著者
田村 朝子 加藤 みゆき 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1095-1101, 1994-12-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

後発酵茶の一種である阿波番茶, 碁石茶, 石鎚黒茶それぞれの, 各製造工程から微生物を分離し, 同定を行った.(1) 阿波番茶, 碁石茶, 石鎚黒茶から嫌気性菌, 好気性菌, カビがそれぞれ分離され, その形状, 諸性質より Lactobacillus, Streptococcus, Bacillus, Pseudomonasなどの存在が明らかとなった.(2) 阿波番茶, 碁石茶からの分離菌株 Pseudomonas aeruginosa および P.cePaciaを用いて至適温度, 至適pH, 耐熱性試験を行った.その結果至適温度はそれぞれ40℃, 37℃, 至適pHは5.5, 5.0~7.0, 耐熱性は70℃および80℃までそれぞれ増殖が可能であった.
著者
田村 朝子 山岸 あづみ 三原 法子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.673-680, 2009 (Released:2012-02-13)
参考文献数
27

The antioxidative property and inhibitory effect of otogiri-sou (Hypericum erectum) leaf tea on postprandial blood glucose elevation were investigated. The otogiri-sou leaf contains a large quantity of such polyphenols as chlorogenic acid, caffeic acid, and epicatechin. Tea extracts with boiled water containing 2, 5, and 10% of otogiri-sou leaves showed strong DPPH radical scavenging activity. The lowering effect of otogiri-sou leaf tea on α-glucosidase activity was enhanced by the hot tea extracts containing at least 2% otogiri-sou leaves. The postprandial blood glucose level in human subjects after ingesting boiled rice was measured subsequent to an oral administration of otogiri-sou leaf tea. The subjects were assigned to two groups, each with a mean postprandial blood glucose level of 139 mg/dl. Otogiri-sou leaf tea significantly suppressed the increase of blood glucose level in those subjects whose postprandial blood glucose level was higher than the mean. These results suggest that the intake of otogiri-sou leaf tea prevented an increased postprandial blood glucose level by inhibiting the digestive absorption of sugars. These results suggest that the intake of otogiri-sou leaf tea prevented an increased postprandial blood glucose level by inhibiting the digestive absorption of sugars.
著者
田村 朝子 加藤哲子 加藤哲子 鈴木 一憲 南 江美子 佐々木 舞 木下 伊規子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.403-409, 2003-11-20
参考文献数
20
被引用文献数
3

「煮物」は,「煮くずれ」が生じやすく,難しい調理操作の一つとされている。特に大量調理では,家庭などの少量調理に比べて煮くずれが生じやすい。本研究では,大量調理で煮物を作る場合の煮崩れ防止の調味加工前の材料(ジャガイモ)に,した処理の調理条件を検討した。蒸す,揚げる,炒める,ゆでるの4種類を行った。煮くずれは,ジャガイモを取り除いた後の煮汁中に残った残渣量,ジャガイモの破断強度,色差,組織観察,官能評価で総合的に比較した。その結果,「揚げる」処理を行ったものが最も煮くずれ量が少なかった。これは素揚げにより,いもの表面が脱水され,表面が硬くなって,内部組織がくずれにくい状態になったものと考えられた。以上のことから,ジャガイモの煮物の煮くずれ防止には,揚げる処理を用いる方法が有効であると考えられる。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 水落 由美子 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.561-565, 1993-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
4

後発酵茶の一種である阿波番茶についてその製造工程中の成分の変化について検討した.浸出液の色については, 製造工程が進むにつれて380nmの比色値は高くなりポリフェノール含量も増加の傾向を示した.しかしカテキン含量は製造工程が進むに従って減少していた.呈味成分であるアミノ酸は, 阿波番茶では減少していた.有機酸としては修酸, クエン酸, 乳酸, 酢酸等が認められた.カフェイン含量についてはあまり変化は認められなかった.
著者
難波 敦子 宮川 金二郎 大森 正司 加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.907-915, 1998-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
25

