著者
稲垣 昌代 山西 弘城 若林 源一郎 芳原 新也 伊藤 哲夫 白坂 憲章 種坂 英次 古川 道郎
出版者
一般社団法人 スマートプロセス学会 (旧高温学会)
雑誌
スマートプロセス学会誌 (ISSN:2186702X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.275-279, 2015-11-20 (Released:2016-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Large amount of radioactive cesium was emitted from the TEPCO Fukushima Dai-ichi nuclear power plant by the accident into atmospheric air, and a part of the radioactivity was brought to the ground by rain and snowfall. The Yamakiya district in Kawamata-machi, Fukushima is specified as the prepared evacuation zone. The authors collected wild mushrooms in this district as samples in 2012, 2013 and 2014. The concentration of radioactive cesium was measured by means of the hyperpure germanium semiconductor detector. The concentrations were ranged from 35 to 600,000 Bq/kg, and were different with points of sampling and kinds. The transfer coefficient of radioactive cesium to most wild mushrooms are lower than 0.5, although some mushroom species concentrate environmental radioactive cesium more than twice.
著者
白坂 憲章 高崎 竜史 吉栖 肇
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.495-498, 2005 (Released:2007-04-13)
参考文献数
4
被引用文献数
4 5

梅加工品中に含まれる抗酸化・抗変異原活性を有する機能性成分として梅果実成分リオニレシノールの含量を検討し, 以下のような結果を得た.市販の調味梅干のリオニレシノール含量は製品の塩分濃度が低い製品ほどリオニレシノールの含量およびラジカル消去能が低い傾向がみられ, 調味工程における脱塩操作における流出が主たる原因と考えられた.調味梅干製造の漬け込み工程において, 調味液が果肉に浸透する調味の初期においては, 果肉からのリオニレシノールの溶出とその含量の減少に伴うと考えられるラジカル消去能の低下が認められたが, 調味液が浸透する2週目以降においては, リオニレシノール含量, ラジカル消去能共に増加が認められ, 浸透圧による種からのリオニレシノールの再移行が生じたと考えられた.以上の結果より, 調味液に添加が不可能なリオニレシノールなどの機能性成分の調味行程における低下を防ぎ, 有用成分を多く含む調味梅干を製造するには, 塩濃度を低下させるための過剰な脱塩を避け, 十分な浸透圧を持つ調味液を用いて十分な時間をかけて調味を行うことが必要と考えられた.
著者
白坂 憲章 高崎 竜史 吉栖 肇
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.495-498, 2005
被引用文献数
2 5

梅加工品中に含まれる抗酸化・抗変異原活性を有する機能性成分として梅果実成分リオニレシノールの含量を検討し, 以下のような結果を得た.<br>市販の調味梅干のリオニレシノール含量は製品の塩分濃度が低い製品ほどリオニレシノールの含量およびラジカル消去能が低い傾向がみられ, 調味工程における脱塩操作における流出が主たる原因と考えられた.<br>調味梅干製造の漬け込み工程において, 調味液が果肉に浸透する調味の初期においては, 果肉からのリオニレシノールの溶出とその含量の減少に伴うと考えられるラジカル消去能の低下が認められたが, 調味液が浸透する2週目以降においては, リオニレシノール含量, ラジカル消去能共に増加が認められ, 浸透圧による種からのリオニレシノールの再移行が生じたと考えられた.<br>以上の結果より, 調味液に添加が不可能なリオニレシノールなどの機能性成分の調味行程における低下を防ぎ, 有用成分を多く含む調味梅干を製造するには, 塩濃度を低下させるための過剰な脱塩を避け, 十分な浸透圧を持つ調味液を用いて十分な時間をかけて調味を行うことが必要と考えられた.
著者
寺下 隆夫 白坂 憲章 楠田 瑞穂 若山 祥夫
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.93-99, 2011-07-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
21

