著者
松村 稔 伊藤 喜宏 木村 尚紀 小原 一成 関口 渉次 堀 貞喜 笠原 敬司
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.167-184, 2006-12-15 (Released:2013-08-05)
参考文献数
27
被引用文献数
7 10

We have developed an automatic system called the Accurate and QUick Analysis System for source parameters (AQUA System) that provides rapid estimates of hypocenter location, magnitude, and moment tensor for medium to large-scale earthquakes that occur near or underneath Japan. The AQUA System monitors high-sensitive real-time seismic waveform output from the Hi-net operated by the National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED). Upon detecting an earthquake, the AQUA System provides an estimate of the event’s hypocenter and magnitude within 15-30 seconds. Within a further 2-10 minutes, the system provides centroid moment tensor (CMT) solution by inversion technique using broadband seismic waveform of NIED F-net. To assess the accuracy of the new system, we compared hypocenter and magnitude data derived from the AQUA System over the period from September 2004 to August 2005 with catalog data from the Japan Meteorological Agency (JMA). We also compared CMT solutions derived from the AQUA System with corresponding values from the NIED F-net and catalog data of Harvard University’s CMT Project. A total of 339 seismic events were detected during the period of analysis. The AQUA System determined hypocenters for 324 of these events and CMT solutions for 224 events. The estimated hypocenters are within 10km horizontally and 20km vertically of the hypocenters calculated by the JMA in 80% of cases, and the CMT solutions were approximately the same as those obtained from other systems. The results of analyses by the AQUA System are published on the website of NIED Hi-net.
著者
綿田 辰吾 西田 究 関口 渉次 関口 渉二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

2003年9月26日に発生した十勝沖地震時に江ノ島津波観測所(宮城県)、地震研究所の筑波地震観測所(茨城県)と、鋸山地殻変動観測所(千葉県)、霧島火山観測所(宮崎県)、海洋開発機構室戸ケーブル陸揚局(高知県)、防災科学技術研究所が管理する広帯域地震計観測点の菅野(山梨県)、中伊豆(静岡県)で地震動に伴う気圧変動を観測した。筑波観測所、中伊豆、菅野では微気圧と地動の同時観測により、地動と大気圧の音響結合データを取得することができた。地動は最大振幅5mm/secの15〜20秒のレイリー波が卓越している。群速度はほぼ3.2km/secであった。微気圧記録は50秒以下の短周期成分では最大振幅約2パスカルの変動が見られ、地動と同様の群速度で伝播している。50秒以下で大気圧変動と地動の周波数領域の応答特性が得られた。大気圧変動は地動面上下速度にほぼ比例し、位相も同一である(上向き速度で圧力増加)。比例定数は、(大気密度)(大気音速)をかけあわせた量である。また密度成層した大気中の長周期音波が地面の運動により発生する問題を解析的に扱い応答特性を理論的に導出した。理論応答特性は音波遮断周波数付近(約300秒)では音波は地動変位に比例し比例定数が約半分となることが示された。50秒以下でほぼ観測どおりの位相と振幅となることが確かめられた。微気圧・地動同時観測と理論予測の比較から、十勝沖地震から伝播した表面波がローカルに音波を発生させたことが明瞭に示すことができた。50秒より長周期側では大気圧ノイズが大きくなり地動と大気圧変動の明確な応答特性を得られなかった。このように放出された音波は大気中を伝播し高層にある電離層まで、エネルギー保存のため、振幅を増大させながら到達する。過去いくつかの研究で報告されている地震にともなう電離層擾乱もこのように地表で発生した圧力変動に起因していると推定される。
著者
堀 貞喜 石田 瑞穂 青井 真 井上 公 大久保 正 岡田 義光 小原 一成 笠原 敬司 木村 尚紀 熊谷 博之 汐見 勝彦 関口 渉次 根岸 弘明 野口 伸一 松本 拓己 山水 史生 藤原 広行 功刀 卓 浅野 陽一 関根 秀太郎 廣瀬 仁 松原 誠 安逹 繁樹 伊藤 喜宏 針生 義勝 松林 弘智 松村 稔 宮川 幸治 山品 匡史 坂無 雅子 雷 楓 伊東 明彦 岩田 知孝 ト部 卓 川勝 均 木下 繁夫 工藤 一嘉 纐纈 一起 佐藤 春夫 佐藤 比呂志 武井 恵雄 中尾 茂 平田 直 平原 和朗 堀家 正則 松澤 暢 山北 聡 綿田 辰吾 山野 誠
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.15, pp."I-12"-"I-16", 2004-09-06

地震調査研究推進本部の総合基本施策(「地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策(平成11年4月23日)」)、及び調査観測計画(「地震に関する基盤的調査観測計画(平成9年8月29日)」、「地震に関する基盤的調査観測計画の見直しと重点的な調査観測体制の整備(平成13年8月28日)」、「地震に関する基盤的調査観測等の結果の流通・公開について(平成14年8月26日)」)等に基づき、高感度・広帯域地震観測施設と強震観測施設を整備し、観測網の維持・管理・運用を行う。これら基盤的観測網と防災科研の在来地震観測網から得られるデータの収集・処理を行い、気象庁、大学等のデータと合わせて蓄積・流通・公開を行う。また、防災科研が海外に整備した観測施設についても、円滑な維持・管理とともに、観測方式の高度化を行いつつ、データの収集・処理・蓄積・公開を行う。さらに、各観測網から得られるデータを用いて、高度な地殻活動のモニタリングを実施し、地震活動状況の推移を判断するための研究成果を創出する。