著者
金川 絵利子 岡留 剛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.F-G94_1-14, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
27

The subtree kernel and the information tree kernel defined here permit us to measure the syntactic characteristics and similarity of sentences. The subtree kernel is the total number of the common subtrees in two trees and the information tree kernel is defined as the total Shannon information contents contained in the common subtrees. The information tree kernel enables us to capture such structural characteristics peculiar to the styles of writers. The analyses using by these kernels reveal some syntactic characteristics and similarities of the Japanese 31 authors’ writing styles. In particular, the results of the analyses for the great five authors, Soseki Natume, Ryunosuke Akutagawa, Osamu Dazai, Nankiti Niimi, and Kenzi Miyazawa, show that, for example, (1) Natume more often writes a sentence of the dependency structure in which the same subtree structure occurs multiple times in the sentence. (2) Akutagawa more often uses the dependency structures for extra or detailed expressions that modifies a noun phrase than the others do. (3) Dazai often uses the dependency structures that consist of many shallow subtrees arranged in parallel, but the others seldom write sentences of the parallel subtree structures. (4) Niimi uses simpler dependency structures than Miyazawa does and Miyazawa writes short sentences in more various dependency structures.
著者
浜田祥太郎 角所考 岡留剛
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

Twitter上の書込み内容が特異な日を、トピックモデルを用いたアプローチで検出する。Tweetsを確率分布として表現し、それらの中から文書間距離や異常値検知の手法を用いて特異日を検出する。
著者
大村 政博 角所 考 岡留 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.105, pp.17-22, 2013-06-15
被引用文献数
1

実世界での動向を「リアルタイム」に捉えることを目的として,感情表現に関係した形容詞を含むtweetsを時間単位で区切り,それを1つの文書とみなして,Latent Dirichlet Allocation (LDA)により,社会的感情を分析する手法を提案する.その手法では,常識的な社会的感情のほか,直感的には意味が不明確な「感情」も取り出される.ただし,抽出された社会的感情の日々の変動に対する感度が低い.この低感度性を回避すべく,多数の形容詞を代表的少数の形容詞に縮約し,それ以外の語を除いて縮約された形容詞を残して「文書」としLDAを適用する手法を提案する.その手法により抽出される社会的感情の時間的変動に対する感度は縮約なしの分析により抽出される感情よりも高く,社会的感情を入力とする入力つきARモデルによるDJIA(ダウ平均株価)の予測は,通常のARIMAモデルによる予測よりも平均予測誤差が小さい.
著者
岸野 泰恵 櫻井 保志 亀井 剛次 柳沢 豊 前川 卓也 岡留 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.127-134, 2008-02-27

本研究では, 数多くのセンサノードからなる大規模センサネットワークのための効率的なデータ収集機構を提案する.収集したデータは,実世界の情報のリアルタイムなコンテンツ化に用いることを想定している.提案する機構では,データが発生してから基地局に到着するまでの遅延を抑制することを目的に,階層的にクラスタを作成してデータを収集する.クラスタリングは,クラスタ内の通信が他のクラスタと重複する度合いを指標として行い,クラスタ内のノードの個数や階層数は,データの発生量から遅延を見積もって決定する.本稿では,通信方式と,提案するクラスタリング手法について述べる.また,各階層ごとにデータを集めることで基地局にデータが到達するまでの時間を短縮できることを示す.The data aggregation method for a large-scale sensor network proposed here aims to reduce the communication delay from the generation of a sensor event to the arrival of the data to a base station. The method adopts hierarchical clustering whose criterion is the degree of duplication of wireless communication area among clusters. The clustering parameters such as the number of hierarchies and those of nodes in a cluster are determined by estimating the amount of data. Analyses of a tree-structural communication model show the method using the hierarchical clustering enables to reduce the communication delay.
著者
岸野 泰恵 櫻井 保志 亀井 剛次 柳沢 豊 前川 卓也 岡留 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.127-134, 2008-02-27
被引用文献数
1

