著者
天ヶ瀬 紀久子 中村 英志 加藤 伸一 竹内 孝治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.12, pp.1711-1719, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
64
被引用文献数
2 4

Glutamate is known as the umami substance in the diet and umami taste has been traditionally preferred in East Asian countries. Recent our and others' studies showed that glutamate has potential to protect the gastrointestinal mucosa against noxious agents. In contrast, Helicobacter pylori infection and non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) are recognized as the two major causes of gastrointestinal diseases characterized by gastritis or gastrointestinal ulcers. We examined whether dietary supplementation of glutamate prevents the Helicobacter pylori infection- and NSAIDs-induced gastrointestinal damages in animal models. In this paper, we first review how these noxious agents develop gastrointestinal damages, and secondly discuss the possible candidates of protective factors as well as the mechanisms how glutamate prevents these gastrointestinal damages. We propose that our daily intake of glutamate has important roles in protecting the gastrointestinal mucosa against Helicobacter pylori and NSAIDs and possibly contributes to the maintenance of our healthy lives.
著者
中村 和之 酒井 英男 小林 淳哉 小田 寛貴 浪川 健治 三宅 俊彦 越田 賢一郎 佐々木 利和 瀬川 拓郎 中田 裕香 塚田 直哉 乾 哲也 竹内 孝 森岡 健治 田口 尚 吉田 澪代
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、14~16世紀のアイヌ文化の状況を明らかにすることである。この時期は、近世のアイヌ文化の成立期であるが、文献史料と考古学資料が少ないため、状況がわかっていない。そのため、漢語・満洲語・日本語史料の調査を行うと同時に、遺物の成分分析や年代測定、それに遺跡の電磁探査など、さまざまな分析方法で情報を収集した。その結果、14~15世紀の北海道でカリ石灰ガラスのガラス玉が発見された。本州でほとんどガラス玉が出土しないので、アムール河下流域からの玉と考えられる。この時期は、元・明朝がアムール河下流域に進出した時期に重なるので、北方からの影響が強くアイヌ文化に及んだことが推定できる。
著者
木村 昭悟 Zoubin Ghahramani 竹内 孝 岩田 具治 上田 修功
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本論文では,少量の訓練データのみからニューラルネットワークを学習する新しい手法を提案する.提案手法では,一般的な少数ショット学習の問題設定とは異なり,所与の少数訓練データ以外のデータ資源は仮定しない.提案手法では,少数の訓練データで学習した非NNモデルを参照モデルとして用いる知識蒸留を行うと共に,少数の訓練データから生成した大量の疑似訓練データを導入し,この疑似訓練データをモデル学習の過程で更新する.
著者
竹内 孝治 加藤 伸一 田中 晶子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.117, no.4, pp.274-282, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
49
被引用文献数
5 5

消化管は種々の食餌性あるいは薬剤性の刺激に絶えず露呈されるという過酷な環境下にある.このような状況下においても, 消化管の粘膜恒常性は種々の機能変化およびそれらを調節する生体内因子により構成されている“粘膜防御機構”によって通常維持されている.内因性プロスタグランジン(PG)は消化管の粘膜防御機構において司令塔的な役割を演じており, 中でもPGE2が最も重要であると考えられている.本稿では, 消化管におけるPGE2の粘膜保護作用に関連するEP受容体および機能変化について, 種々の選択的なEP作動薬およびEP受容体欠損マウスを用いて得られた著者らの成績を中心に紹介する.外因性PGE2の塩酸·エタノールおよびインドメタシン誘起胃損傷に対する保護作用はEP1作動薬によって再現され, 逆にEP1拮抗薬の存在下では消失する.内因性PGE2はマイルド·イリタントによる適応性胃粘膜保護作用においても重要な役割を果たしているが, この現象もEP1拮抗薬によって完全に消失する.PGE2による胃粘膜保護作用は胃運動抑制と機能的に関連しており, この作用もEP1作動薬によって同様に認められる.しかし, カプサイシンによる神経性胃粘膜保護作用はEP2およびIP受容体との関連性が推察されている.一方, 十二指腸におけるPGE2による保護作用は重炭酸イオン分泌と機能的に関連しており, これらの作用はEP3およびEP4作動薬によって再現される.同様に, インドメタシン小腸傷害もEP3およびEP4作動薬によって抑制され, 機能的には腸運動抑制および粘液分泌亢進に起因する腸内細菌の粘膜内浸潤の抑制と関連している.PGE2による粘膜防御の詳細な発現機序については不明であるが, 胃における保護作用は主としてEP1受容体を介して, また十二指腸および小腸における保護作用はEP3およびEP4受容体を介して発現するものと推察される.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.71-83, 2014-03-28

