著者
澤 隆雄 青木 太郎 大澤 弘敬 井上 朝哉 田原 順一郎 伊藤 和彰 吉田 弘 石橋 正二郎 渡辺 佳孝
出版者
特定非営利活動法人 海洋音響学会
雑誌
海洋音響学会誌 (ISSN:09165835)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.26-32, 2009 (Released:2009-08-18)
参考文献数
7
被引用文献数
1

The Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology is developing an automatic bottom inspection and sampling mobile (ABISMO), which is a full-depth rating ROV (Remotely Operated Vehicle) for reaching to the deepest sea bottom, observing it with a camera and sampling the bottom layer. ABISMO consists of a launcher and a vehicle. The launcher is a kind of depressor with many observation devices, and the vehicle is an underwater crawler to move on the sea bottom and inspect it. The mother ship can determine the vehicle's position directly with the ultra-deepwater transponder. The transponder is small and lightweight, with a release system, and it operates at about a 14-kHz frequency. The frequency is higher than that of a conventional full-depth transponder, and it features greater navigation accuracy in shallow water, where many ROV do most of their work. These advantages are emphasized when the transponder is loaded onto an ultra-deepwater vehicle, which needs to be small and lightweight.
著者
藤本 廣 中澤 隆雄 瀬崎 満弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.18, pp.479-489, 1998

現在、宮崎市と宮崎県南那珂郡北郷町を結ぶ主要地方道宮崎北郷線の大部分は、天正-慶長年間 (1574-1615年) に当時の飫肥藩が飫肥城下より宮崎の赤江湊に至る最短距離の街道として開設した "旧飫肥街道" を、明治中期に宮崎県が整備した旧県道宮崎北郷線 (通称 "飫肥街道" の主要区間) からなっている。この旧県道のほぼ中央部の出仮屋峠に開鑿された "山仮屋トンネル" は、1891 (明治24) 年に着工され、1892 (明治25) 年に竣工した延長約56mの小規模トンネルで、現在、当該路線の改良により廃道区間となっているが、トンネル覆工には極めて良質の煉瓦巻工が施工され、今日に至るも殆ど損傷がなく、宮崎県北郷町所管の有形文化財として保存されていて、当時の地方部における道路トンネル築造の技術水準を推測するうえでの貴重な土木遺構となっている。本文はこの弱山仮塵トンネルを中心とした当該路線の一連の道路改良工事に関する技術吏的意義について、「宮崎県古公文書」を主にした文献学的考察と現地調査とで検討したものである。
著者
吉田 弘 百留 忠洋 石橋 正二郎 澤 隆雄 志村 拓也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.127-136, 2011
被引用文献数
1

日本の深海技術とその応用が注目を集めている.これまでの技術開発は主として科学研究目的であったが,近年,日本の排他的経済水域内に有効な海底資源があることが分かってきており,広大な日本の領域で効率良く資源探査をするための技術開発が必要とされている.独立行政法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) は長年にわたり深海技術を蓄積しており,世界でもトップクラスの自律形無人探査機等を開発してきている.本論文では,これまでに開発してきた無人探査機とその要素技術について解説し,その資源探査への応用例と今後の展望について述べる.
著者
中澤 隆雄 甲賀 哲義 菊村 忠由
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.457-462, 2000-06-01

電炉水砕フェロニッケルスラグ(FNS5)の細骨材への混合率を0,50および100%として,目標スランプを8cmと18cmとした2つの配合について,フレッシュコンクリートの性質や,硬化時の圧縮強度を検討した結果,スランプロスはFNS混合率50%と100%ではさほど差はないこと,運搬時間が0〜30分の間において,空気量はFNS混合率にかかわらずかなり減少し単位容積質量の変化に対応すること,ブリーディング量はスランプやFNS混合率が大きいほど大きくなること,水セメント比が同じであればFNS混合率の相違や運搬時間の差の圧縮強度への影響はほとんどないことなどが確認された。
著者
中澤 隆雄 今井 富士夫 新西 成男
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ポーラスコンクリートは,その特徴である多孔性によって種々の優れた特性を有している。吸音機能もその1つであり,近年では吸音機能に関する研究も次第に活発に行われてきており,本研究では,これまで道路交通騒音の低減が可能なポーラスコンクリートの開発を目的の1つとして,インピーダンス管による垂直入射吸音率のデータの収集や吸音壁の等価騒音レベル低減効果に関して,実験的な研究を行ってきている。ポーラスコンクリート壁を作製するにあたって用いた火山性軽量骨材のぼら,石灰石およびフェロニッケルスラグ(以下,FNSと記述)の3種類の骨材ならびに2種類の目標空隙率20%と30%が騒音低減効果に及ぼす影響を検討した。騒音低減効果の検討にあたっては,普通騒音計を用いて得られた100〜2000Hzの範囲の各1/3オクターブバンドの周波数の等価騒音レベルを用いている。また,壁供試体から抜き取った直径約100mmのコアに対して,インピーダンス管による垂直入射吸音率も測定し,吸音壁から得られた等価騒音レベルとの関連についても検討を加えている。得られた結果を要約すると以下のとおりである。(1)使用骨材別にみると,FNSを用いた壁の騒音低減効果が最も高くなった。これは粒径が他の骨材よりも小さいために空隙径が小さくなり,実際の空隙率も他の骨材の場合より低めになった影響と思われる。(2)FNSを用いた場合,特に1000HZ以上の周波数に対して,回折行路差の影響を上回る騒音低減が生じていることからも,FNSの吸音効果が高いといえる。(3)ぼらおよび石灰石を用いた壁の騒音低減効果がFNSほど大きくないのは,これらの壁の内部空隙を音が透過する影響によるものと考えられる。(4)ぼらおよび石灰石を用いた場合の垂直入射吸音率は,500Hz近傍で第1の吸音ピークが生じているが,この周波数域での壁の等価騒音レベルの低減量がそれほど大きくないことからも,壁内部の空隙を音が透過する影響があると考えられる。(5)同一骨材を使用した壁の空隙率の影響をみると,空隙率が小さい方が等価騒音レベルの減量は幾分大きくなる傾向が認められた。