著者
塚越 貴之 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子 瀬川 大勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.55-60, 2005-02-07
被引用文献数
1

本稿では,多重スケール解析としてウェーブレット変換を用いた非写実的画像生成手法を提案する.分散の異なるガウス関数の差分(Difference of Gaussian; DoG)による多重スケール解析を用いた非写実的画像生成手法が提案されている.本研究では,演算量がスケール数に比例する離散2進ウェーブレット変換を用い,従来手法に類似した画像を,より高速に生成する手法の実現を目指す.従来手法と同様に,分解した各成分の詳細度を考慮した重みを乗じ合成することで,エッジのような局所的な情報や,テクスチャのような大域的な情報を得ることができる.提案手法は,インタラクティブな処理を行うアプリケーションや動画像への応用が期待できる.This study is focused on non-photorealistic rendering (NPR) based on multi scale analysis. In the previous studies, difference of Gaussian (DoG) functions has been mainly used for multi scale analysis. Although wavelet transform is a technique for multi scale analysis, it has not been used for NPR. In this paper, therefore we propose a method of NPR with wavelet transform instead of DoG functions. Proposed method is expected interactive application and applying to video image.
著者
瀬川 大
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.348-354, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
8

小脳出血により右上肢の運動失調を呈する事例に対して,箸操作の自立を目標に作業療法を実施した.事例は,麻痺側右手に過剰に力が入った状態で,箸を握り込むように把持していた.そして,右手の揺れを止めようとして箸の握り込みが強まり,操作対象からの感覚情報とその変化を知覚することが困難な状態にあった.手指の目的的な活動を促通するために,手全体で物品を握るおよび扱う活動で,手指の屈曲・伸展を連続的に誘導した.その後,切る,混ぜる,つまみ上げる,の3つの工程に分けた箸操作を実施し,箸先を整える動作を誘導した.その結果,事例は実用的に箸を使用することが可能となった.
著者
吉崎 邦夫 佐原 亮 瀬川 大輔 浜田 純一郎 遠藤 敏裕 藤原 孝之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0685, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】肩関節疾患治療において肩関節内旋運動(以下内旋運動)制限が問題となる。なかでも日常生活活動では結帯動作に支障を来すことが多い。上肢運動は複合的運動であり,肩甲上腕関節,肩甲骨,鎖骨,胸郭,体幹の運動が関与している。これらの運動を考慮した上腕骨頭(以下骨頭)の内旋運動と肩甲骨運動について三次元動作解析装置(3D-MA)を用いて検討した。本研究の目的は,骨頭が内旋する肩関節の第1肢位(1st)内旋,第2肢位(2nd)内旋,第3肢位(3rd)内旋,結帯動作における骨頭の内旋角度と肩甲骨運動を調査すること,また肩関節内旋制限を有する症例の理学療法確立の一助とすることである。【方法】対象は肩関節痛の既往がなく,野球などの球技スポーツ歴のない,書面で同意を得られた健常者9名(男性9名,平均年齢21歳,19~23歳)であり,利き手側を計測した。8台の赤外線カメラを用いた三次元動作解析装置(MAC 3DSystem,Motion Analysis corp.)にて,基本的立位姿勢から開始し肩関節1st・2nd・3rd内旋,結帯運動を計測した。