著者
河合 敏 佃 守 持松 いづみ 陰里 ゆうみ 古川 滋 大石 公直 中川 千尋 古川 政樹
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.609-614, 1999-12-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

We discussed five cases of open injuries to the larynx with sharp instruments in suicide attempts.In these cases, (1) laryngoplasty was performed early. (2) Tracheostomy was done at the lower part of the injury to keep the airway open. (3) The wound was observed carefully. And (4) The mucosa of the larynx was sutured firmly so as not to yield a raw surface with a synthetic monofilament, whether absorptive or not. Sometimes, the suture filament penetrated in the lumen of the larynx without any problem.The prognosis for the larynx in these cases was generally good. The risk of permanent laryngeal palsy was supposed to be little.However, all the patients might have psychiatric disease, i. e. schizophrenia or depression. We must consider their psychiatric background.
著者
錦見 盛光 河合 敏秀
出版者
(財)応用生化学研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

ヒトやサルはビタミンCを生合成することができないため、このビタミンを食物より摂取せねばならない。その原因がビタミンC合成経路で働くグロノラクトン酸化酵素(GLO)の欠損にあることが分っているので、これらの動物の細胞へGLOのミニ遺伝子を導入しGLOの発現を試みた。ラット肝臓GLOのcDNAを発現ベクタ-pSVLの後期プロモ-タ-と後期ポリA付加部位の間へ挿入した構築体を作製した。これをアフリカミドリザルの腎臓由来のCOSー1細胞へリン酸カルシウム共沈殿法で導入し、抗ラットGLOウサギ抗血清を用い免疫組織化学的方法で細胞を染色したところ、5ー10%の細胞でGLOタンパク質が発現されていることが分った。発現されたGLOタンパク質が酵素活性を持つことを高速液体クロマトグラフィ-用いるGLO活性測定法により確認した。さらに、COSー1細胞で発現されたGLOがラット肝臓のGLOと同じ分子量を有することをウエスタンブロット法で明らかにするとともに、ミクロソ-ム画分に局在することを細胞分画法で調べた。また、恒常的にラットGLOをヒト由来のHeLa細胞で発現させるため、マウスMoloney白血病ウイルスのLTRとバクテリアのネオマイシン耐性遺伝子をpBR322へ組み込んだベクタ-(N2)のXhoIサイトへ、SV40の前期プロ-モ-タ-の下流へラットGLOのcDNAをつないで連結した。得られた構築体をHeLa細胞にリン酸カルシウム共沈殿法によりトランスフェクトしG418に耐性を示す細胞を得た。その細胞がGLOを発現することを免疫組織学化的に染色して確認した。現在、GLO活性を発現するようなクロ-ンを得る試みを行っている。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
平田 佳代子 佃 守 古川 滋 河野 英浩 河合 敏 榎本 浩幸 小勝 敏幸 三上 康和 陰里 ゆうみ 稲葉 鋭
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.48-56, 1997-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
22

慢性副鼻腔炎患者44例に対してレボフロキサシン少量長期投与 (100mg/日, 8週間) を行い, 臨床効果を検討した. 投与8週目の著明改善と改善を合わせた改善率は, 自覚症状では鼻漏29%, 後鼻漏41%, 鼻閉42%, 頭重・頭痛52%, 嗅覚障害53%, 他覚所見では鼻粘膜の発赤30%, 鼻粘膜の浮腫42%, 鼻汁の量55%, 鼻汁の性状61%, 後鼻漏70%であった. 自覚症状, 他覚所見, 臨床症状の総合評価でのt検定では有意な改善を見 (P<0,001), 副鼻腔X線所見でも明らかな改善を認め(P<0.001), 副作用は全くみられず, この治療法の有用性が示された. 臨床症状の改善率は投与4週目より8週目が高かつた. また鼻汁の細菌検査では細菌学的効果と臨床症状が相関せず, レボフロキサシン少量長期投与の効果には抗菌作用以外の作用機序の関与が示唆された.