行列分解には,観測行列に含まれる零要素の割合が大きくなるにつれて低ランク近似の汎化性能が低下する問題がある.本稿では,この問題を解決するための統計的機械学習アプローチとして複合非負値行列因子分解(Non-negative Multiple Matrix Factorization: NM2F)を提案する.NM2F は,観測行列と2つの補助行列の間に共通の潜在構造を仮定し,これらの行列を同時に分解する.本稿では,NM2F を非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization: NMF)の一般化として定式化し,補助関数法により一般化KLダイバージェンスを用いた場合のパラメータ推定法を示す.さらにNM2F は,ブロック未定義領域ありNMFとポアソン分布を用いた確率的生成モデルと等価であることを示す.人工データと実データを用いた実験から,NM2F と既存手法の汎化性能を比較し,NM2F の定量的な優位性を示す.また,実データを用いた実験では,NM2F が複数の行列から多角的な基底を抽出する定性的な利点を示す.
著者
竹内 孝 中村 和之
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.75-84, 2018 (Released:2018-01-31)
参考文献数
4

The potteries were produced in various sites of southern Sakhalin region and the northern and eastern Hokkaido. These sites belonged to the Jomon culture, the Epi-jomon culture and the Susuya period of Okhotsk colture. The potteries were made by mixing sands in clay and the chemical composition of mixed sands contain geological information of the region where potteries were made. The chemical analysis of soil of potteries can estimate the product sites location. This technique can help clarify the product sites of each potteries and the route of delivery of the potteries.
著者
山本 けい子 寺門 修 竹内 孝 中村 和之 広瀬 義朗 八重樫 忠郎 瀬川 拓郎
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.105-110, 2018 (Released:2018-01-31)
参考文献数
9

Based on the hypothesis that Hokkaido gold dust was contained in the enormous amount of gold that supported the wealth of the Oshu-Fujiwara clan, we analyzed gold dusts which were obtained from relics excavated in Yanagi-no-Gosho Site in Hiraizumi.In this research, we conducted the analysis using statistical methods such as data similarity, principal component analysis(PCA) and support vector machine(SVM). The target data are elemental analysis data sets of gold on relics excavated from Hiraizumi and they are compared to data sets of gold dust picked in Hokkaido and Tohoku region.Through these statistical analysis, we concluded that the gold on relics excavated from Hiraizumi was closer to the elemental constituents of gold dust picked in Iwate Prefecture. About this Hiraizumi sample, we were not able to estimate that its gold might have been brought from Hokkaido. However, we are thinking that these statistical approaches are useful methods to clarify facts of the trade between the Oshu-Fujiwara clan and indigenous people in Hokkaido.
著者
竹内 孝治 古川 修 田中 宏典 西脇 秀幸 岡部 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.123-133, 1986
被引用文献数
3

elcatoninのラットの急性胃・十二指腸損傷の発生,胃液分泌,十二指腸alkali分泌,胃運動に対する効果を検討した.elcatoninは以下の実験で全て皮下投与した.elcatonin 30 unit/kgの投与により塩酸・aspirin,塩酸・ethanol胃損傷の発生を各々81.6%,49.7%(P<0.05)抑制した.水浸ストレス,indomethacin胃損傷の発生もelcatoninは用量依存的に抑制し,前者の損傷は30 unit/kgで77.6%,後者の損傷は10 unit/kgで98.7%(P<0.05)抑制された.elcatonin 30 unit/kgの2回投与はmepirizole十二指腸損傷の発生に対して抑制の傾向(32.7%)を示したが,胃損傷の発生は著明に抑制した.indomethacin·histamine十二指腸損傷の発生に対してはelcatonin 30 unit/kgは59.5%(P<0.05)の抑制を示した.胃損傷もまた抑制した.対照薬として使用した16, 16-dimethylprostaglandin E<SUB>2</SUB>(16-dmPGE<SUB>2</SUB>)は各種胃・十二指腸損傷モデルを3~30 μg/kgの経口投与で強力に抑制した.elcatonin 10および30 unit/kgは幽門結紮ラット(4時間法)での胃液量,酸およびpepsin排出量を有意に抑制した.16-dmPGE<SUB>2</SUB> 3,10,30 μg/kgの十二指腸内投与で胃液には影響を与えなかった.elcatonin 30 unit/kgは十二指腸のアルカリ分泌に影響はなかったが,16-dmPGE<SUB>2</SUB> 30 μg/kgはアルカリ分泌を亢進した.elcatoninおよび16-dmPGE<SUB>2</SUB>は胃運動を2時間有意に抑制した.以上の結果よりelcatoninは抗胃および十二指腸損傷作用を有し,その機序の一部は胃液分泌および胃運動に対する抑制作用に基くことが示された.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.67-74, 2012-10-31
参考文献数
25