直径10mmの赤外線マーカーを,体幹(C7,L5,胸骨柄,胸骨剣状突起および両側の腸骨稜と上前腸骨棘),肩関節周囲(いずれも利き手側の骨頭前方および後方,肩峰角,肩甲棘内縁),肘関節(上腕骨内側・外側上顆),手関節(内・外側)合計16ヵ所の皮膚ランドマークに,できるだけスキンアーティファクトが少なくなるよう調整し貼付した。データ統合解析プログラム(KineAnalyzer,キッセイコムテック)を用い,各運動面上で上記のマーカーから導出した運動軸の変化を抽出し,体幹運動(屈曲・伸展,側屈,回旋)を差し引いた1st・2nd・3rd内旋運動の骨頭内旋角度と肩甲骨運動角度(内・外旋,上方・下方回旋,上方・下方傾斜)を算出した。結帯動作の骨頭内旋角度は,骨頭中心から骨頭前方および後方を結ぶ線と直交しかつ上腕軸と直交する線を作成し,この線と上腕骨内・外側上顆を結ぶ線の成す角度を基に算出した。肩甲骨運動は,肩峰角,肩甲棘内縁,骨頭後方が作る三角形の面に直行する軸を各運動面に投射し,各基本軸と成す角度を基に算出した。体幹運動は,屈曲・伸展および側屈はC7とL5を結ぶ直線と各運動面における基本軸とのなす角度から計測した。体幹回旋は,C7とL5を結ぶ直線の中点と胸骨剣状突起を結ぶ直線と水平面上の基本軸との成す角度を基に算出した。【結果】最大運動角度における1st内旋の骨頭内旋角度は68.6±17.3度,肩甲骨内旋角度は5.0±2.9度であった。2nd内旋の骨頭内旋角度は55.6±11.0度,肩甲骨前方傾斜角度は14.5±5.2度であった。3rd内旋の骨頭内旋角度は15.5±4.7度,肩甲骨上方回旋角度は7.1±6.3度であった。結帯動作における骨頭内旋角度は39.2±5.0度,肩甲骨前方傾斜角度は14.0±4.7度,肩甲骨内旋角度は5.0±5.6度,上腕骨伸展角度は36.3±9.2度,肘関節屈曲角度は100.0±11.2度であり,母指指先はTh7±2椎体レベルであった。【考察】各運動で骨頭内旋角度を比較すると,1st内旋が最も大きく,2nd内旋,結帯動作が続き,3rd内旋が最も小さかった。結帯動作に着目すると1st内旋と比較し上腕骨が屈曲位にあるか伸展位にあるかの違いで骨頭内旋角度の差が大きく(47.5±15.1度),結帯動作障害のある症例には,1st内旋の制限がなく,また結帯動作に伴う肩甲骨上方回旋および前方傾斜にも制限がないことが多い。以上から骨頭内旋制限が結帯動作の障害因子であると推察され,上腕骨伸展位で何らかの軟部組織が骨頭内旋制限に関与すると考えられる。われわれは第41回日本肩関節学会(2014年)において解剖学的・臨床的知見から骨頭内旋制限に烏口上腕靭帯肥厚・瘢痕形成が関与すると報告した。特に結帯動作の上腕骨伸展に伴い,烏口上腕靭帯が緊張し骨頭の内旋制限を生じることが確認された。今後は,骨頭内旋運動に伴う腱板筋の筋活動と,烏口上腕靭帯の肥厚・瘢痕形成に対する理学療法を考案してゆく予定である。【理学療法学研究としての意義】肩関節疾患において肩関節内旋運動制限が問題となることが多く,特に結帯動作の改善は困難である。内旋運動は多関節の複合的運動であり肢位により違いがあるものの,各内旋運動を区別して検討することは理学療法のターゲットを明確にし,治療効果を向上させるためにも重要である。
著者
瀬川 大輔 羽島 信郎 吉津 博 瓜生田 曜造 志水 正史 田中 勧
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.1126-1129, 1995-12-15
参考文献数
13

VDDペースメーカー植込み後, ジェネレーター交換時に, 同一機種の販売停止, 後継機種の未認可という状況に遭遇した. そこで, 次善策としてDDDジェネレーターを接続し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は41歳の女性と77歳の男性で, 過去に房室ブロックの診断でVDDペースメーカー植込みを受けている. その後, 電池消耗のためジェネレーター交換となったが, この際利用できるVDDジェネレーターがなく, 種々の体位, 深呼吸時, 咳嗽時などで心内P波を測定の結果, DDDジェネレーターに接続可能と判断し接続した. 術後の心電図は, 共に心房同期心室ペーシングを示した. 現在, 両名とも外来通院中である. VDDリードは, 心内P波が使用ジェネレーターの最高感度以上あれば, DDDジェネレーターに接続できる可能性がある.
著者
古谷 雅理 櫻田 武嗣 瀬川 大勝 萩原 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.31, pp.55-59, 2005-03-18
参考文献数
3
被引用文献数
1

