著者
渡辺 信一郎 伯田 宏 松尾 敬志 原 寛 原志 兎太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.42-50, 1981-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

原は以前に灸の効果を従来の経絡説ではなく「非特異性加熱自家蛋白体療法説」を提唱した。これは今日の非特異的免疫療法に相当するものと考えられる。ラットを用い通常のモグサ施灸と同一条件なる電子灸を用い, 連日一定期間施灸し, その後, ヒトγグロブリンを抗原とし, 感作後の足蹠の浮腫増強作用, 血中抗体価の変動を測定し, 抗原にじゃっきされる炎症性浮腫は抗原抗体複合物III型の即時型反応によること, 免疫賦活剤であるレバミゾールと比較すると施灸群の方がより高い抗体価が得られ, 両者併用群で更に強い効果のあることが明らかとなった。灸の臨床面での有効性の1つに免疫増強作用のあることが示唆された。今後細胞レベルで免疫賦活作用の機序について検討を加えたい。
著者
渡辺 信一郎
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.2, pp.5-20, 2009-03-17

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業
著者
谷垣 武彦 佐藤 健二 佐野 栄春 羽倉 明 湯通堂 満寿男 樋口 冨士夫 池永 満生 渡辺 信一郎
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.15, 1984 (Released:2014-08-20)

著者らは今までに疣贅状表皮発育異常症(EV)の患者から3種類の異なるHPVを分離し,EVは数種類のヒトイボウイルス(HPV)に起因していることを明らかにしてきた.今回本邦におけるEVの実態調査を行った結果,その臨床像,皮膚悪性腫瘍の併発にも差異があることを明らかにした.本調査患者66例の家系中,近親結婚が44%を占め,本疾患は高い確率で遺伝が背後にあり,劣性遺伝といえる.患者分布は北海道,東北のような寒い地方は少なく,暖かい九州では多数見られた.皮膚悪性腫瘍の併発も南ほど多い傾向か見られた.癌の発生部位は,いわゆる露光部位が72.2%も占めた.本疾患は血族結婚をはじめとする遺伝的背景の上に,HPV感染が生じ,太陽紫外線らの環境因子によって皮膚悪性腫瘍が発生,つまりウイルス・紫外線及び宿主という三者の相互作用が発癌に関与していることが本疫学調査から明らかにされた.
著者
渡辺 信一郎
出版者
鷹陵史学会
雑誌
鷹陵史学 (ISSN:0386331X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.45-53, 2015-09-30
著者
渡辺 信一郎
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
no.2, pp.5-20, 2009-03-17

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業
著者
渡辺 信一郎 松尾 敬志 原 寛 広瀬 勝美 原 志免太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.20-26, 1982-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

前報に続き施灸後の免疫賦活作用の機序の解明のため抗原としてT細胞依存性の DNP-KLH, T細胞非依存性の DNP-Ficoll を用い, 電子灸の施灸を一定期間受けた Wistar ラットについて, 二次免疫後4日目の脾細胞DNP抗体産生細胞数につき検討した。結果, 施灸を実験前日まで9週余り行うと, 非施灸群あるいは抗原感作前に4週間施灸した群に比べ, DNP-KLH に対し著明な抗体産生細胞数の増加を認めた。しかし DNP-Ficoll では施灸による増強はなかった。施灸の免疫賦活作用を得るために要する期間について感作時まで4週行ったが対照群と有意差なく, 免疫増強効果を期待するには4週以上の長期にわたり施灸する必要のあること, その作用はT細胞機能の活性化を介し, 直接抗体産生細胞やB細胞に作用しない。
著者
若松 寛 橋本 伸也 渡邊 伸 渡辺 信一郎 河村 貞枝
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

(1)本研究は、多様な生産形態・民族・言語・宗教・文化を基礎に政治的統合を達成した国家を帝国システムとして捉え、システム内部の諸要素の比較史的検討を通じて、世界史上における多様な政治的統合のあり方を解明すると共に、国家そのものの現在的意味を問いなおすことを目的とし、3年間共同研究を行ってきた。その成果は次のとおりである。(2)若松寛は、清朝による青海地方平定の後、ここに設置された旗の数に関し、当初の29旗が1746-1806年の期間のみ30旗あったことを解明した。(3)河村貞枝は、ヴィクトリア期からエドワード期にかけての帝国体制・帝国文化の中で形成されたイギリスの「第一波」フェミニズム運動をとりあげ、その本質が帝国主義の問題を中心に内包するものであったことを指摘し、インド女性との関係、ボ-ア戦争に対する姿勢、国際的なフェミニズムの連携に果たした役割などを考察した。(4)渡辺信一郎は、『大唐開元礼』に規定される唐王朝の元旦儀礼の訳注をおこない、元旦儀礼をつうじて象徴的に表現される皇帝と中央官僚との君臣関係、中央政府と地方政府及び諸外国・異民族との政治的従属関係の存在を指摘し、それらを唐王朝の帝国構造として把握した。(5)渡邊伸は、神聖ローマ帝国に関する近年の二つの研究動向に注目した。その一つは、帝国を「平和」のための法共同体とするものであり、いま一つは皇帝を中心とする人的結合関係から帝国をとらえようとする。そして事例考察から帝国システムの解明に後者の方向が有効と指摘した。(6)橋本伸也は、3次にわたるポーランド分割によってロシア領となった西部諸県の18世紀以来の教育的伝統を踏まえたうえで、19世紀前半のポーランド・シラフタを対象とした帝国の民族教育政策の転回について考察した。