著者
橋本 伸也 野村 真理 小森 宏美 吉岡 潤 福田 宏 姉川 雄大 梶 さやか
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

東中欧諸国・ロシアで深刻の度を増している第二次世界大戦と社会主義時代の歴史と記憶をめぐる政治化と紛争化について、現地調査や国際研究集会の開催などを通じて、実相解明を進めた。6回の国内研究会の開催、個別研究論文の執筆に加えて、2014年度にはエストニアのタリン大学で夏季ワークショップを開催して成果をproceedingsとして公開するとともに、2015年には関西学院大学で国際会議を開催して、東アジアの歴史認識紛争との対比により問題構造の多元的把握に努めた。研究代表者の単著(既刊)や雑誌特集号に加えて、2017年中に国際的な論集と研究分担者らの執筆した共著書2点の刊行が決まっている。
著者
小塚 直樹 橋本 伸也 宮本 重範 小神 博 横井 裕一郎 仙石 泰仁 三島 与志正
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.371-375, 1992-07-10
被引用文献数
2

大規模な設備が不要で, 被検者に対しても様々な負担がかからない歩行分析を検討する目的で, 痙直型脳性麻痺児20名, 正常児10名を対象に側方からの映像歩行解析を行いスティックピクチュアにより定量化した。その結果, crouching gait を呈する脳性麻痺群と正常群との間に歩行速度, 股関節・膝関節の運動性, 歩幅, 立脚期/遊脚期の比率との間に有意差が認められたが, 上下の重心動揺は有意差が認められなかった。また脳性麻痺群において, 歩幅と歩行速度の間の相関傾向が, 正常児群において, 年齢と歩行速度の間の相関関係がそれぞれ認められ, その他のパラメーターも含め crouching gait の特徴を定量化により示すことができた。
著者
楠木 伊津美 仙野 堅太 橋本 伸也 神林 勲 秋月 一城 大西 昌美 武田 秀勝 Itsumi KUSUNOKI SENNO Kenta HASHIMOTO Nobuya AKIZUKI Kazuki KANBAYASHI Isao ONISHI Masami TAKEDA Hidekatsu 藤女子大学人間生活学部 深川市立病院理学療法科 藤女子大学人間生活学部 北海道教育大学岩見沢校 松田整形外科病院口腔外科 北翔大学生涯学習システム学部 札幌医科大学保健医療学部 Fuji Women's University Fukagawa Municipal Hospital Fuji Women's University Matsuda Orthopedic Hospital Hokkaido University of Education Iwamizawa Hokusho University Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.27-31, 2007-03-01

ヒトの生活において食事は重要な位置づけである。しかし、近年のライフスタイルの多様化に伴って食事の形態は変化し、「孤食」や栄養の偏った「偏食」がみられるようになった。そのような中で、「食育」が叫ばれてきている。食育の中でも食事の環境は大切であると考える。というのは、食事の環境は免疫機能の活性化を大きく左右し、加えて会食は、人間関係を形成するなど、社会的、精神的に良好な生活につながると考えられている。会食を行うことは、身体に必要な栄養素の摂取や心理面における満足感などの食事本来の目的のほかに、笑いや楽しみが得られ、ストレス軽減、免疫能の向上の効果があると考えられる。そこで、免疫系と内分泌系の機能検査として、末梢血中のNK細胞活性とコルチゾール値を用いて会食によるNK細胞活性、コルチゾール値の変化を検討し、会食がストレス軽減につながるかについて考察する。
著者
小島 悟 田中 敏明 橋本 伸也 武田 秀勝
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-31, 1999-03

健常男性10名を対象に、体幹の前傾角度及び足部位置の相違が椅子からの立ち上がり動作に及ぼす運動学的差異を検討した。体幹の前傾を増加させて立ち上がると、殿部離床時の身体重心?踵部距離と膝関節伸展モーメントが減少し、股関節伸展ならびに足関節底屈モーメントは増加した。足部を後方へ引いて立ち上がると、身体重心の前方移動距離と殿部離床時の身体重心?踵部距離が減少した。しかし、動作時の下肢関節ピークモーメント値に変化はなかった。以上の結果から、立ち上がりの際に足部を後方へ引いたり、体幹をより前傾させることによって、安定した姿勢で殿部を持ち上げることができるものと推察された。また体幹の前傾を増加させることで、股及び足関節の負担は増加するが、動作に必要な膝関節伸展筋群の負担を軽減できるものと考えられた。BACKGROUND : Standing from a seated position is a common activity of daily living, and essential for independent life. Many elderly and patients with musculoskeletal and neurological dysfunctions have difficulty in rising from a chair. Biomechanical analyses of chair rise are needed for the basis for more effective therapeutic programs. PURPOSE : The purpose of this study was to analyze the influence of initial foot position and trunk flexion on sit-to-stand (STS) transfer using a biomechanical model. METHODS : Ten healthy males performed the STS movement under 3 different conditions; 1) natural STS movement, 2) STS movement with increasing flexion of the trunk, 3) STS movement by placing the feet further back toward a chair. A motion analysis system and a force plate were used to collect kinematic and kinetic data. RESULTS : During the STS movement with the feet placed further back toward a chair, the distance between center of mass and base of support at seat off significantly decreased compared to that during the natural STS movement, but there were no siginificantly differences in lower limb moments. During the STS movement with increasing flexion of the trunk, the distance between center of mass and base of support at seat off, the moment of the knee significantly decreased, whereas moments of the hip and ankle significantly increased compared to those during the natural STS movement. CONCLUSIONS : The results suggest that placing the feet further back toward a chair or increased trunk forward lean is a more effective strategy to facilitate postural stability. Moreover, increased trunk forward lean is useful in reducing knee moment, although this strategy may be inefficient for the hip and ankle joints.
著者
小山 哲 小田中 直樹 佐々木 博光 橋本 伸也 長谷川 貴彦 長谷川 まゆ帆
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、日本における「西洋史学」の過去と現在を史学史的な視点から再考すると同時に、「西洋史学」を東アジアに固有の学問領域として捉え直すことによって、国境を越えた研究者間の交流と議論の場を構築することを目的として行なわれた。各年度に研究会を実施したほか、公開シンポジウム、国際会議を主催した(詳細ついては、添付した研究成果報告内容ファイルを参照)。最終的な成果の一部は、『思想』(第1091号、2015年3月)に特集「東アジアの西洋史学」として掲載されている。また、日本と韓国の西洋史研究者の交流の場として「日韓西洋史フォーラム」を組織した。
著者
但野 茂 橋本 伸也 高橋 裕人 吉成 哲 吉成 智
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

