著者
塩瀬 圭佑 飛奈 卓郎 桧垣 靖樹 清永 明 田中 宏暁
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.493-502, 2011 (Released:2011-11-15)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

The decrease of muscle glycogen may be useful for the improvement of endurance performance. Intense anaerobic exercise requires a high rate of glycogen utilization, but consecutive intense anaerobic exercises induce a pronounced decline of external power and muscle glycogen consumption. We hypothesized that a long rest period between consecutive intense anaerobic exercises may aid in sustaining external power and glycogen consumption. Secondly, we hypothesized that active rest (AR) during the long resting period may be more effective than passive rest (PR).Six subjects performed four 30-second Wingate tests (WAnT) with a 4-minute recovery between each bout (Consecutive method). The subjects also performed a similar exercise procedure, but with a 30-minute seated resting period after the second bout (PR method).The other six male subjects performed four 30-second WAnTs with a 4-minute recovery between each bout, with 30-minutes of cycling at 40% VO2max after the second bout (AR method). The subjects also performed PR method.The total work during the third and fourth bouts was greatest under the AR condition, followed by the PR condition, and finally the Consecutive method (p<0.05 for all comparisons). Blood lactate concentration during resting period was significantly lower, while muscle glycogen consumption was greater AR method than PR method (p<0.05 for both).A long resting period between consecutive intense anaerobic exercises may prevent the decline in external power and work. Additionally, AR has more favorable effects on muscle glycogen consumption, resulting in very low muscle glycogen levels, even with a small total amount of exercise.
著者
進藤 宗洋 池田 正春 黒岩 中 清永 明 田中 宏暁
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

高齢者を対象に、適度な運動習慣が免疫機能に及ぼす影響を、以下の視点から検討し知見を得た。1.中高齢者の非特異的免疫能に対する定量的運動の影響:運動習慣のない健常な高齢者を対象にして、ザイモザン刺激に反応した好中球の活性酸素(ROS)産生能は80%LTとLTの軽強度長時間有酸素性運動によってのみ一過性に高められる可能性が示唆された。次に、LTとほぼ同等である50%V02max強度のトレーニングを定期的に継続している高齢者と運動習慣のない高齢者を対象にして、安静時とLT強度で1時間の一過性の運動を負荷して、運動中と運動終了直後、運動終了1時間後のROS産生能を検討し、この軽強度の有酸素性運動の長期間継続が高齢者の非特異的免疫能を高め得る可能性を明らかにした。次に、健常高齢者を対象に縦断的研究を行ったところ、トレーニング効果はLT強度で1回1時間、週3回の頻度では5週間以上で有酸素性作業能を、10週間以上では非特異的免疫機構の中心を担う好中球の機能を十分に高め得る可能性が示唆された。2.中高齢者の習慣的運動がT,Bリンパ球およびNK細胞におよぼす影響:若年(20-39才)、中年(40-59才)、高齢(60才以上)の年代でジョギングやサイクリング、テニス、水泳など運動習慣を持つ運動群と持っていない非運動群のリンパ球サブセットと好中球のROS産生能及び貪食能を測定比較した結果、自然免疫については、NK細胞の割合は年齢によっても運動習慣によっても変わらないが、好中球のROS産生能及び貪食能は高齢非運動群に比べて高齢運動群の方が高かった。3.中高齢者のストレスと免疫能〜若年者および運動群非運動群での比較:ストレスで起きる免疫能への悪影響も防ぐ可能性を、2と同じ対象についてSTAI心理テストによるストレスレベルとリンパ球サブセットを測定し検討した。適度な運動はストレスを軽減し免疫機能を改善する可能性が示唆された。
著者
田中 宏暁 清永 明 熊原 秀晃
出版者
福岡大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

初年度に無線式の心音測定装置(マイクロフォン並びに記録装置)を開発し、明瞭な心音のサンプリングが可能な装置を開発した。当初、研究計画に予定されていた「音源分離法を用いたノイズ除去装置の開発」は、研究期間を通して基礎研究を実施してきたが、前年度に引き続き開発に困難を極め装置作成にまで到達できなかった。そこで、運動中のノイズ除去に関しては、心音サンプリングのレンジ(周波数域)を絞り、記録する周波数域を限定的にした事により、自転車運動中の体動によるノイズの混入が阻止できる装置が開発できた。さらに心音検出機能を向上させる為に、心電図のR波をトリガーとした検出プログラムに改良を加えたことにより、これ迄以上に明瞭かつ確実な心音サンプリングが可能になった装置が開発された。また、ワイヤレス式の心音自動解析装置の試作器を開発し、実際の健康づくりの現場にて本装置による運動処方としての有用性を検証したところ、有酸素能が向上することが確認された。研究計画に予定されていた音源分離法を用いたノイズ除去装置を用いる事無く自転車運動中に明瞭な心音測定が可能となった。本研究にて開発したプログラムと手法の一部に関して特許を申請した。