著者
石川 日出志 七海 雅人 中野 泰 佐藤 信 平川 新 平川 南 千田 嘉博 川島 秀一 浅野 久枝 竹井 英文 八木 光則 安達 訓仁 宇部 則保 菅野 智則 斉藤 慶吏 佐藤 剛 菅原 弘樹 高橋 憲太郎 千葉 剛史 福井 淳一 室野 秀文 小谷 竜介 辻本 侑生 藤野 哲寛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気仙地域は、海・陸域の複合生態系が豊富な資源を生み出し、縄文時代から現代までそれらを活用した人類営為が展開した。本研究は、当地域の歴史文化を歴史・考古・民俗学の手法で研究し、地域の方々と行政に提供する。これは甚大な東日本大震災被害から復興する当地域の方々を支援する取組でもある。調査は多岐に亙る。考古学では、古代・中世の漁撈関係遺物・集落遺跡データの集成、被災地域石碑の所在調査、中世塚・板碑群調査、中世城館群の縄張図作成等。歴史学では、中世遺跡群と文献史料との比較、熊谷家近世文書群の調査、大島正隆論文の公開等。民俗学では横田・小友地区で民俗慣行の調査と実施。3か年市民向け報告会を開催した。
著者
浅野 久枝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.519-536, 1984-08-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
39
被引用文献数
1 3

本研究は,三宅島に従来から住む住民自身の民族科学に従って,主として地形に関する民俗分類を検出し,伝統的環境観の復元をめざしたものである.その結果,以下のことが明らかになった. 住民の民俗分類は,決して単一のものではなく,いくつかの体系が重なり合っている.例えば,地形に対しての分類では,少なくとも2種類の体系が見い出せる.地形的には同一の対象に対し,一方では地形的形態からの,他方では生業形態に由来した名称が与えられている.同様に,同じ海岸地形に対し,視点の位置の違いにより,陸上からみた名称と,海底からみた名称との2種の名称が与えられている.さらに坪田においては,地形の民俗分類が主にテングサ採取の知識とともに語られることから明らかなように,生業形態の違いも異なる体系を生み出しているとみることができる.近似した環境においても,その環境の利用および認織は旧村ごとに異なる場合が少なくない.住民の価値観が環境を選択するためであり,ここに環境と文化との相互関係も見い出すことができよう.