著者
浜田 英里 岡本 憲省 奥田 文悟 中村 俊平 川尻 真和 小原 克彦 三木 哲郎 大塚 奈穂子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.2379-2381, 2005-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

尿閉を呈した脳脊髄髄膜炎2症例の臨床的特徴を検討した.いずれも感冒症状後に意識障害や脊髄症・神経根症を伴って発症し,ステロイドが有効であった点,髄液の細胞蛋白の上昇がみられた点などからウイルス感染を契機とした急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.ステロイドを中心とした治療により神経徴候と尿閉は比較的速やかに改善した.尿閉の成因として無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害とそれに随伴した一過性の括約筋障害(Elsberg症候群)が考えられた.
著者
三瀬 和代 白馬 伸洋 暁 清文 田原 康玄 伊賀瀬 道也 小原 克彦 三木 哲郎
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.671-677, 2011 (Released:2012-02-09)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

当院の老年内科が「抗加齢ドック」を実施しているのに呼応し, 当科でも2009年12月に「聴力ドック」を立ち上げ, 抗加齢ドックと連携して予防医学的観点から加齢性難聴の研究を始めた。聴力ドック開始から7か月間に, 抗加齢ドック受診者216名のうち96名 (44.4%) が聴力ドックを受診した。聴力ドックの受診は60歳代から増加する傾向にあり, その受診理由は「難聴の自覚」が最も多かった。抗加齢ドックで実施している脈波伝搬速度 (PWV) や頸動脈内膜中膜複合体肥厚度 (IMT) の結果と周波数ごとの聴力レベルとの関係を重回帰分析したところ, PWVでは8kHzの聴力レベルと, IMTは4kHzと8kHzの聴力レベルと有意な関連が認められた。この結果は, 高齢者の高音域聴力低下に動脈硬化が関与していることを示唆する。
著者
森島 淳之 満田 憲昭 名倉 潤 紙野 晃人 里 直行 三木 哲郎 荻原 俊男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.817-821, 1995
被引用文献数
1

Werner 症候群 (WRN) は, 常染色体性劣性の遺伝性早老症であり, 原因遺伝子座位は第8染色体短腕に存在することが知られているが, 原因遺伝子そのものは未だ単離同定されていない. 本邦での有病率は約20万人に1人で, 発症頻度が白人集団に比べて高い疾患の一つである. 今回, 甲状腺乳頭状腺癌と骨髄異形成症候群を合併し, 39歳にて死亡した患者の3人の同胞 (当患者を含めて2人が発症) と, イトコ婚である両親に対して遺伝子解析を行った.<br>WRN領域に存在する4種のマイクロサテライト多型, D8S360, D8S1055, D8S339, ANK1を用いて遺伝子型を決定し, ハプロタイプを作成した. 患者の同胞のうち長女と次女の2人は, 臨床診断では健常者である. 長女は正常のハプロタイプを受け継いでいたが, 次女はWRN変異遺伝子をもつハプロタイプを受け継いでいた. しかし, この2人は臨床的に異常はなかった. この結果は, WRNが劣性遺伝であることを裏付けた.<br>本症候群の発症機序は, 未だ不明であるが, 老化の機序を探る手立てとして有力視されており, 将来単離同定されるであろうWRN遺伝子の機能を解明すれば, 老化機序解明の糸口になると考えられる.
著者
三木 哲郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.160-167, 2013 (Released:2014-01-10)
参考文献数
7

近年の急速なヒトゲノム解析の進展と各国およびバイオ関連ベンチャー企業の意欲的な活動によって世界中のゲノム研究分野は技術的に飛躍的な進展を見せている.現在の標的は,複数の環境要因と複数の遺伝要因が複雑に関連しながら発症する生活習慣病の遺伝子群の単離同定である.肥満,糖尿病,高血圧,脂質代謝異常等が研究対象となってきている.将来,到来する自分自身の遺伝情報やオミックス情報を知り,それを管理する時代に備える必要がある.そして,制度の整った倫理指針の元でのオーダーメード医療の実現,健康寿命の延長,QOL(quality of life)の向上,医療費の大幅削減などに生かされることが期待されているが,そのためにも多くの研究機関および医療機関の協力,提携がより一層の成果につながると考える.
著者
稲井 眞彌 三木 哲郎 森山 剛
出版者
大阪医科大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

