- 著者
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相川 啓子
吉田 弘喜
三国 主税
- 出版者
- 一般社団法人 国立医療学会
- 雑誌
- 医療 (ISSN:00211699)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.5, pp.458-464, 1984
急性白血病のFAB分類と臨床所見及び染色体変化について検討した. 急性白血病120例の内, acute myeloid leukemiaは108例, acute lymphoblastic leukemiaは12例であつた. acute myeloid leukemiaではM1 25例, M2 53例, M3 17例, M4 7例, M5 6例でM6はなかつた. 男女比は1.4:1で, M3は若年者に多く, M4, M5は中, 高年者に多かつた. M2では骨髄白血病細胞比率の低い例が多く, 白血性髄膜炎はM1で36%の高率にみられ, 皮膚浸潤はM5に, 歯肉浸潤はM4, M5に高率にみられた. 染色体異常は71例中43例, 60.6%に認め, ph<sup>1</sup>染色体はM1で7例, M2で1例, t(8, 21)は11例で全例M2であり, その内4例に性染色体欠失を伴つていた. t(15, 17)は11例で全例M3であつた. 50%生存期間はM1 9カ月, M2 6カ月, M3 1カ月, M4 6.3カ年, M5 2カ月であるが, M2ではM1に比しCRに達するとCR期間が延長する傾向にあつた. acute lymphoblastic leukemia12例中, L1 5例, L2 7例, L3はなかつた. 表面形質による差はなく, 肝, 脾, リンパ節腫共L1に高率にみられ, 生存期間に両者で差はなかつた.