著者
福嶋 昭彦 河口 洋一郎
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.146-150, 2014-09-12

気性が荒く縄張り意識も強いモンハナシャコは,捕脚を高速で打ち出し,貝などを割って捕食する.このようなモンハナシャコの攻撃的生態は,漫画や映画などのサブカルチャーの分野で取り上げられていることからも,その生態が娯楽性や話題性を内包することが推測される.本研究では,全長約1mのモンハナシャコ型打ち出しデバイスを開発することで,実体のあるメディアとして,モンハナシャコの攻撃的生態を娯楽装置へ応用する可能性を探求する.
著者
磯部 俊行 河口 洋一郎
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.270-273, 2014-09-12

近年物理シミュレーションを用いてリアルタイムにアニメーションを生成する手法が盛んに研究されており,複雑な関節構造をもつ節足動物に関しても同様である.しかしそのほとんどは静的な地面や壁面を歩行するものであり.自重によって引っ張られる布やしなる枝のような動的な物体上におけるものは少ない.本研究は動力学モデルと運動学モデルを組み合わせることで,前述の状況における節足動物の自動歩容生成を実現した.
著者
原田 隆宏 政家 一誠 越塚 誠一 河口 洋一郎
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.20080016, 2008 (Released:2008-06-06)
参考文献数
27

本研究ではGraphics Processing Unit (GPU)上での粒子法シミュレーションをさらに高速化する手法を提案する.スライスグリッドは粒子法の計算のボトルネックである近傍粒子探索を効率化するだけでなく,計算効率も向上させるデータ構造であるが,既存研究はグラフィックスAPIを用いた実装を行なっており,一般的なストリームプロセッサ上でも有用であるかは不明確であった.そこで本研究ではまずスライスグリッドをCompute Unified Device Architecture (CUDA)を用いた実装方法を開発し,より一般的なストリームプロセッサ上での実装を示す.また本論文ではデータの時間軸上でのコヒレンシを利用したGPU上でのブロックトランジションソートを提案し,これを用いて粒子法シミュレーションのデータの空間局所性を高めて更なる高速化をはかる.そしてDistinct Element Method (DEM)を本手法を用いて実装し,近傍粒子探索を約3倍高速化し,計算全体では約1.5倍高速化した.
著者
河口 洋一郎 橋本 康弘 堀 聖司 原田 隆宏 米倉 将吾
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、鑑賞者と投影画像に対してスクリーン自体が凹凸運動によって連続的・有機的かつダイナミックに反応する事が可能な、新しい映像装置システムの開発、および展示実験を通した評価を行った。スクリーンの形状は、連結・分割可能で自立可能なことから日本の伝統的な什器「屏風」の形状を目標とした。H17年度においては、まず凹凸スクリーン上に投影するCG画像生成、および、レンチキュラー方式による立体視CG画像の生成に関する研究・試作を行い、鑑賞者の動作・視線の変化に応じて画像が変容する屏風の視覚効果について実験を行った。また、並行して凹凸反応するスクリーンの概念設計のための基礎研究を行い、格子状に並べた直動アクチュエーターによってスクリーンの凹凸形状を制御する駆動システムの動作実験を繰り返し、実機制作のための知見を得ることができた。続くH18年度においては、小型エアシリンダによってスクリーン表面の凹凸を駆動するシステムの実装を行った。完成した凹凸スクリーンはACM-SIGGRAPH2006のアートギャラリー部門にエントリーして受理され、国際大会の会場にて展示、発表を行い、大きな成果を収めることができた。H19年度においては、スクリーンのコンテンツとして流体と生物的造形物の相互作用シミュレーションが非常に効果的であったため、コンテンツの作成に重点を置いて研究を行った。また、大規模な展示をACM-SIGGRAPH2007において行い、この新しい画像装置システムが観衆に対してどのような影響を与えるか、定性的な実験を行った。H20年度においては、スクリーンにより提示される立体感と、実際の立体物に対する立体感との比較を行うため、幾つかの立体物を構築し、印象の差異を中心に定性的に比較した。さらに、ASIAGRAPH 2008, ACM-SIGGRAPH2008アートギャラリー等に出品し、広く成果報告を行った。