C9完全欠損症はわが国では高頻度で日本全国で発見されることが明らかになっている. このC9欠損症のC9遺伝子は健常者のC9遺伝子に比較してどのような異常が存在するのかを検討した.1.C9完全欠損症15例より採血した血液から末梢白血球を分離し, これらの症例の白血球より高分子DNAを調整した. 一部の症例の白血球は, EBウィルスで株化することにより, 貴重なDNA材料を持続的に利用できる体制を整えた.2.個々の症例から得られた高分子DNAをEcoRI, BglII, HindIII, PstI, BamHIなどの制限酵素で処理し, アガロース・ゲル電気泳動により切断フラグメントを分離した. これらDNA断片をサザン・ブロティング法により, ナイロン・メンブレンに転写した. このフィルターとアイソトープで標識したC9cDNAとをハイブリダイズさせ, オートラジオグラフィーによりプローブと相補的な塩基配列をもつDNA断片を検出し, DNA断片の長さの多型性(RFLPs法)を検討した. その結果, C9欠損症のC9の構造遺伝子には健常者のそれと差異を認めず, 構造遺伝子内には大きな塩素の脱落などは生じていないと考えられる結果が得られた.3.C9に対するモノクロナール抗体を作製し, C9aを認識する抗体はX195をはじめ14クローン, またC9bを認識する抗体がX197とP40の2クローン得られた. さらにX197はC9をトリプシン分解して得られるC9a', C9b'のうちC9b'を認識したが, P40はC9a', C9b'のいずれとも反応しなかった. このような抗C9モノクロナール抗体は酵素免疫測定法によるC9の蛋白の微量定量法の開発に応用することができる.
著者
永野 敬子 勝谷 友宏 紙野 晃人 吉岩 あおい 池田 学 田辺 敬貴 武田 雅俊 西村 健 吉澤 利弘 田中 一 辻 省次 柳沢 勝彦 成瀬 聡 宮武 正 榊 佳之 中嶋 照夫 米田 博 堺 俊明 今川 正樹 浦上 克哉 伊井 邦雄 松村 裕 三好 功峰 三木 哲郎 荻原 俊男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.111-122, 1995-02-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

近年の疾病構造の欧米型への移行が指摘される中, 日本人における痴呆疾患の割合はアルツハイマー病の比率が脳血管性痴呆を越えたともいわれている. 本邦におけるアルツハイマー病の疫学的調査は, アルツハイマー病の原因究明に於ける前提条件であり, 特に遺伝的背景を持つ家族性アルツハイマー病 (FAD) の全国調査は発症原因の究明においても極めて重要であると考える.私たちは, FAD家系の連鎖分析により原因遺伝子座位を決定し, 分子遺伝学的手法に基づき原因遺伝子そのものを単離同定することを目標としている. 本研究では日本人のFAD家系について全国調査を実施すると共に, これまでの文献報告例と併せて疫学的検討を行った. また, 日本人のFAD家系に頻度の高いβ/A4アミロイド前駆体蛋白 (APP) の717番目のアミノ酸変異 (717Va→Ile) をもった家系の分子遺伝学的考察も行った.その結果, FADの総家系数は69家系でその内, 平均発症年齢が65歳未満の早期発症型FADは57家系, 総患者数202人, 平均発症年齢43.4±8.6歳 (n=94), 平均死亡年齢51.1±10.5歳 (n=85), 平均罹患期間6.9±4.1年 (n=89) であった. APP717の点突然変異の解析の結果, 31家系中6家系 (19%) に変異を認めた. また各家系間で発症年齢に明らかな有意差を認めた. 1991年に実施した全国調査では確認されなかった晩期発症型FAD (平均発症年齢65歳以上) 家系が今回の調査では12家系にのぼった.FADの原因遺伝子座位は, 現在のところ第14染色体長腕 (14q24.3; AD3座位), APP遺伝子 (AD1座位) そのもの, 第19染色体長腕 (19q13.2; AD2座位), 座位不明に分類され, 異なった染色体の4箇所以上に分布していることとなる. 日本人のFAD座位は, APPの点突然変異のあった6家系はAD1座位であるが, 他の大部分の家系ではAD3座位にあると考えられている. 今回の解析結果より, 各家系間の発症年齢に差異があることからも遺伝的異質性の存在を示唆する結果を得たが, FAD遺伝子座位が単一であるかどうかを同定する上でも, 詳細な臨床経過の把握も重要と考えられた.
著者
菅野 純夫 羽田 明 三木 哲郎 徳永 勝士 新川 詔夫 前田 忠計 成富 研二 三輪 史朗 福嶋 義光 林 健志 濱口 秀夫 五條堀 孝 笹月 健彦 矢崎 義雄
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