本研究では, 数多くのセンサノードからなる大規模センサネットワークのための効率的なデータ収集機構を提案する.収集したデータは,実世界の情報のリアルタイムなコンテンツ化に用いることを想定している.提案する機構では,データが発生してから基地局に到着するまでの遅延を抑制することを目的に,階層的にクラスタを作成してデータを収集する.クラスタリングは,クラスタ内の通信が他のクラスタと重複する度合いを指標として行い,クラスタ内のノードの個数や階層数は,データの発生量から遅延を見積もって決定する.本稿では,通信方式と,提案するクラスタリング手法について述べる.また,各階層ごとにデータを集めることで基地局にデータが到達するまでの時間を短縮できることを示す.The data aggregation method for a large-scale sensor network proposed here aims to reduce the communication delay from the generation of a sensor event to the arrival of the data to a base station. The method adopts hierarchical clustering whose criterion is the degree of duplication of wireless communication area among clusters. The clustering parameters such as the number of hierarchies and those of nodes in a cluster are determined by estimating the amount of data. Analyses of a tree-structural communication model show the method using the hierarchical clustering enables to reduce the communication delay.
著者
中井 大貴 河南 壮太 田原 映理 山本 有貴 福山 尚 五味 文 角所 考 岡留 剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.8, pp.419-430, 2023-08-01

非侵襲な検査を可能にする光干渉断層計(OCT: Optical Coherence Tomography)によるスキャン画像において,網膜の層の厚みと,視力や病状との関係性を捉えるためには,画像における網膜の層を抽出する必要がある.本研究では,網膜剥離を伴う眼科疾患におけるOCTスキャン画像で網膜の層を抽出する手法を提案する.その手法では,各層に対し,それぞれの特徴を反映したコスト関数の最小化により層の境界を決定し,とりわけ,治療後視力と相関があると考えられる厚みを求めるために必要な網膜剥離領域の輪郭線と内境界膜・外境界膜が抽出できる.その応用として,得られた境界から層の厚みに関する特徴量を算出し,中心性漿液性脈絡網膜症の治療後視力を予測するARDガウス過程回帰を構築し,予測に有意な特徴量が,中心窩における内境界膜から外境界膜までの長さと,外境界膜から網膜色素上皮までの長さの剥離前後での変化度であることを明らかにした.
著者
五味 文 岡留 剛 荒木 敬士 福山 尚 角所 考 井村 誠孝 小椋 有貴
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)は元来予後良好な疾患とされていたが、病状が遷延し、重篤な視力低下に至ることもある。さらに近年ではCSCと加齢黄斑変性との関連が示唆されてきており、実際一部のCSC例は滲出型加齢黄斑変性に移行することがわかってきている。本研究の目的は、CSC症例における遷延・加齢黄斑変性移行例のリスク因子を見出し、早期の介入を促すことで更なる病状進展、視力低下を抑制することである。具体的には、①眼科画像検査、②身的・外的ストレス評価、③視覚異常のシミュレーション、の3つのアプローチで、ハイリスクCSC症例の早期発見を試みる。
著者
岡留 剛
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.34, pp.1-10, 1989-05-15

カナ漢字変換のためのカナ入力法のうち,JISかな入力・OASYS親指シフト入力・ローマ字入力の3入力について心理実験による検討を行なう.とくに,コピータイプ作業における(1)シフト打鍵について,(2)打鍵のリズムについて,(3)作業負荷について議論を行なう.実験の結果によれば以下に述べることを結論できる.(1)シフト打鍵はシフトなしに比べると打鍵間時間が大きい.とくに,異手シフト打鍵は速度が遅い.(2)JISかな入力とOASYS親指シフト入力は,ローマ字入力に比べて同一打鍵列の打鍵速度が遅い.(3)JISかな入力,OASYS親指シフト入力,ローマ字入力の順に作業負荷が高い.This article discusses the following three Japanese input methods for the kana-kanzi conversion system: (1) the input method with JIS-keyboard, (2) that with OASYA thumb-finger shift keyboard, and (3) Romazi input method with the standard English keyboard. We conduct psychological experiments in order study the nature of the shift stroke, the difference of typing rhythms among the three methods, and the difference of work load among the three. The results of the experiments show: (1) the typing speed of the strokes with a shift stroke is slower than that of non-shift strokes, (2) the tempo of the rhythms during the typing task with Romazi input method is slower than that with JIS-kana input and with thumb-finger shift input, and (3) the typing task with JIS-kana input is the most loaded, the second is with thumb-finger shift input, and the task with Romazi input is the least loaded among the three.
著者
岡留 剛 小野 芳彦 山田 尚勇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1797-1798, 1986-10-01

英文タイプ作業についてすでに知られている知見や、コード化入力方式による日本文タイプ作業の認知的実験の解析により、われわれはタイプ作業時のタイピストの認知モデルを構築した(Okadome,Ono,Yamada,1986)。そのモデルの特徴の一つは出力キューが左右の手別々に存在するということである。本報告では、現在までに知られている脳科学の成果をふまえることにより、このタイプ作業時の認知モデルに対する脳科学的基礎を与えることを試みる。なお、以下の議論はヒトまたサルの知見に基づいている。
著者
岡留剛 小野芳彦 山田尚男
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.22, pp.1-7, 1985-07-10

