著者
伊藤 マモル 小坂 博信 上岡 尚代 泉 重樹 和田 武真 藤野 大樹
出版者
法政大学体育・スポーツ研究センター
雑誌
法政大学体育・スポーツ研究センター紀要 = 法政大学体育・スポーツ研究センター紀要 (ISSN:21862842)
巻号頁・発行日
no.31, pp.13-23, 2013-03-31

本研究ではスポーツ選手の敏捷性を向上させるための手段を模索する観点から、シューズ内の滑りを抑制したソックス (Technical Grip Socks:以下、TS)の着用が敏捷性能力に及ぼす効果を検証した。被験者は大学体育会に所属するフェンシング選手男女12人、バスケットボール選手男女33人であった。測定項目は、反復横跳び、マルシェ・ロンペ、ステップ50、サークルドリブル、垂直跳びであった。TSと比較したソックスは市販のスポーツソックス (以下、NS)であった。測定はインターバル3分で4回実施し、TSとNSを1回ごとに履き替えさせた。その結果、TSの着用は、敏捷性を向上させ、疲労感が高まっている時であっても、敏捷性を低下させない可能性が示唆された。また、TSが有するトリプルサポート機能は足部に生じる傷害を予防する可能性が示唆された。しかし、TSの効果をより明確にするならば、被験者の条件設定や被験者が使用しているスポーツシューズを詳細に調べるとともに、サーフェイスおよび被験者のアライメントや足裏の接地状態などの特徴に関しても検討する必要性を認めた。
著者
春日井 有輝 泉 重樹 塚原 由佳
出版者
法政大学スポーツ健康学部
雑誌
法政大学スポーツ健康学研究 (ISSN:21853703)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-12, 2016-03

2014年度と2015年度の法政大学スポーツ健康学部 Athletic Training Room(AT Room)活動を報告することを目的とした。AT Room の利用者は2014年度は201名と前年の483名から大きく減少したが、2015年度は364名と増加した。2014年度から導入した新入生メディカルチェックのデータ利用や、2015年度の秋学期から開始した医師の診察・超音波検査など、新たな取り組みが増え、AT Room 利用学生にとっても実習を行う学生トレーナーにとっても充実した環境が整った2年間であったといえる。今後の課題として、体育会の各部の指導者やメディカルスタッフとの連携を進めることと、学生には傷害受傷時以外にトレーニングやコンディショニング目的でも利用できることを周知していくことが挙げられる。
著者
朝比奈 茂 Asahina Shigeru 伊藤 マモル Ito Mamoru 山本 利春 Yamamoto Toshiharu 中澤 史 Nakazawa Tadashi 泉 重樹 Izumi Shigeki 笠井 淳 Kasai Atsushi マクラーレン ジェイソン Mclaren Jason
出版者
法政大学体育・スポーツ研究センター
雑誌
法政大学体育・スポーツ研究センター紀要 (ISSN:21862842)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.55-62, 2012-03-31

In spite of an increasing use of elastic stockings in the field of sports, the paucity of reports on physiological and morphological responses to wearing elastic stockings prompted us to investigate it. The purpose of the present investigation was to clarify the physiological effects of wearing elastic stockings for sports on cardiorespiratory responses, peripheral circulation, leg circumference etc. during exercise. Data were collected through a questionnaire, which was then compared against previously reported results. The results of the questionnaire revealed that many of the subjects were amateur runners, who exercised as a hobby or for recreational purposes. In addition, many of the subjects have some experience using compression stockings, holding the view that it aids the recovery of fatigue, promotes blood circulation, and improves their competitive power. On the other hand, although elastic stockings increased suppression around the lower leg, physiological effects demonstrated no significant differences in cardiorespiratory responses or peripheral circulation. It is concluded that wearing elastic stockings for sports does not a large effect on respiratory responses to intense exercise in healthy young people. Questions still remain about the physiological role of elastic stockings, but at this stage, there is no alternative but to wait for future research.
著者
大久保 雄 金岡 恒治 半谷 美夏 椎名 逸雄 辰村 正紀 泉 重樹 宮川 俊平
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C1461, 2008