現在,防犯,犯罪の記録に監視カメラシステムが広く利用されている.監視カメラシステムの導入は,小人数で広範囲を監視,運用することが可能なため非常に有用である.しかし,異常が発生した場合,状況を確認するためには過去画像を検索する必要がある.また,異常を早期に発見,確認するためには,常にモニタを監視しなければならない.そのため容易に監視場所の状況を検索,確認できるシステムが必要である.本稿では,PDAと学内の無線LAN等のネットワークを利用した監視画像検索システムの構築について述べる.提案するシステムによりPDAの画面上からカメラ名,時間帯等を指定することで,監視システムに蓄積された画像から動画像を自動生成し,数分程度の動画像をPDA上で閲覧することが可能となる.本システムを利用することにより,広い範囲を少人数で巡回警備中に,巡回場所で過去に何が起きたかをその場で確認する,巡回中に別の場所の状況を確認することが可能である.We propose the development of the search system of the captured images using PDA and wireless LAN network. In this system, if the camera name and time are specified on the screen of PDA, the movie can be generated automatically from the stored images, and the movie of a few minutes can be monitored on PDA. We are using the system that stores the images which captured with the Web camera and views these images from PC now. We developed a new system that was able to monitor some surveillance places while the security guard patrolled away.
著者
瀬川 大
出版者
東京大学大学院教育学研究科 教育学研究室
雑誌
研究室紀要 (ISSN:02857766)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.47-53, 2005-06-30
著者
田中 創 山崎 博司 寺地 誠喜 瀬川 大資 角田 敏一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.702, pp.690-695, 2005-02-25
参考文献数
10
被引用文献数
3

An experimental study has been carried out to reveal the statistical characteristics for the onset of micro-explosion of an emulsion droplet burning on a hot surface. Detail measurements of the waiting time for the onset of micro-explosion are made for various properties of base fuel, water contents and surface temperatures. The Weibull analysis is applied to obtain the distribution function of the waiting time for the onset of micro-explosion and to derive the empirical formula for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature. The base fuels employed are n-decane, n-dodecane, n-tetradecane and n-hexadecane. The results show that the waiting time is correlated well with the Weibull distribution of the wear-out type. The mean waiting time decreases with an increase in the boiling point of base fuel, water content and surface temperature. An empirical formula is proposed for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature.
著者
岡部 めぐみ 瀬川 大勝 宮村(中村) 浩子 斎藤 隆文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.86, pp.29-34, 2004-08-18
参考文献数
5
被引用文献数
3

本論文では,多重スケール解析を用いて非写実的顔画像を生成する手法を提案する.サイズの異なるGaussianフィルタを複数組み合わせて周波数分解を行い,複数の異なる周波数帯域の情報を得る.そして,各帯域の詳細度を考慮し,それぞれに重み付けを行なうことで,輪郭などの局所的な情報や,陰影などの大域的な濃淡情報を得ることができる.これにより,輪郭線で表現できるフラットな情報だけでなく,陰影によって顔の凹凸情報も同時に表現する.さらに,色の情報を組み合わせることによって,よりアトラクティブな画像を得ることを可能としている.この手法の特徴は,少ないパラメタで描画結果を制御でき,また,照明条件に依らず,安定した結果が得られることである.We propose a new method to create non-photorealostic facial images. Our method is based on a multi scale analysis which uses Gaussian filters for frequency decomposition. By recomposing with proper weight for each band-pass image, we can get non-photorealistic facial images which include both local edge information and rough shading information of the source image. Furthermore, color information is added to create more attractive images. This method has the robustness against lighting conditions. Also, a user can control the drawing result with a few parameters.