著者
重田 眞義 高田 公理 堀 忠雄 豊田 由貴夫 福田 一彦 藤本 憲一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまで科学的側面に偏っていた人間の睡眠行動に関する研究を、人間の文化的行動=「睡眠文化」として考究する新しい学問的な視座の確立と普及につとめた。医学、心理学などの分野でおこなわれてきた最新の睡眠科学研究の成果をふまえながら、アジア、アフリカにおける睡眠文化の多様性とその地域間比較をおこなった。また、現代社会において、睡眠をめぐるさまざまな現象が人間の健全な生活に対する「障害」としてのみ問題化されている現実をふまえ、生物医療的観点に偏りがちな睡眠科学による知見を文化の観点から相対化してとらえなおす作用を備えた「睡眠文化」という視点を導入した。
著者
重田 眞義 ベル アサンテ
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

2009年度は、博士学位論文「地域住民による文化遺産管理の取り組み-エチオピアのハラールとアジスアベバにおける博物館活動の事例-」に関する研究成果の公刊とその準備に精力を集中した。研究分担者(特別研究員)が日本ナイル・エチオピア学会誌(Nilo-Ethiopian Studies)(1報)および、UCLAの発行するAfrican Art誌に論文2報を投稿し掲載された。また、2008年度にエチオピアのハラールで主催した国際ワークショップの成果をまとめて、京都大学アフリカ地域研究資料センターが出版する国際学術雑誌African Study Monographsの特集号を代表者と分担者が共同で編集出版した。分担者の受け入れ先である京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科においては、在来知研究グループを主催する受け入れ研究者(研究代表者)と協力してアフリカにおける文化遺産保全に関する研究会を2回開催した。11月にはアジスアベバ大学にて開催された国際エチオピア研究学会に参加し、地元アジスアベバ大学における同分野の研究者との意見交換をおこなった。あわせて受け入れ先の大学院アジア・アフリカ地域研究研究科が運営するエチオピア・フィールドステーション主催の国際ワークショップをアジスアベバで組織し、ケニア、イギリス、日本から10人の研究者、実践者を招いて研究発表をおこなった(発表題目:Communities and Cultural Heritage Centers in East Africa : A call for collaboration.)。また、これらと並行してこれまでの成果をまとめた単著の出版準備をすすめた。以上の活動を展開して、2010年5月にナイロビにおいて開催される国際学会Shaping the Heritage Landscape : Perspectives from East and southern Africa British Institute in Eastern Africaにも参加発表することが決まっている。国内では京都大学アフリカ地域研究資料センター公開講座「創る」アフリカの人びとが創りだす美と技の世界で講師をつとめたほか、JSPSサイエンスダイアログに協力して奈良と福井の高校において2回講演をおこなった。
著者
太田 至 島田 周平 池野 旬 松田 素二 重田 眞義 栗本 英世 高橋 基樹 峯 陽一 遠藤 貢 荒木 美奈子 野元美佐 山越 言 西崎 伸子 大山 修一 阿部 利洋 佐川 徹 伊藤 義将 海野 るみ 武内 進一 武内 進一 海野 るみ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代のアフリカ諸社会は、紛争によって疲弊した社会秩序をいかに再生させるのかという課題に直面している。本研究では、アフリカ社会には人々が紛争の予防や解決のために自ら創造・蓄積し運用してきた知識・制度・実践・価値観(=アフリカ潜在力)が存在すること、それは西欧やイスラーム世界などの外部社会との折衝・交渉のなかで不断に更新されていることを、現地調査をとおして実証的に明らかにした。本研究ではまた、「紛争解決や共生の実現のためには民主主義や人権思想の浸透がもっとも重要である」といった西欧中心的な考え方を脱却し、アフリカ潜在力は、人々の和解や社会修復の実現のために広く活用できることを解明した。
著者
重田 眞義 伊谷 樹一 山越 言 西 真如 金子 守恵 篠原 徹 井関 和代 篠原 徹 井関 和代 峯 陽一 西崎 伸子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクトは、エチオピアにくらす人々によって絶え間なく創り出される様々な知(=在来知)の生成過程をこれまで認識人類学がふれなかった「認識体系と社会的な相互交渉の関係」と、開発学が扱わなかった「有用性と認知の関係」の両方を射程に入れて、グローカルな文脈に位置づけて解明した。さらに、この研究であきらかになった点をふまえて、研究対象となる社会への成果還元に結びつくような研究活動を展開した。