著者
大橋 力
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.466-472, 1990-04-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
25

「筑波病」は筑波研究学園都市における自殺症候群である.現代精神医学では,自殺はうつ病・分裂病に深くかかわるとされ,これらの精神病は脳内神経伝達物質の代謝活性異常を反映する病気であることが解明されている.実験動物へのある種の化学物質の投与でうつ病・分裂病症状が導かれ,同じく,ある種の情報の入力・遮断によってもほぼ同質の症状が発現される.これは,脳が物質的環境入力と同様に情報的環境入力の影響を受けることを示す.このことからみても,これまでの環境を物質・エネルギーという尺度でとらえる態度から,それらに情報を加えた総合的な視座で環境をとらえる態度に早急に切り換えねばならない.この観点から,著者らは情報環境学の体系化を進めている.
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝 河合 徳枝 森本 雅子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.18, pp.29-34, 1997-02-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

26kHzをこえる高周波成分は、それ単独では人間に音としてきこえないにもかかわらず、それをふくんだ音は、それを除外した音にくらべて、脳波α波ポテンシャルを統計的に有意に増大させるとともに共存する可聴音をより快適に感受させる効果をもつことをみいだした。この高周波成分のもつ感性効果「ハイパーソニック・エフェクト」について、研究の経緯、使用したシステム、高周波成分の生理学的・心理学的効果などについて概観する。We have developed a new system for sound presentation and a novel technique to measure brain electric activity, and used them to determine if high frequency components above the audible range can influence sound perception in ways not discerned by the method of paired comparisons. We report that high frequency sound induces activation of α-EEG rhythms that persist in the absence of high frequency stimulation, and can affect perception of sound quality.
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HC, ヒューマンコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.94, no.89, pp.15-22, 1994-06-16
被引用文献数
10

おなじ音楽ソースからつくられたLPとCDとの再生音を対象として、主観的評価と生理学評価とを総合した検討をおこなった。その結果、LP再生音とCD再生音とのあいだ、およびLP再生音とそこから22kHz以上の成分をとりのぞいた再生音とのあいだに、おなじ傾向の音質差が検知された。同時に、LPに豊富にふくまれている可聴域をこえる高周波成分が、脳波α波パワーを有意に増大させることもみいだされた。LP音とCD音とに対する人間の感性的・生理的反応のちがいは、LP再生音に豊富にふくまれる半面CD再生音にほとんどふくまれていない可聴域をこえる高周波成分の誘起するハイパーソニック・エフェクトが主たる要因になっている可能性がたかい。
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝 河合 徳枝 田中 基寛 前川 督雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1921-1934, 1996-12-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

Audio-visual information supplied by electronic media is rapidly beginning to occupy a greater part of our information environment than natural audio-visual information While positive effects on the user's brain are possible through contact with visual media, it is impossible to deny that negative effects are also possible To develop a basic and effective method to physiologically assess how visual media affects the human brain, we classified and investigated considerable data in this field, referring to outcomes of studies on sound amenities An α-EEG (Electroencephalogram) indicated assessment method is developed Its effectiveness is examined in a comparison between a High-Definition format and an NTSC format Results suggest the effectiveness of the method with statistical significance
著者
上野 修 前川 督雄 本田 学 仁科 エミ 河合 徳枝 大橋 力
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

私たちは、現在の地球環境問題を自然だけでなく社会・文化を含む文明の次元で捉えることを試みている。<死生観>に関わる生命モデルを創り、増殖進化における優位性の検討が可能な人工生命研究と、モデルに対応する生命機構の実在性を検証する生命科学実験との相補的アプローチを進めてきた。その有効性を示す例として、不死の生命よりも有死の利他的生命の優越性を示した「プログラムされた自己解体モデル」を紹介する。
著者
仁科 エミ 大橋 力
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.40.3, pp.169-174, 2005-10-25 (Released:2017-07-01)
参考文献数
18

著者らはさきに、自然性の高い環境音に豊富に含まれている可聴域を超える高周波成分が都市環境では大幅に欠乏しており、それが現代病の引き金を引く基幹脳の活性低下を導く可能性を見出した。このことから、高周波成分を豊富に含む熱帯雨林性の森林環境音を市街地環境音に電子的に補完することによって基幹脳の活性を適正化し、都市の病理を克服するという都市情報環境改善の方略が展望される。これを具現化するために著者らは、熱帯雨林の環境音を市街地環境音に補完して、その生理・心理的効果を計測する実験を行った。その結果、ストレスフリーの指標であり脳基幹部の活性と高い相関関係にある脳波α波が増大するとともに、ガン抑制効果やウィルス感染防止効果をもつ血液中のNK細胞活性や免疫グロブリン類の活性が上昇し、ストレス指標となるアドレナリンが低下するなどのポジティブな生理的効果と、環境の快適性が全般的に高まるという心理的効果とが見出された。これにより、著者らの都市情報環境改善方略は、大きな支持材料を得たと考えられる。
著者
小野寺 英子 仁科 エミ 中川 剛志 八木 玲子 福島 亜理子 本田 学 河合 徳枝 大橋 力
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.315-325, 2013

To address complaints about irritating sounds on train station platforms beyond the limitation of conventional noise reduction approaches, we applied the hypersonic effect, which refers to the positive way in which inaudible complex high frequency components (HFCs) produces a salutary physiological and psychological effect on human through the activation of fundamental brain. We created a virtual platform acoustic environment in the experimental room as well as actual platform space by reproducing highly accurate broadband recordings of actual platform sounds. We developed hypersonic contents of effective HFCs obtained from a rainforest environment and developed hypersonic public announcements and hypersonic departure bells containing HFCs. We evaluated the psychological and physiological effects of hypersonic contents presented alongside the platform acoustic environment. Subjects showed significantly more positive impression of the acoustic environment and significantly greater alpha 2-electroenchephalography potential, indicating the efficacy of the hypersonic effect in ameliorating the unpleasantness of a noisy environment.
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝 河合 徳枝 森本 雅子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.539, pp.29-34, 1997-02-20
被引用文献数
9 1

26kHzをこえる高周波成分は、それ単独では人間に音としてきこえないにもかかわらず、それをふくんだ音は、それを除外した音にくらべて、脳波α波ポテンシャルを統計的に有意に増大させるとともに共存する可聴音をより快適に感受させる効果をもつことをみいだした。この高周波成分のもつ感性効果「ハイパーソニック・エフェクト」について、研究の経緯、使用したシステム、高周波成分の生理学的・心理学的効果などについて概観する。