近, ビールの虚血性心疾患リスクの低減効果が報告されるなど, 科学的見地からビールと健康との関連が報告されている。ビールは多くの人々に飲まれており, その健康機能性の解明は世界規模で意義がある。筆者らは生活習慣病予防効果の観点からビールとその原材料の機能性を科学的にアプローチされている。今後の発展が大いに期待される研究であるが, これまでに得られた成果を中心にビールの健康機能性について解説していただいた。
著者
近藤 恵介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 38 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.331-332, 2014-09-13 (Released:2018-05-16)

数学が苦手な学生のやり直し学習に着目し,従来の数学とは視点を変えた,「ビジネス数学」の「5つの力」の向上をめざす講義を行い,学生の数学に対する苦手意識の改善,および,数的リテラシーの向上をめざした。その結果,多くの学生の数的リテラシーの改善が見られた。
著者
近藤 恵
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.171-174, 1993-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
32

日本の在来馬の起源については, 様々な議論がなされてきた. 特に, 縄文時代におけるウマの存否に関しては, 実際に縄文遺跡からウマ遺存体が出土している例が少なくないことを根拠とする存在説に対して, 近年の精密な調査において, 確実に縄文時代に遡る出土例がみられないことから, 存在説に疑問が投じられ, 他にも文化的見地や遺伝学的調査から不在説が支持されている. 著者らは, この問題を解決する一助として, 縄文遺跡から出土したウマ骨資料について, 理化学分析により年代の検証を試みている. 本報告は, 千葉市木戸作遺跡出土ウマ遺存体に関して, 下田 (1979) による化学分析の結果を基に, 今回新たに分析したデータを加えて, フッ素年代判定法により年代の再評価を行ったものである. その結果, このウマ遺存体は縄文時代のものではなく, 縄文後期の貝層へ後世に混入したものであると判定された. 他の遺跡から出土したウマ遺存体に関する年代学的研究においても同様の結果が示されており,「縄文馬」の存在については, 再検討する必要がある.