著者
三瀬 和代 白馬 伸洋 暁 清文 田原 康玄 伊賀瀬 道也 小原 克彦 三木 哲郎
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.671-677, 2011 (Released:2012-02-09)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

当院の老年内科が「抗加齢ドック」を実施しているのに呼応し, 当科でも2009年12月に「聴力ドック」を立ち上げ, 抗加齢ドックと連携して予防医学的観点から加齢性難聴の研究を始めた。聴力ドック開始から7か月間に, 抗加齢ドック受診者216名のうち96名 (44.4%) が聴力ドックを受診した。聴力ドックの受診は60歳代から増加する傾向にあり, その受診理由は「難聴の自覚」が最も多かった。抗加齢ドックで実施している脈波伝搬速度 (PWV) や頸動脈内膜中膜複合体肥厚度 (IMT) の結果と周波数ごとの聴力レベルとの関係を重回帰分析したところ, PWVでは8kHzの聴力レベルと, IMTは4kHzと8kHzの聴力レベルと有意な関連が認められた。この結果は, 高齢者の高音域聴力低下に動脈硬化が関与していることを示唆する。
著者
三瀬 和代 白馬 伸洋 田原 康玄 暁 清文
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.269-275, 2013-08-30
参考文献数
12
被引用文献数
1

要旨: 当科では, 老年内科による抗加齢ドックと連携した聴力ドックを実施している。2009年12月から2012年5月までの間に聴力ドックを受診した212名のうち, 耳疾患の既往がなく気骨導差が小さく, かつ鼓膜所見に異常のない205名の良聴耳205耳を検討対象とし, 加齢変化における聴力の性差および, 聴力の性差に関与する因子について検討した。聴力の性差について有意差検定を行ったところ, 4000Hz, 8000Hzの聴力は男性が女性に比べ有意に低下していた。難聴のリスク因子である糖代謝 (HbA1c) も加え, 各周波数の聴力レベルと頸動脈内膜中膜複合体肥厚度 (IMT) およびHbA1cとの関係について, 交絡要因である年齢も含めて性別で重回帰分析を行った。その結果, 男女ともHbA1cはいずれの周波数の聴力レベルとも有意な関連を認めなかったが, IMTは男性で4000Hz, 8000Hzの聴力レベルと有意な関連を認めた。加えて, IMTも男性が女性に比べ有意に高値を示した。IMTは動脈硬化の指標とされているので, 男性の高音域聴力悪化の要因の一つとして動脈硬化の関与が示唆された。
著者
田原 康玄 植木 章三 伊藤 美香 渡部 智美 菅 忠明 平岡 芳信 中島 滋 土屋 隆英
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.93-99, 1998-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 4

新鮮なマアジ,メイタガレイ,シロギス,ハマグリ,アカガイ及びホタテガイの貝柱を材料とし,温風乾燥や遠赤外線加熱乾燥,マイクロ波減圧乾燥によるEPA・DHAの割合に及ぼす影響を検討した.乾燥により,試料の水分量は経時的に減少し,それに伴い単位重量当たりの脂質量が増加した.しかし,脂質中のEPAやDHAの割合は変化しなかったため,干物は生鮮品に比べて単位重量あたりのEPAやDHAが多く,これらを効率よく摂取できる機能性食品であると考えられた.
著者
三木 哲郎 上島 弘嗣 梅村 敏 小原 克彦 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

多因子疾患の感受性遺伝子に関する長期縦断疫学研究を行った。これまでの断面的解析から同定された肥満、2型糖尿病、高尿酸血症の感受性遺伝子が、これら疾患の新規発症とも関連することを明示した。断面解析からは、ATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。ノックアウトマウスを用いた検討から、ATP2B1は細胞内カルシウム濃度および血管収縮性の亢進を介して血圧上昇を来していることが明らかとなった。
著者
伊賀瀬 道也 三木 哲郎 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大腿筋肉量を測定すれば断面積のみであっても筋肉量の推定が可能になり、高齢者のバランスがわかる。このことから転倒のしやすさにつながる指標であることが明らかになった。つまり比較的簡便にかつ非侵襲的なCT検査を行うことで大腿筋肉量の変化が高齢者のQOLを評価しうる指標である。大腿筋肉量を維持・増加させることが骨折の予防に繋がること、高齢者の寝たきり予防につなげていくことができる。