著者
飛田 秀樹 三角 吉代 増田 匡 石田 章真
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

注意欠陥多動性障害モデルラのSHRラットを用い、発育期の外部環境(豊かな環境飼育、通常飼育、孤独な環境飼育)による情動行動の変化と脳内ドパミン神経系の変化をコカイン&アンフェタミン調節性転写物 (CART)に注目し解析した。その結果、豊かな環境飼育(EE)群では、他群に比べオープンフィールド試験で多動性が減少、社会性試験で社会性が亢進していた。EE群では、CART 発現が扁桃体で上昇し、免疫染色により中心核での強い発現が確認された。さらにパルブアルブミン非陽性のGABA陽性細胞に共発現することも確認された。本研究から、発育期の環境がCARTを介して情動行動の形成に影響することが示された。
著者
武田 美由紀 石田 章 横山 繁樹 佐藤 佳美
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.90-95, 2007

The main objective of this paper is to clarify whether social capital has a positive effect on food nutrient intake or food security among homeless people. The statistical analysis, based on the individual data obtained from our interview survey conducted in Kita-Kyushu, clearly suggests that the effects of social capital are different by resident status.
著者
石田 章
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,中高生の食行動を規定する要因を解明することを目的とした。主な結論は以下のとおりである。1)性別や学年などの「個人属性」,「生活習慣・自立性」,「食卓環境・雰囲気」,「家族関係(親との関係)」,「居住地」が中高生の欠食・偏食頻度に影響を及ぼしている。また学年進行に伴って,欠食頻度は増加する一方で偏食傾向は是正される。2)女子高校生の食行動の乱れを助長している背景要因として,生活習慣の乱れ,友人関係の不安定性,親子関係の不安定性,食卓の雰囲気の悪さが指摘できる。これら4要因の中でも,とくに生活習慣の乱れと友人関係の不安定性が女子高校生の食行動に及ぼす負の影響は大きい。
著者
石田 章純
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

初期原生代(19億年前)のガンフリント層およびローブ層における地質調査を行い、採取試料の岩石学、鉱物学、地球化学的分析を行った。特に有機物の窒素安定同位体比の測定においては段階燃焼法の導入によってコンタミネーションの可能性を除去した信頼できる値を提示し、かつ有機物中に、含有される窒素の同位体比の異なる炭素構造をもつ有機物の不均質が存在することを示すことができた。その結果、初期原生代の海洋環境と微生物活動について、一般に信じられている"浅部が酸化的で深部が強還元的(硫化水素に富む=euxinic)な海洋"における"化学合成細菌(例えば鉄酸化菌)主体"の環境モデルではなく、"浅部が酸化的で深部が非酸化的だがeuxinicではない海洋"における、"シアノバクテリアが生態系の第一次生産者である"モデルを提唱した。この成果はGeochimica et Cosmochimica Actaに投稿準備中である。段階燃焼法を用いた有機物窒素同位体比の測定法の確立、および初期原生代有機物窒素同位体比の不均質性の発見は革新的な成果であり、その成果は別途Geochemical journal投稿され、受理された(Ishida et al.,2012,in press)。目標の1つであった電子顕微鏡による微小領域観察については有機物の透過型電子顕微鏡(TEM)観察の初等技術を習得し、初期原生代の有機物中に結晶度の異なるグラファイトが存在する可能性を見出すことができた。さらに、より古い時代の岩石については、30億年前、27億年前、22億年前の堆積層が産出するカナダ・スペリオル湖周辺地域、25億年前、23億年前の堆積層が産出する南アフリカ・タイムボールヒル地域、クルマン地域での地質調査および岩石試料の採取を完了している。これらの地域について岩相記載や薄片観察など基礎的な分析を進めた。