著者
渡辺 功 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

最近、アルミニウム合金製チャンバーを用いた真空装置で、高真空の実績が報告されつつある。磁気記録磁性膜をスパッタ法で高速かつ安定に製作するために、アルミニウム合金製チャンバーにNb-PermalloyのPEターゲットを組み込み、スパッタしたところ、低温、短時間のベーキング処理でも高真空が得られた。さらに、基板ホルダーに熱伝導率の高いアルミニウムを用いることによって基板の冷却が充分に行われ、高い投入電力でも磁気特性の良好な軟磁製膜が得られたので報告する。
著者
葦沢 元春 渡辺 功 中林 宣男
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.860-865, 1992-09-25
被引用文献数
6

象牙質への接着メカニズムをより明確にするために象牙質ではなくゾウゲ棒へのMMA-TBBレジンの接着を再検討した.研削ゾウゲへのMMA-TBBレジンの接着強さは14MPaであったが研削象牙質へのそれは5MPa以下である.研削ゾウゲに拡散したMMAを重合して得られる樹脂含浸層の幅は50μmであったが, 象牙質へはMMAは拡散できない.このことから, 象牙質よりもゾウゲの方がモノマーの透過性が格段に高いといえる.従ってMMAの拡散能を向上させる4-METAはゾウゲへの接着には不要であるが, 象牙質の接着には必須である.被着体内へのモノマー透過性とモノマーの拡散能の2つの因子がモノマーの拡散に関係する.歯への接着には, 被着体の中へモノマーを拡散させ重合させることが不可欠であると結論された.
著者
渡辺 功
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.955-973, 1992-11-25
被引用文献数
21

スメアー層が付着したままの研削象牙質への光重合型レジンの接着を目的として研究を行ってきた.拡散力の高いPhenyl-Pを含むボンディング剤を用いると6MPaの接着強さが得られた.しかし長期水中浸漬すると1年後に接着強さは3MPaに低下し長期接着安定性に欠けることが解った.これは十分量のモノマーが拡散できなかったためにスメアー層との樹脂含浸層が弱くなったためである.より多くのモノマーを拡散させるために研削象牙質の物質透過性を向上させる方法を検討したところ, 5, 10%Phenyl-Pと30%HEMAを溶解した水溶液で処理しても1μm以下の樹脂含浸層は形成されるが, 接着強さは向上しなかった.しかし20, 30, 40%Phenyl-Pと30%HEMAを溶解した水溶液で研削面を処理すると, 接着強さは1.5倍の10MPaに向上し, SEM, TME観察により2μmの樹脂含浸層の生成を確認することができた.研削象牙質に強固な接着強さを得るためには, 健全象牙質まで十分にモノマーを拡散させなければならないことが解った.