タイプ作業時の脳の情報処理過程には、左右の手ごとに出力キューがあるというパイプラインモデルを提唱する。われわれは、日本文入力方式として熟練者にとって最も楽であり自然なものとはどのようなものであるかを定めるために基礎的研究を行なってきた。本論文はその一端であり、タイプ作業においてわれわれが見出したタイプエラーや、現在までに報告されているタイプ作業におけるさまざまな現象を解析することにより、一つのタイプ作業中の情報処理のモデルを構築した。このモデルは多段階の処理部から成り、各段階は時間的に重ね合わさって処理が行なわれる。このモデルによれば、打鍵がきわめて速く行なわれることや種々のタイプエラーなどを説明でき、とくに、出力部ではキューが左右の手それぞれに存在するとという仮説によってある種のタイプエラーが自然に解釈できる。
著者
太田 真人 花房 諒 岡留 剛
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

低精度センサーが多数配置され,高精度センサーが少数(またはゼロ)配置されている複数の地理的領域における物理量の空間分布の推定手法を提案する.本研究は,ドリフトを含む低精度センサーの観測値は誤差が大きく,疑似教師データとし,正確な物理量の空間分布は未知なため教師なし学習になる.提案手法により,高精度センサーを少数有する領域に対して,高精度センサーの観測値に基づき,領域内に配置された低精度センサーのバイアスを補正し,物理量の空間分布を推定する.また,高精度センサーが存在しない領域は,同じクラスタ内の情報を共有するマルチタスク学習方法により,領域内の物理量の空間分布を高精度に推定する.いくつかの実験で,提案手法が物理量の空間分布を正確に推定することを示す.
著者
前川 卓也 柳沢 豊 岸野 泰恵 石黒 勝彦 亀井 剛次 櫻井 保志 岡留 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.57, pp.1-8, 2010-03-19
被引用文献数
1

本稿では,カメラ,マイク,加速度センサなどのセンサ搭載する手首装着型センサデバイスを用いて人の日常行動を認識する手法および,そのデバイスの設計について述べる.センサデバイスは,ユーザの手のひらの周辺の領域を撮影するように設置されたカメラを備えることを特徴とし,これにより,「コーヒーを作る」,「水やりをする」 などのモノを用いた行動の認識が可能となる.既存のウェアラブルセンサを用いた行動認識の研究では,加速度センサやマイクのみしか用いていなかったため,このような行動の認識は困難だった.また,提案デバイスはカメラやマイクを備えるため,ユーザのプライベートな生活を画像や音声として記録してしまうという,プライバシーの問題をもつため,本稿では,原画像や音声を必要としない行動認識手法を提案する.さらに,評価実験において,提案手法およびデバイスの有効性を確かめた.This paper describes a method that recognizes activities of daily living (ADLs) by employing a wrist worn sensor device with such various kinds of sensors as a camera, a microphone, and an accelerometer, and also describes the design of the wrist worn device. Specifically, the device captures a space around the user's hand by the camera to recognize ADLs that involve the manual use of objects such as making tea or coffee and watering plant. Existing wearable sensor devices equipped only with a microphone and an accelerometer cannot recognize these ADLs without object embedded sensors. We also propose an ADL recognition method that takes privacy issues into account because the camera and microphone can capture aspects of a user's private life. Furthermore, we experimentally confirmed the effect of our proposed device and method.
著者
岡留 剛 前川 卓也 服部 正嗣 柳沢 豊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.2351-2361, 2007-07-15
被引用文献数
4

センサネットワークを前提とした実世界イベント検索システムを提案する.そのシステムは,GooやGoogle といったウェブ検索の入力と同じく,いくつかの単語を入力とする.システムは,1. 実世界で起こったイベントに関係する入力単語の集合を,イベント記述子に変換し,2. そのイベント記述子に付随しその解釈の物理量を用いた表現に整合するセンサデータセグメントを抽出し,質問に対する返答として,抽出されたデータセグメントをもとにイベントが起きた時刻や関与したモノの名称などを出力する.Assuming an environment in which a sensor network always collects data produced by sensors attached to physical objects, the system presented here searches for data segments corresponding to real-world events using natural language (NL) words in a query. The system translates each query into a physical quantity representation, which we also introduce here, searches for a sensor data segment that satisfies the description by the representation, and shows the event occurrence time, its place, or its related objects as a reply to the query.