著者
海野 るみ
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.197-197, 2009

今回の報告では、まず、映画『ツォツィ』を巡るR指定論争にみる「大人のモラル」間の対峙―配給会社vs映画倫理委員会―並びに同映画の試写会に参加した子どもたちの感想について分析し、三者の映画に対する視点のズレを明らかにする。また、同映画を通して子どもたちが観た、現代の身近な社会の現実=「子どものリアル」について議論する。 こうした議論を踏また上で、「話が通じない」まま展開するように見えるコミュニケーションについて、ズレの所在を質すことを始めとする、「話の通じなさ」を問題にすることに潜在する志向性を明らかにすることで再検討する。
著者
太田 至 島田 周平 池野 旬 松田 素二 重田 眞義 栗本 英世 高橋 基樹 峯 陽一 遠藤 貢 荒木 美奈子 野元美佐 山越 言 西崎 伸子 大山 修一 阿部 利洋 佐川 徹 伊藤 義将 海野 るみ 武内 進一 武内 進一 海野 るみ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代のアフリカ諸社会は、紛争によって疲弊した社会秩序をいかに再生させるのかという課題に直面している。本研究では、アフリカ社会には人々が紛争の予防や解決のために自ら創造・蓄積し運用してきた知識・制度・実践・価値観(=アフリカ潜在力)が存在すること、それは西欧やイスラーム世界などの外部社会との折衝・交渉のなかで不断に更新されていることを、現地調査をとおして実証的に明らかにした。本研究ではまた、「紛争解決や共生の実現のためには民主主義や人権思想の浸透がもっとも重要である」といった西欧中心的な考え方を脱却し、アフリカ潜在力は、人々の和解や社会修復の実現のために広く活用できることを解明した。