著者
浜田 和郎
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.271-318, 1968-06

1965年8月に発生した長野県松代町(36°34'N,138°13'E)附近の群発地震はいくつかの強震と異状な地殻変動を伴ないながら,1967年16月現在もなお続いている.この間気象庁松代観測所から報告された16万倍の地震計による地震の総回数は66万回を数え,有感地震だけでも6万回に達している.これ等の地震の規模はマグニチュード5.3が最大であり,地震として放出された総エネルギーは1.6×1021エルグになり,これはちようどM=6.3の地震1個に相当している.この期間地震回数の上で顕著な山は1965年11月下旬,1966年4,5月,1966年8,9月に在り,1967年に入つてからは全体として震源域は拡大したが,地震回数は徐々に減少している.