日本学術振興会未来開拓研究事業(平成16年度終了)、文部科学省特定領域研究「応用ゲノム」(平成16度-平成21年度)と合同で、国際シンポジウム「ゲノム科学による疾患の解明-ゲノム科学の明日の医学へのインパクト」及び市民講座「ゲノム科学と社会」を平成18年1月17日-1月21日に行なった。国際シンポジウムの発表者は未来開拓5人、本特定領域6人、応用ゲノム3人、海外招待講演者9人であった。市民講座は、科学者側6名に対し、国際基督教大学の村上陽一郎氏に一般講演をお願いし、最後にパネルディスカッションを行なった。参加者は延べ550人であった。また、文部科学省特定領域「ゲノム」4領域(統合、医科学、生物学、情報科学、平成16年度終了)合同の一般向け研究成果公開シンポジウム「ゲノムは何をどのように決めているのか?-生命システムの理解へ向けて-」を平成18年1月28,29日に行なった。本シンポジウムの構成は、セッション1:ゲノムから細胞システム(司会:高木利久)講演4題、セッション2:ゲノムから高次機能(司会:菅野純夫)講演6題、セッション3:ゲノムから人間、ヒトへの道(司会:小笠原直毅)講演7題を行い、さらに、小原雄治統合ゲノム代表の司会の下、門脇孝、小笠原直毅、漆原秀子、藤山秋佐夫、高木利久、加藤和人の各班員、各代表をパネリストとしてパネルディスカッションを行なった。参加者は延べ700人であった。また、本領域の最終的な報告書を作製した。
著者
三木 哲郎 上島 弘嗣 梅村 敏 小原 克彦 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

多因子疾患の感受性遺伝子に関する長期縦断疫学研究を行った。これまでの断面的解析から同定された肥満、2型糖尿病、高尿酸血症の感受性遺伝子が、これら疾患の新規発症とも関連することを明示した。断面解析からは、ATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。ノックアウトマウスを用いた検討から、ATP2B1は細胞内カルシウム濃度および血管収縮性の亢進を介して血圧上昇を来していることが明らかとなった。
著者
伊賀瀬 道也 三木 哲郎 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大腿筋肉量を測定すれば断面積のみであっても筋肉量の推定が可能になり、高齢者のバランスがわかる。このことから転倒のしやすさにつながる指標であることが明らかになった。つまり比較的簡便にかつ非侵襲的なCT検査を行うことで大腿筋肉量の変化が高齢者のQOLを評価しうる指標である。大腿筋肉量を維持・増加させることが骨折の予防に繋がること、高齢者の寝たきり予防につなげていくことができる。