著者
秋葉 昌樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.163-181, 1995-10-20 (Released:2011-03-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1
著者
秋葉 昌樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.83-104, 2013-07-25 (Released:2014-07-28)
参考文献数
31
被引用文献数
3

本稿の目的は,「フォーラムシアター」と呼ばれる応用演劇の手法によって,養護教諭が日常的に抱える問題意識やその仕事の流儀と向き合う作業を支援する方法について考察し,「教育臨床の社会学」の新たな展開可能性を探ることにある。 「フォーラムシアター」は,観客ないし演じ手が日頃直面しがちな問題をとりあげ劇として上演し,観客を巻き込んだ 討論と劇の再演を繰り返しながら問題状況における変化,変容可能性を探っていく手法である。それはいわば演劇を用いた社会教育的実践とも言いうるものだが,その応用的性格からか,理論的定式化は必ずしも十分に進められてこなかった。 本稿では,この手法がもたらす当事者支援の可能性を視野に,筆者が養護教諭らのグループとともに運営してきたフォーラムシアターを事例として分析した。 その結果見えてきたことは,フォーラムシアターという手法によって,参加者である養護教諭が,日頃の葛藤や問題意識を共有しつつ再認識し,またそれらを乗り越えるべく主体的に探究を開始し,今後の変容可能性を見いだしているということである。そして本稿では,参加者によって主体的に見いだされる変容可能性が,フォーラムシアターが備える遊戯性および“未完”性という構造的特質によってもたらされることを明らかにした。
著者
秋葉 昌樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.83-104, 2013

本稿の目的は,「フォーラムシアター」と呼ばれる応用演劇の手法によって,養護教諭が日常的に抱える問題意識やその仕事の流儀と向き合う作業を支援する方法について考察し,「教育臨床の社会学」の新たな展開可能性を探ることにある。<br> 「フォーラムシアター」は,観客ないし演じ手が日頃直面しがちな問題をとりあげ劇として上演し,観客を巻き込んだ 討論と劇の再演を繰り返しながら問題状況における変化,変容可能性を探っていく手法である。それはいわば演劇を用いた社会教育的実践とも言いうるものだが,その応用的性格からか,理論的定式化は必ずしも十分に進められてこなかった。<br> 本稿では,この手法がもたらす当事者支援の可能性を視野に,筆者が養護教諭らのグループとともに運営してきたフォーラムシアターを事例として分析した。 その結果見えてきたことは,フォーラムシアターという手法によって,参加者である養護教諭が,日頃の葛藤や問題意識を共有しつつ再認識し,またそれらを乗り越えるべく主体的に探究を開始し,今後の変容可能性を見いだしているということである。そして本稿では,参加者によって主体的に見いだされる変容可能性が,フォーラムシアターが備える遊戯性および"未完"性という構造的特質によってもたらされることを明らかにした。
著者
秋葉 昌樹
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF EDUCATIONAL SOCIOLOGY
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.83-104, 2013

本稿の目的は,「フォーラムシアター」と呼ばれる応用演劇の手法によって,養護教諭が日常的に抱える問題意識やその仕事の流儀と向き合う作業を支援する方法について考察し,「教育臨床の社会学」の新たな展開可能性を探ることにある。<br> 「フォーラムシアター」は,観客ないし演じ手が日頃直面しがちな問題をとりあげ劇として上演し,観客を巻き込んだ 討論と劇の再演を繰り返しながら問題状況における変化,変容可能性を探っていく手法である。それはいわば演劇を用いた社会教育的実践とも言いうるものだが,その応用的性格からか,理論的定式化は必ずしも十分に進められてこなかった。<br> 本稿では,この手法がもたらす当事者支援の可能性を視野に,筆者が養護教諭らのグループとともに運営してきたフォーラムシアターを事例として分析した。 その結果見えてきたことは,フォーラムシアターという手法によって,参加者である養護教諭が,日頃の葛藤や問題意識を共有しつつ再認識し,またそれらを乗り越えるべく主体的に探究を開始し,今後の変容可能性を見いだしているということである。そして本稿では,参加者によって主体的に見いだされる変容可能性が,フォーラムシアターが備える遊戯性および"未完"性という構造的特質によってもたらされることを明らかにした。
著者
秋葉 昌樹
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.109-129, 2006 (Released:2018-01-12)

The present paper investigates how the course of theatre-making with ethnomethodology and conversation analysis could be incorporated into the undergraduate curriculum of educational studies, in order to make students acquire the clinical point of view. The clinical point of view is to see things not from one's own point of view but from, rather, “the actor's point of view.”It seems that the improvised theatre-making with what I cal ethnomethodology and conversation analysis helps students to direct their attention to their own “seen but unnoticed” behaviors. Thus, they will come to understand how to gain the clinical point of view to see other people as well.The paper will describe my experiences of teaching this method as a part of the educational studies curriculum.
著者
秋葉 昌樹
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

質的調査法の新しい流れのひとつであるパフォーマンス・エスノグラフィを通して、養護教諭のヘルスプロモーションの実際的問題に支援的に関わる臨床教育社会学的研究のモデルを構築した。その結果、成果発表としてのパフォーマンスは、研究に参加してもらった実践家とともに遂行することで、成果発表もそれ自体として「支援的」に機能しているという知見が明らかになった。
著者
秋葉 昌樹 中根 真 熊谷 保宏
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、補助金を得た2年間、次に掲げる研究目的により進めてきた。すなわちその目的は、演劇的手法及びエスノメソドロジー分析に基づき、教育・社会福祉領域における反省的実践家をコミュニケーション能力の観点力ら支援するための教育研修の方法論およびネットワーク実践の具体的なモデルを提示することにあった。今日、子ども、福祉援助対象者を取り巻く急激な社会的変化に伴い、教職及び福祉専門職の役割とあり方が問われるようになってきており、教職・福祉専門職のモデルとして反省的実践家モデルが注目されはじめている。しかし、反省的実践は、コミュニケーションプロセスに埋め込まれているがゆえに、その構造・機能・意味については、日常的実践のなかで実践家が「見て知っているが気づかないseen but unnoticed」(H.Garfinkel)ことも少なくないと考えられる。上述の観点から、本研究では、教育社会学(秋葉)、社会福祉学(中根)、応用演劇学/演劇教育学(熊谷)の専門家による学際的共同研究を軸に、実践家自らが日頃のコミュニケーションプロセスを演劇的手法を通じて再体験・再創造し,反省的実践の構造・機能・意味について方法論的アプローチする研修方法を開発するとともにその研修ネットワークを構築することを狙いとしてきた。本研究を進めるにあたっては、全体のコーディネートを秋葉が担当しつつも、具体的には、以下の体制で進められた。教育実践家を対象とする演劇ワークショップ(研修ネットワーク)については秋葉および熊谷が担当し、社会福祉実務家を対象とする研修については中根が担当した。熊谷はまた、演劇ワークショップの枠組を考案するとともに、様々なウェブベースのコミュニケーションツールの試行および開発にあたった。