車椅子の試作:従来の2輪駆動電動車椅子をベースに構造的、機構的検討のため、四輪駆動電動車椅子を試作した.そして雪路走行実験を行い、四輪駆動の優位性を確認した.また、室内では四輪駆動は不用のため、二輪駆動車椅子で使用できる収納型キャスター輪を考案した.これらの成果を新聞報道した.乗り心地性の客観指標の開発:市販電動車椅子および本開発の四輪駆動電動車椅子を使い、雪路、乾燥路走行時の身体負荷特性を計測した.三軸方向加速度、三軸周りの角速度、座圧分布変化量を用いることで、乗り心地性の客観的評価法が可能であることを確認した.通常路面に比べて、雪道走行では乗り心地性が悪くなった。しかし、本開発した四輪駆動車椅子の乗り心地性は、市販の車椅子に比べて、改善された。シーティング機構の開発:身体機能・状態に合わせた四輪駆動電動車椅子のためのシーティング設計法を考案した.座面角度と背もたれ角度を任意に設定可能な実験シートを作成し、それぞれの角度について走行時の座圧分布を測定した。これらのデータにより、雪道走行に最適な角度があることを示し、シーティング設計と重心位置の移動制御方法を検討した.雪路走行実験:あらゆる条件を想定した実験路面を作成した.そして、走行実験を行った.また、実際の雪路を利用した走行実験を繰返し、乗り心地性を評価した.ジョイスティックの機能デザイン:ジョイスティックの操作制御に学習効果を持たせ、使っているうちに、利用者の感覚と合ってくるものを開発した.試作車の改良と走行実験:試作した車椅子に上記の開発項目を盛り込み、改良を計った.
著者
若松 寛 橋本 伸也 渡邊 伸 渡辺 信一郎 河村 貞枝
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

(1)本研究は、多様な生産形態・民族・言語・宗教・文化を基礎に政治的統合を達成した国家を帝国システムとして捉え、システム内部の諸要素の比較史的検討を通じて、世界史上における多様な政治的統合のあり方を解明すると共に、国家そのものの現在的意味を問いなおすことを目的とし、3年間共同研究を行ってきた。その成果は次のとおりである。(2)若松寛は、清朝による青海地方平定の後、ここに設置された旗の数に関し、当初の29旗が1746-1806年の期間のみ30旗あったことを解明した。(3)河村貞枝は、ヴィクトリア期からエドワード期にかけての帝国体制・帝国文化の中で形成されたイギリスの「第一波」フェミニズム運動をとりあげ、その本質が帝国主義の問題を中心に内包するものであったことを指摘し、インド女性との関係、ボ-ア戦争に対する姿勢、国際的なフェミニズムの連携に果たした役割などを考察した。(4)渡辺信一郎は、『大唐開元礼』に規定される唐王朝の元旦儀礼の訳注をおこない、元旦儀礼をつうじて象徴的に表現される皇帝と中央官僚との君臣関係、中央政府と地方政府及び諸外国・異民族との政治的従属関係の存在を指摘し、それらを唐王朝の帝国構造として把握した。(5)渡邊伸は、神聖ローマ帝国に関する近年の二つの研究動向に注目した。その一つは、帝国を「平和」のための法共同体とするものであり、いま一つは皇帝を中心とする人的結合関係から帝国をとらえようとする。そして事例考察から帝国システムの解明に後者の方向が有効と指摘した。(6)橋本伸也は、3次にわたるポーランド分割によってロシア領となった西部諸県の18世紀以来の教育的伝統を踏まえたうえで、19世紀前半のポーランド・シラフタを対象とした帝国の民族教育政策の転回について考察した。