著者
和氣 愛仁 矢澤 真人 宇陀 則彦 永井 正勝 高橋 洋成
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、資料画像にテキスト情報を付与し、画像から文字あるいは単語等のテキストデータを検索できるようなシステム(「アノテーション付与型画像データベースシステム」)について、さまざまな人文学資料を共通の枠組で扱うことを可能にするために、共通のユーザインターフェイスと標準的なデータ構造モデルを作成し、汎用データベースプラットフォームシステムを構築した。本研究ではこのプラットフォームを利用し、古代エジプト語神官文字パピルス資料、明治期日本語文典資料、古代シュメール・アッカド語楔形文字年度版資料のデータベースを構築した。
著者
矢澤 真人 塚田 泰彦 石塚 修 橋本 修 森山 卓郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

文法教育に関わる基本的な事項の調査・検討を進め、現在の学校教育における日本語文法教育の実態調査を進めるとともに、現在の日本語研究の進展状況を鑑みて、現在の日本社会において望まれる「生きる力」としての言語力を身につけるために必要な文法教育のあり方について検討を加え、実践的な提言に及んだ。研究成果は、以下の形式で積極的に公開を進めた。1)研究会の開催;科研費研究分担者を中心に、関連分野の研究者および現職教員が参加する研究会を期間内に4回開催し、現在の国語科における文法教育の実情や問題点、明治以来の言語政策と教科教育における言語教育との関連、国語科における作文教育と文法教育との関連等について意見の交換を行った。2)国際シンポジウムの開催;文法教育の面で共通する側面を持つ韓国の研究者と協力して、2002年と2003年に国際シンポジウム「韓日(日韓)の文法研究」を開催し、研究代表者・研究分担者を中心に基調報告を行い、意見の交換を行った。3)各種学会のシンポジウムへの参加;研究代表者が野外文化教育学会、日本国語教育学会、日本言語政策学会のシンポジウムにパネリストとして招聘され、研究の成果をもとに基調報告を行い、多数の研究者や現職教員と意見を交換した。4)研究報告書の作成・発行(『日本語の文法教育』I〜III)上記、1)〜3)の内容に関しては、論文の形式にして、毎年刊行した研究報告書告(最終報告書を含め3冊)にとりまとめた。全体で400ページ、33本の論文や資料を収録する。5)研究成果のデータベース化文法教育に関する研究論文データベース、戦前の文法教科書類データベースを作成し、一部を前記報告書に掲載すると共に、HP等でも公開した。
著者
矢澤 真人 橋本 修 和氣 愛仁 川野 靖子 福嶋 健伸 石田 尊
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

代表者、分担者、協力者の協力も得て、以下のことを行い明らかにした。国文法理論に関しては、形態論重視の文法理論と、それに対抗する意味論重視の文法理論とを検討し、包括性・初学者への分かりやすさでは前者に、認知論との関連・直感的な興味深さでは後者にメリットが多いことを明らかにした。これと相関して学習指導要領における文法教育・言語事項の位置づけや、教育現場での実際の取り扱い等を検討し、現況にあった有益な文法教育の目標としては、言語感覚の養成・母語への愛着の涵養等がより中心的になるべきであることを示した。他の文法理論については、それぞれ、存在動詞構文・ハイパレージ現象に対して構文文法的アプローチ、中世日本語述部(特にテンス.アスペクト)に対して形態・機能論的アプローチ、非分末の「ですね」に対して談話文法論・情報管理理論的アプローチ、自他の形態(の少なくとも一部)に対して認知・計算意味論的アプローチ、テイル文に対して(生成)統語論的アプローチが、有生性の心的実在性に対しては実験心理学(脳科学)的アプローチが有効であることが、それぞれの具体的分析・実験等により示された。また、教育文法に関しては、枠組みとして、身体活動も含めた言語行動ルールとしての文法の必要性、国語教材の選択・使用法について具体的手順(活用の既定の一部修正・教授順序の変更)を経たカスタマイズのありかた、生徒が作成する要約文の特徴と字数との関連等が示された。