- 著者
-
玉木 昌幸
田中 勤
田中 秀之
村上 宏
熊谷 謙
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床救急医学会
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.1, pp.27-31, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
- 参考文献数
- 8
背景:病院実習中の救急救命士(以下,研修者)が,生体への静脈路確保(以下, IV)に失敗する理由は共通しており,失敗理由に特化した対策が必要と考えた。目的:IV技術向上のために自作IV訓練モデルを使用し,その効果を検証すること。方法:研修者に共通のIV失敗理由に特化した自作IV訓練モデルでシミュレーション訓練を実施後,病院実習での生体へのIV成功率をモデル未使用者および過去の研修者の成績と比較した。また,モデル使用者にアンケートを実施し,結果を検討した。結果:IV成功率はモデル使用群86.2%,モデル未使用群81.0%であり,使用群が有意に高かった(p<0.05)。また,過去4年間の研修者の成績との比較でもいずれよりも有意に高かった(p<0.05)。アンケート結果もモデルを使った訓練への肯定的意見が多かった。結論:モデル使用群は有意にIV成功率が高く,アンケートでも好評であり,IV成功率向上に有効であることが示唆された。