著者
岡 久美子 西田 麻理奈 長澤 栄史 牛島 秀爾 石原 亨 前川 二太郎
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.147-152, 2015-01-31 (Released:2018-03-15)

モエギタケ科に所属するHypholoma fasciculare(ニガクリタケ)は毒きのこであり,主要な毒成分としてファシキュロールEを生産する.これまでに本種以外のきのこ種子実体にもファシキュロールEが含まれていることが報告されているが,詳細な調査は行われていなかった.そこで本研究では,H. fasciculareおよびモエギタケ科属種子実体におけるファシキュロールEの含有量を調査した.その結果,供試したHypholoma属種の子実体すべてよりファシキュロールEが検出され,本属の近縁属であるPholiota属やStropharia属種のいくつかの子実体中においても極めて少量であるが検出された.検出された子実体には食用きのこ種も含まれていた.さらに,分子系統解析の結果,ファシキュロールE生産性はモエギタケ科内のHypholoma属との系統的類縁性と密接に関係していることが示唆された.
著者
石原亨 著
出版者
加藤書房
巻号頁・発行日
1924
著者
部谷 修平 久住 憲嗣 石原 亨 神山 剛 中西 恒夫 福田 晃
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2011-SLDM-149, no.2, pp.1-6, 2011-03-11

本論文では AndroidOS 上で動作するアプリケーションの省電力化のためのプロファイリング手法を提案する.従来の消費電力分析技術は分析のために対象システムを稼働させなければならなかったり,計算負荷が大きく手軽ではなかった.またシステム全体の電力しか分析できず,ソフトウェアのクラスやメソッドレベルでのボトルネックの発見には役に立たなかった.本手法はリソース消費ログから消費エネルギーを見積もる軽量な線形モデル式をもとにしているためシミュレーションで手軽にできる.またメソッド単位で電力を分析できるという特徴を持つ.本手法の中で電力分析のための侵襲性の異なる 2 種類のログの取り方を示す.本論文の最後で提案手法についてログの取得方法,誤差と侵襲性について評価した結果,それぞれのログの取得方法について精度と侵襲性の関係を明確化できた.
著者
鎌苅 竜也 塩見 準 石原 亨 小野寺 秀俊
雑誌
DAシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.187-192, 2015-08-19

多くの記憶素子の基本要素として利用されるラッチ回路は,集積回路設計にかかせない重要な回路である.集積回路の低消費電力化のためには,低電圧での回路動作が有効であることが広く知られている.しかし低電圧動作では,トランジスタ特性ばらつきの影響による論理ゲートの誤動作,特にラッチ回路の誤動作が大きな問題となる.本稿は,解析的なアプローチから,極低電圧動作におけるラッチ回路の動作安定性を精度よくモデル化する手法について述べる.その後,商用 28~nm プロセスのトランジスタモデルを用いた回路シミュレーションにより,提案モデルの有用性を確認する.
著者
西口 沙也加 村田 晃一 宇部 尚樹 上野 琴巳 手林 慎一 寺石 政義 奥本 裕 森 直樹 石原 亨
出版者
Pesticide Science Society of Japan
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.191-197, 2018-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
46
被引用文献数
8

イネにおいて1 mM のジャスモン酸を処理することで蓄積量が増加する化合物の探索を行った.その結果,2つの化合物1と2の蓄積量が増加することがわかった.マススペクトルとHPLCにおける保持時間を標準品と比較することで,1と2をそれぞれ13-oxooctadeca-9,11-dienoic acid(13-KODE)および9-oxooctadeca-10,12-dienoic acid(9-KODE)と同定した.これらの化合物の蓄積はイネごま葉枯病菌の感染によっても誘導された.一方で,各KODEをイネの葉に処理すると,抵抗反応に関連する二次代謝産物のサクラネチンやナリンゲニン,セロトニンの蓄積が誘導されたため,これらのKODEが病害応答に関与していることが示唆された.KODEと同じくα,β-不飽和カルボニル構造を持つ化合物について,同様の活性があるか調べたが,KODEの作用は再現されなかった.二次代謝産物の誘導には一定の長さをもった炭素鎖など他の構造因子が必要であると考えられた.
著者
石原 亨
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.3_38-3_44, 2009-01-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
29

高度情報化社会の急速な発展を背景にコンピュータシステムの低消費電力化が喫緊の課題となっている.一方でハードウェア設計コストの上昇に伴って,ソフトウェア及びデータコンテンツによるコンピュータ製品の差別化がますます重要になりつつある.結果的にソフトウェアとデータによる低消費電力化はコンピュータシステムの付加価値を生み出す重要な鍵になると考えられる.本論文では,ソフトウェアの動作に関連付けてハードウェアの消費電力をモデル化する技術とハードウェアが電力を消費しないように制御するソフトウェア技術について解説する.
著者
石原 亨 手林 慎一
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

スワインソニンなどのインドリジジンアルカロイドは、マメ科植物に感染するエンドファイトや病原菌が生産する二次代謝産物である。本研究では、その生理・生態学的役割を明らかにすることを目的とした。まず、新たな分析法を確立した上で、生物活性について調べた。その結果、スワインソニンは鱗翅目昆虫の生育を抑制することを見出した。スワインソニンはムラサキツメクサの防御応答も抑制することがわかった。したがって、スワインソニンは、植物への感染や共生において多面的な役割を果たしていることが示唆された。加えて、スワインソニンの生合成は前駆物質のリジンの生合成と協調的に制御されていることも明らかにした。