機能性の生体成分として知られるヒアルロン酸(HA)を低分子化し,低分子HAを主成分とするニワトリ鶏冠分解物を用い,シイタケおよびFlammulina populicolaの菌糸体生育と子実体形成に及ぼす低分子HAの影響について検討した.その結果,シイタケの菌糸体生育は本分解物の添加培養(0.125%)で促進され,無添加対照区のそれぞれ1.75倍(森465号),1.44倍(明治株),1.67倍(菌興324株)の菌糸体乾燥重量を得た.またF.populicola NBRC 7777株では0.125%のHA分解物の添加で1.70倍の菌糸体重量が得られ,子実体収量も1.75倍に増加した.さらに,この菌株を用い,低分子HAの菌体への取り込みについて,HA分解物のN-アセチルグルコサミン量を調べたところ,菌糸体で2.85倍,子実体で2.69倍に増加した.また,無添加の対照区では検出されなかったグルコサミノグリカンが,分解物の添加区で69.30-469.0μg/Petri dish検出され,培地に添加したグルコサミノグリカン量の0.35-0.52%が子実体中で確認された.
著者
白坂 憲章 山口 裕加 吉岡 早香 福田 泰久 寺下 隆夫
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.147-153, 2012-10-31
参考文献数
14

トキイロヒラタケ子実体よりピンク色と黄色の色素を分離した.ピンクの色素は,硫安塩析,DEAEトヨパール,トヨパールHW55によるクロマトグラフィーにより色素タンパク質として精製され,分子量はSDS-PAGEおよびHPLC-GPCによって,それぞれ24.5kDa,30kDaと推定された.本色素タンパクは267,348,493nmに吸収極大を示し,28℃およびpH4から10で安定であった.一方,黄色色素からはSephadex G-25を用いたゲルろ過により3つの色素が精製され,分子量はHPLC-GPCにより10.8kDa,5.3kDa,4.4kDaであると推定された.これらの色素は可視領域に特徴的な吸収極大が見られず,水のみに溶解性を示した.本色素はH_2O_2,KMnO_4,NaOClといった強力な酸化剤で脱色され,Fe^<3+>をFe^<2+>へと還元した.これらの性質は,メラニン色素の性質によく合致した.
著者
寺嶋 芳江 渡辺 智子 鈴木 亜夕帆 白坂 憲章 寺下 隆夫
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.170-175, 2009

シイタケ培地へトレハロースを0.5,1,2,3,4%添加して栽培し,子実体の収量,トレハロース含有量,鮮度保持,食味への影響を試験した。その結果,収量には有意差のある変化を生じなかったが,0.5,1,2,3%添加培地から1回目に発生したMサイズ以上の子実体の個数割合が多くなった。無添加に比べて,2,3,4%添加培地からの子実体のトレハロース含有量は3回目までのいずれの発生回でも多くなった。鮮度については,2%添加ではいずれの発生回でも高い保持効果が認められ,特に4%添加では1回目に有意に高かった。官能検査では,2%と3%添加の場合に摂取時の「香り」,「食感」,「味」と「総合評価」が比較的高かった。
著者
寺下 隆夫 白坂 憲章 楠田 瑞穂 若山 祥夫
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-8, 2011-03-01

[Synopsis] The chemical compositions of low-molecular weight (low-MW) hyaluronic acid (HA) from comb and the effect of keepingb moisture contents on skin by a clinical test were investigated. The low-MW-HA prepared from comb contained the following components: moisture 2.2 ~ 2.6%, nitrogen 3.84%, total protein 3.04%, free amino acid 4.08%, N-acetyl-D-glucosamine 0%, HA 13.4% and dextrin( food additives) 75.0%. The main components of the low-MW-HA were two components, MW 1,500( 47%) and MW. 5,000( 33%). We studied the effect of low-MW-HA( Will-HA) on the effect of keeping moisture contents of skin by a clinical test. The clinical test was done in a national hospital in the Peoples Republic of China in 2006. As a result, it was shown that the low-MW-HA have the effect of keeping moisture in the skin.