- 著者
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岡田 洋平
高取 克彦
梛野 浩司
徳久 謙太郎
生野 公貴
鶴田 佳世
庄本 康治
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.6, pp.279-284, 2008-10-20 (Released:2018-08-25)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
-
3
本研究は,地域高齢者163名(平均年齢75.9 ± 5.2歳,男性55名女性108名)を対象に,自己の身体能力の認識誤差の指標としてリーチ距離の見積り誤差(Error in estimated reach Distance: ED),および転倒恐怖心を評価し,転倒との関係について調査した。評価項目は,過去1年間の転倒歴,Functional Reach Test(FRT),ED,ED絶対値(|ED|),転倒恐怖心(Falls Efficacy Scale: FES)とした。データ解析は,「転倒無し」「1回転倒」「複数回転倒」の3群における各調査項目の比較,「複数回転倒の有無」に関係する調査項目の抽出を行った。その結果,EDは,複数回転倒群は負の値を示し,転倒無し群と比較して有意に小さく,自己のリーチ能力を過大評価する傾向にあった。複数回転倒の有無を目的変数,FRT,ED,|ED|,FESを説明変数として,年齢と性別を調整して多重ロジスティック回帰分析を行った結果,複数回転倒の予測因子としてEDとFESが選択された。以上の結果から,リーチ距離の見積り誤差が地域高齢者の複数回転倒に関連している可能性が示唆された。