本稿では,非負値制約下における複数行列の同時分解法(Stacked Non-negative Matrix Factorization:sNMF)を提案する.sNMFは,行列同士の関係を利用して複数の非負値行列を同時に分解する手法であり,NMFを一般化したモデルとして定式化される.sNMFは,未定義領域有りNMFの特殊な例とも解釈できる.本稿では,データマイニングの分野で関心を集めている,ソーシャルメディアからの話題トピックと話題に関するユーザクラスタの同時抽出問題にsNMFを適用した.NMFと比較して,定量的にも定性的にもsNMFの利用によって解析精度の向上が確認された.
著者
竹内 孝輔 国本 亮
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.106-110, 2024 (Released:2024-02-01)
参考文献数
21

医薬品研究開発には多額の費用と10年以上の期間を要する。創薬研究の成功確率向上および効率化を図るため、データおよびAI利活用の取り組みが注目されている。第一三共創薬化学研究所では、データサイエンス専門チームを作り創薬化学にデータサイエンスを融合させるとともに、2つの研究領域のシナジーを生むための循環型の人材育成策を実施した。本施策によって20%の研究業務効率化を達成し、さらに生産性向上に向けた前向きな変化を確認することができた。
著者
竹内 孝 西田 遼 鹿島 久嗣 大西 正輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2I3GS5b03, 2021 (Released:2021-06-14)

群衆に対する移動誘導は,突発的な事故や道路遮断で生じる交通渋滞の解消や,災害時に混雑した建物などの危険箇所からの迅速な避難などの分野で注目を集める問題である.ある状況下において誘導はどのような群衆移動を起こすか?この質問に解答するシステムが実現されれば,誘導の意思決定における補助が可能になると考えられる.本研究では,群衆移動誘導におけるwhat-if問題を,少数かつ選択バイアスを持つデータから誘導における因果効果推定を行う問題として定式化する.さらにバイアスを補正した高精度な予測を行うために,空間データ解析と因果推論の分野で広く研究されている深層表現学習を用いた空間畳み込み反事実回帰(SC-CFR)を提案する.介入効果推定の性能評価には,すべての誘導を実行した場合の群衆移動データが必要であるが,そのようなデータは存在しない.そこで,高精度なマルチエージェントシミュレータを用いて,新国立劇場での避難シナリオにおける避難データを生成した.このデータを用いた実験によって,提案手法によって介入効果の推定誤差が既存法と比較して最大56%削減されたことを示す.
著者
兒玉 庸平 朱山 裕宜 宮崎 祐丞 竹内 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3G3OS15a04, 2022 (Released:2022-07-11)

鉄道事業者は新駅設置時の需要推定や駅改良の効果測定に際して,駅勢圏(駅周辺エリアで居住・就業する人がどの駅を利用しているかを示す商圏の一種)の推定を実施する.従来は駅中心ら半径数km以内を駅勢圏とし,国勢調査などの統計データを用いて鉄道利用者数を推定する手法が用いられるが,異方性を考慮しないため,実際の駅勢圏に即しておらず予測と実態との間に大きな乖離が生じている.近年,IC定期券サービスや経路検索サービスの登場により大規模な空間データの取得が可能となり,より空間的に細かい粒度で精度の高い駅勢圏の推定が期待される.本研究では,郵便番号ごとのIC定期券登録数から駅勢圏を定義し,郵便番号ごとの各駅のIC定期登録数を予測する問題として駅勢圏推定を定式化する.さらに対象エリア内の郵便番号から近隣駅までの所要時間,駅同士の地理的関係性などの地理空間情報を用いた教師あり学習によって駅勢圏の推定法を提案する.従来手法と比較し,提案法による新駅需要の推定誤差が削減されたことを示す.