This report continues our study of post-heated and fermented tea which are produced in the northern area of South-East Asia and Japan. A search of Chinese literature for Suancha (a sour, non-salted pickled tea) reported it to be produced by hill tribes in the south-west of Yunnan province in China by a two-step fermentation process (under aerobic and anaerobic conditions) like Goishi-cha in Japan. Our study, however, clarifies that the present Suanchas are produced by a one-step fermentation process under anaerobic conditions like Lepet-so in Myanmar, Miang in Thailand and Laos, and Awa-bancha in Japan. Suancha is now produced by the Bulangzu living near Mt. Bulang in Xysanbanna and by the Daizu in Dehong province of Yunnan. Edible pickled teas, including Liangpan-tea and Yancha that is the other kinds of pickled tea in Yunnan are also discussed.
著者
田村 朝子 本 三保子 山田 則子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.497-503, 2006 (Released:2007-10-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1

ウコギ葉を熱水で抽出した茶を標準飼料および無繊維飼料で飼育したマウスに長期に摂取させ, 腸内環境および小腸組織に対する効果を検討した. 投与した飼料と飲料によりコントロール水群, コントロールウコギ茶群, 無繊維水群, 無繊維ウコギ茶群の4群とし, ウコギ茶の効果を比較した.1) 糞便排泄量および糞中コレステロール排泄量は, コントロール群が無繊維群より有意に高く, 4群間ではコントロールウコギ茶群が最も高い値を示した.2) 盲腸中短鎖脂肪酸総量は, コントロール群が無繊維群より有意に高く, コントロール群間ではウコギ茶群が水群より有意に高い値を示した.3) コントロールウコギ茶群の小腸絨毛の長さは他の3群より有意に長く, 組織および細胞形態も大きく密になっていた. 無繊維ウコギ茶群の絨毛の長さは, 無繊維水群より有意に長くなっていた.以上の結果から, ウコギ茶摂取によって腸の蠕動運動が活発になり, 糞便排泄量が増加し, 小腸組織の発達が促進された. これらのことは, ウコギ茶中に溶出された水溶性食物繊維の影響によるものと推察されたが, 不溶性の食物繊維との相乗効果が大きいと考えられる.
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.525-530, 1995-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

後発酵茶の一つである石鎚黒茶について, その製造工程中の成分変化について検討した.ポリフェノール含量は, 他の後発酵茶と同様に製造過程で減少していた.カテキン含量については, 製造工程中で減少し, 特にエステル型カテキンの減少が大きかった.有機酸含量としては, 桶づけ後の茶葉に乳酸が顕著に生成した.
著者
三原 法子 冨樫 整 田村 朝子
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

加齢に伴い、摂食嚥下障害(食物の飲み込み障害)が起こる。現在の医療や福祉施設では、栄養状態や食事の選択は管理栄養士が、摂食嚥下状態は医師や言語聴覚士が、咀嚼機能は歯科医師が、それぞれ判定しています。嚥下食は、その他の判定と合わせることなく提供されている。そのため、栄養・摂食嚥下状態・咀嚼機能を合わせてみることができる新指標が必要となる。我々の研究結果より、学会分類に添った物性値を提案し、咀嚼機能とサルコペニア判定に基づいた要介護高齢者向けの「食形態選択表」を作成した。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 水落 由美子 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.561-565, 1993-07-15
被引用文献数
5

Awa-bancha, a kind of post-heating fermented tea, is produced locally at remote and secluded place in the mountains of Tokushima prefecture in Japan. The present study was undertaken to investigate the changes of the components in Awa-bancha during the manufacturing process. Optical density of the tea infusion at 380 nm increased, but amounts of catechins and amino acids in the infusion decreased with the proceeding of the process. The presence of organic acid such as oxalic and citric acids were found before the fermentation. In addition to the above acids, lactic and acetic acids were identified after the fermentation, which were thought to be products of microbiological fermentation. Content of caffeine did not change during the process.