【目的】これまで単純X線画像による腰椎の運動学的研究は行われてきたが,連続的に腰椎挙動を評価した研究は少ない.本研究の目的は,X線シネ撮影装置により立位体幹前後屈時の矢状面腰椎挙動を撮影し,各椎間の可動域及び挙動開始の位相差を比較することである.<BR>【方法】側面X線画像にて腰椎に明らかなすべりのない健常男性9名(平均年齢23.2歳,平均身長171.0cm,平均体重65.2kg)を対象とした.立位にて骨盤を固定した状態の下,体幹前後屈を行わせた腰椎挙動をX線シネ撮影装置にて撮影した.前屈及び後屈動作は腰椎の撮影が行える範囲までとし, 撮影速度は15frames/secとした.得られたX線シネ画像をデジタイズ処理によって各椎間(L1/2,L2/3,L3/4,L4/5)及び腰椎全体(L1/5)の矢状面角度を計側し,前屈及び後屈動作においてL1/5可動域に対する各椎間可動域の百分率を椎間別に比較した.さらに,各椎間の動作が開始した時点を求め,各椎間挙動の位相差を検討した.統計処理は一元配置分散分析を用い,有意水準を5%とした.<BR>【結果】全対象者のL1/5可動域は前屈35±10゜(Mean±SD),後屈10±8゜であった.前屈動作における各椎間可動域の百分率はL1/2:23±8%,L2/3:30±9%,L3/4:28±5%,L4/5:19±11%であり,L2/3の可動域がL4/5に比べ大きい傾向を示した(p=0.06).一方,後屈動作ではL1/2:27±31%,L2/3:39±46%,L3/4:20±23%,L4/5:17±59%と,被験者毎にばらつきが大きく一定の傾向を示さなかった.各椎間挙動の開始時点の比較では,前屈動作においてL4/5の挙動が他の椎間(L1/2,L2/3,L3/4)に比べ有意に遅かったが,後屈動作では椎間別に有意な位相差を認めなかった.<BR>【考察】本研究の結果より,前屈動作ではL2/3の可動域が大きく,L4/5の挙動が他の上位椎間に比べて遅れることが示された.腰椎の前屈可動域はL4/5において最大と言われているが,Miyasakaらは腰椎全体の前屈可動域が40゜未満の場合,L2/3が最大可動域を示すことを報告しており,本研究でも同様の傾向を認めた.また,椎間挙動の位相差に関して,Kanayamaらは腰椎の前屈動作においてL3/4,L4/5,L5/S1の順に挙動が開始することを報告しており,本研究においても類似の結果が得られた.<BR>【まとめ】立位体幹前後屈時の矢状面腰椎挙動を連続的に計側した結果,可動域が中程度の前屈動作においてL2/3の可動域が大きく,L4/5の挙動が上位椎間に比べ遅れることが示唆された.一方,後屈動作では可動域,位相差ともに椎間別で特異的な傾向を認めなかった.
著者
中澤 史 伊藤 マモル 山本 利春 泉 重樹 朝比奈 茂 笠井 淳 マクラーレン ジェイソン
出版者
法政大学体育・スポーツ研究センター
雑誌
法政大学体育・スポーツ研究センター紀要 = The Research of Physical Education and Sports, Hosei University (ISSN:21862842)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.29-34, 2012-03-31

The purpose of this study was to investigate the psychological effect by comparing changes in feelings and psychological condition before and after wearing the compression garment for sports. Two kinds of questionnaire investigations, Two-dimensional mood Scale and Psychological condition inventory, were executed for 50 non-athletes (35males and 15females) and 25 college athletes (21males and 4 females) before and after wearing the garment. The result was as follows. (1) Regardless of the non-athletes or the athlete, it was shown that the activation level, the stability level and the degree of comfort were improved, and a moderate arousal level to sports was obtained by wearing the garment. (2) It was shown that the anxiety level of athletes and non-athletes was reduced, and there was an effect of promoting mental stability to sports. In conclusion, by wearing the garment, the possibility of becoming one method of the lead into an appropriate psychological condition for sports was shown.
著者
泉 重樹 日浦 幹夫 金岡 恒治 宮本 俊和 宮川 俊平
出版者
法政大学スポーツ健康学部
雑誌
法政大学スポーツ健康学研究 = 法政大学スポーツ健康学研究 (ISSN:21853703)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-56, 2010-03

The purpose of this study was to have verified a muscle that began to contract fastest in the punch of boxing. The Fifteen university-age males with no history of chronic low back pain participated in the study. Participants were ranked as BOX (n=8) or CON (n=7). Subjects performed a straight punch with the rear arm (dominant arm). Electromyographic activity of deltoid muscle, rectus femoris muscle, rectus abdominis muscle, external oblique muscle, internal oblique muscle-transversus abdominis muscle; IO-TrA, multifidus muscle were measured. As a result, the IO-TrA was invariably the first contractive muscle in BOX and CON, supporting the hypothesized role of this muscle in spinal stiffness generation.
著者
瀬戸 宏明 泉 重樹 平野 祐貴
出版者
法政大学スポーツ健康学部
雑誌
法政大学スポーツ健康学研究 = Bulletin of Faculty of Sports and Health Studies Hosei University (ISSN:21853703)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.9-14, 2019-03-30

目的)第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)は特にサッカー動作において発生しやすい難治性骨折である。そのため長期間の離脱を強いられることが多いため、その予防が重要である。今回大学サッカー選手に対してJones骨折に特化した検診(Jones骨折検診)をおこなったので報告する。方法)関東大学サッカーリーグ1部に所属する49名98足を対象として事前アンケート、Jones骨折についての講義、メディカルチェック、超音波エコー検査をおこなった。超音波エコーで陽性の選手に対して二次検診で単純レントゲン検査を施行した。結果)超音波エコー検査で9名12足が陽性であった。陽性例では圧痛は9名11足(91.6%)に認められた。二次検診の受診率は100%であり不全骨折は2名2足に認められたた。2名ともプレー継続のまま保存的加療をおこない骨癒合が得られた。結論)Jones骨折検診はJones骨折の早期発見や予防に有用な方法と考えられた。