著者
高田 京比子 三成 美保 小浜 正子 田端 泰子 栗原 麻子 山辺 規子 長志 珠絵 河村 貞枝 福長 進 森 紀子 山本 秀行 京楽 真帆子 持田 ひろみ
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アメリカ文学におけるますキュリニティー研究の成果を摂取しながら、日本史・東洋史、西洋史における母 - 息子関係の比較研究を行った。2006年度に3回、2007年度に5回、2008年度に1回の研究会と合宿発表会を持ち、それぞれの研究成果を発表して討論を行った。2008年には「家長権をめぐる<母>機能の比較史」というタイトルで比較家族史学会に於いてミニシンポジウムを行った。
著者
三成 美保 栗原 麻子 福長 進 山本 秀行 高田 京比子 京樂 真帆子 長 志珠絵 森 紀子 山辺 規子 河村 貞枝 井出 千春 沖野 真理香 田端 泰子 小浜 正子 田端 泰子
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

「マスキュリニティの比較文化史」につき、3点を明らかにした。(1)「マスキュリニティ史」は「男性史」とは区別されるべきであり、ジェンダー史の一領域として「歴史学におけるジェンダー主流化」を牽引する重要な役割を果たす。(2)「マスキュリニティ」は多様であり、男性の属性とは限らない。「覇権的/従属的マスキュリニティ」の差異化は、時代と社会により異なる。(3)「同性愛」概念は19世紀に登場し、私的な同性愛関係はしばしば公的領域(政治・経済・軍隊)の人的紐帯を決定した。
著者
若松 寛 橋本 伸也 渡邊 伸 渡辺 信一郎 河村 貞枝
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

(1)本研究は、多様な生産形態・民族・言語・宗教・文化を基礎に政治的統合を達成した国家を帝国システムとして捉え、システム内部の諸要素の比較史的検討を通じて、世界史上における多様な政治的統合のあり方を解明すると共に、国家そのものの現在的意味を問いなおすことを目的とし、3年間共同研究を行ってきた。その成果は次のとおりである。(2)若松寛は、清朝による青海地方平定の後、ここに設置された旗の数に関し、当初の29旗が1746-1806年の期間のみ30旗あったことを解明した。(3)河村貞枝は、ヴィクトリア期からエドワード期にかけての帝国体制・帝国文化の中で形成されたイギリスの「第一波」フェミニズム運動をとりあげ、その本質が帝国主義の問題を中心に内包するものであったことを指摘し、インド女性との関係、ボ-ア戦争に対する姿勢、国際的なフェミニズムの連携に果たした役割などを考察した。(4)渡辺信一郎は、『大唐開元礼』に規定される唐王朝の元旦儀礼の訳注をおこない、元旦儀礼をつうじて象徴的に表現される皇帝と中央官僚との君臣関係、中央政府と地方政府及び諸外国・異民族との政治的従属関係の存在を指摘し、それらを唐王朝の帝国構造として把握した。(5)渡邊伸は、神聖ローマ帝国に関する近年の二つの研究動向に注目した。その一つは、帝国を「平和」のための法共同体とするものであり、いま一つは皇帝を中心とする人的結合関係から帝国をとらえようとする。そして事例考察から帝国システムの解明に後者の方向が有効と指摘した。(6)橋本伸也は、3次にわたるポーランド分割によってロシア領となった西部諸県の18世紀以来の教育的伝統を踏まえたうえで、19世紀前半のポーランド・シラフタを対象とした帝国の民族教育政策の転回について考察した。