著者
岩本 健太郎 田中 聡久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.226, pp.77-82, 2009-10-08

撮像装置によって得た画像から,画像認識を用いて煙草の煙を検出する手法のための特徴量に関して検討する.本稿では,時系列画像のある予測対象画素を,周辺画素と予測係数との線形荷重和によってモデリングすることを提案する.このモデリングのための予測係数の更新において,予測係数のふるまいや2乗誤差のふるまいに,煙とその他の物体の間で違いがあることを示す.本稿では,この予測係数のふるまいや2乗平均誤差のふるまいを定量的に観測し,煙検出のための特徴量として用いることを提案する.また認識実験では,提案した複数の特徴量の中で最も認識率の高くなる組み合わせについて検討する.さらに,もっとも認識率の高くなる予測係数の更新パラメータについて検討する.
著者
林 恒太朗 古明地 秀治 三橋 匠 飯村 康司 鈴木 皓晴 菅野 秀宣 篠田 浩一 田中 聡久
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2021-SLP-136, no.37, pp.1-6, 2021-02-24

近年の信号処理・機械学習技術の進展によって,発声時や傾聴時の音声を頭蓋内脳波から推定したり再構成することが可能になりつつある.一方で,想像している発話の推定は,脳波と正解ラベルの同期を取るのが困難であることもあり,めぼしい成果が出ていないのが現状である.本稿では,想像音声と脳波が適切に同期していれば,発声や傾聴時脳波の場合と同様に,脳波から音声をデコーディングできるという仮説を立てた.そこで,短い文が映し出された画面を実験参加者に呈示し,文字の色を1文字ずつハイライトすることで,想像時のタイミングや想像速度を制御できる実験を設計した.その上で,音声想像,音声傾聴,発声の3種類タスクを課し,そのときの頭蓋内脳波を記録した.さらに,傾聴タスクでは呈示した音声,発声タスクでは実験参加者の発話を記録した.計測した頭蓋内脳波に対して,発声または傾聴時の音声のメルケプストラム係数をもちいたエンコーダ・デコーダモデルによって,想像音声を学習・推論した.想像時の頭蓋内脳波からデコーディングした文の文字誤り率は,最良で約17%を達成した.
著者
韓 林花 田中 聡久 朴 原模
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. 言語・文化・コミュニケーション
巻号頁・発行日
no.26, pp.97-119, 2001-04 (Released:2001-00-00)

第1章 はじめに 済州島の伝統女性社会第2章 済州島の潜嫂と歴史第1節 済州島における伝統的女性社会の2つの共同体済州島の自然環境と生活環境済州島女性の特性第2?節 済州島の潜嫂の世界済州島の潜嫂の世界潜嫂の歴史潜嫂社会の位階秩序潜嫂の訓練・修練潜嫂の作業場における危険要素潜嫂の事故死と「ケダッキ」第3節 済州島の潜嫂の世界二つの儀礼,彼女たちの祭り
著者
田中 聡久 山下 幸彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.37-42, 2000-04-20

画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(LOT)を提案し, 適応画像符号化への応用を示す.まず, 2MとMの2種類の長さの基底関数を持つ直交重複変換を考える.そして, 長い基底関数が与えられている場合, エネルギー集中性の意味で, 短い基底関数の最適解を導く.次に, この最適解を使って, 画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(OALOT)の定義を与え, その解と設計法を示す.計算機実験の結果, この変換がブロック歪みだけでなく, 強いエッジの周りに発生する高周波雑音も抑制することを示す.
著者
岩崎 亘典 林 和則 田中 聡久 鹿取 みゆき 小口 高
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

我が国の農業における農業従事者の高齢化や減少、耕作放棄地の増加等の問題を解決するためには、効率的な農地の維持、管理が求められている。特に、果樹や野菜等の集約型農業においては、適地適作にもとづく新たな農地の活用方法が必要とされている。そこで本提案では、今後、新規参入者の増加や産地形成が想定されるブドウのワイン専用品種の栽培地域を対象として、ほ場一筆単位のワイン専用品種栽培適地図を作成する技術を開発する。そしてこれらの情報を公開・可視化するシステムを開発し、適地適作に配慮した新しい営農形態である「スマート風土産業」の構築を試みる。
著者
張 誠 木村 陽介 東 広志 田中 聡久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.315, pp.41-46, 2011-11-17
参考文献数
28

ブレイン・コンピューターインタフェース(BCI)は,脳から有効な信号を何らかの方法で取り出し,それによってロボットなどの機械やコンピュータを制御する装置およびその技術のことである.この論文では,インターネットを通じて移動ロボットを制御できる定常的視覚誘発電位(SSVEP) BCIを提案する.フィードバックであるロボットからの映像とBCIコマンドはAndroidスマートフォンを介して脳波測定・解析サーバとロボット間で転送される.このシステムを用いて実際にオンライン実験を行い,BCIによる移動ロボット制御が可能であることを示す.
著者
田中 雄一 田中 聡久 京地 清介 小野 峻佑
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は主に大規模センシングデータ処理の高速化手法や次元削減手法に関する研究を行った.以下簡単に成果の概要を述べる.1) 大規模行列の特異値縮退処理の高速化大規模時空間センシングデータを数理的に表現する際には,センサ数x計測回数のサイズを持つ行列が用いられることが多い.センサ数や計測回数が増えるに連れて行列サイズは爆発的に増加するため,行列の処理にも大きな計算コストがかかるようになる.行列を特異値分解し,その特異値を操作(縮退)することは様々な信号処理アルゴリズムの一部で利用されているが,特異値分解は一般に非常に計算量が多い.本年度はチェビシェフ多項式近似と行列のスパース性を利用した特異値縮退の高速化に取り組んだ.結果として,縮退の精度を保ちつつ,最大5倍程度の高速化を達成した.本成果は信号処理分野の一流論文誌である IEEE Trans. Signal Processing へ掲載された.2) マルチモーダルデータの次元削減手法センシングの際,同一計測地点で様々な属性のデータを計測することが多い.例えば気温・気圧等の環境データが最たるものである.このマルチモーダルデータを信号のスパース性を利用して次元削減を用いて圧縮することができれば,大規模センシングデータの効率的な表現が可能となる.従来手法ではチャネルごとに次元削減を行う手法が主流であり,チャネル間の相関をうまく利用できなかった.本年度はコンピュータビジョンで利用されている画像の色モデルである Color Lines をマルチモーダルデータの次元削減に利用することで,新しい視点からのマルチモーダルデータ圧縮に取り組んだ.結果として,PCA等の従来手法と比較し,同圧縮率で最大10 dB 以上のS/N比改善を達成した.本成果は IEEE GRSS のフラッグシップ国際会議である IGARSS 2017 で発表した.