著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.82-94, 2009-03-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
35

壁・パーティションをなくし,個人席を共有化したノンテリトリアル・オフィスが注目を集めている.このオフィスが効果を発揮するには,「自由に動き回り,所属するプロジェクト・チームを越えて様々な人とコミュニケーションすること」「プロジェクト・メンバー同士で集まり,密にコミュニケーションすること」の両方が重要となる.そのためには「適切な空間密度」が必要だということが本研究の事例分析から示唆された.
著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.33-43, 2021-06-20 (Released:2021-07-15)
参考文献数
27

本稿ではまず,理論の精緻化に長けた方法としてシミュレーションがあること,特にエージェント・ベース・シミュレーションはミクロとマクロを行き来する特徴を持つことを指摘する.また,シミュレーションが,事例研究やサーベイ調査,実験等の他の手法と相互補完的であるとし,これらの手法を組み合わせた研究事例を紹介する.最後に,シミュレーションを用いた経営組織研究に踏み出すための一歩として何が考えられるかを述べる.
著者
稲水 伸行 牧島 満
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.29-40, 2016-06-20 (Released:2016-09-05)
参考文献数
28

本研究の質問紙調査により,オープン化・メガフロア化の進展したオフィスでは,既存研究では指摘されてこなかった多様性(画一性)・整然性(雑然性)がオフィス環境の満足要因となることが示された.さらに,コンピューター・シミュレーションを用いた思考実験により,人間の認知的限界がその背景にあることが示唆された.
著者
稲水 伸行 牧島 満 島田 祐一朗
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.17-32, 2022-09-20 (Released:2022-12-02)
参考文献数
27

ハイブリッド・ワークではどの場所にどのように時間を配分すべきかが問われる.本研究では,ある企業から取得したオフィス内の位置情報とオンラインチャットのデータ,質問紙調査のデータを分析した.その結果,オフィス内利用場所の多様性が中程度であるとクリエイティビティが高いことが明らかとなった.このことは,場所と時間の配分に関する制約がなくなる中,主体的にそれらの配分を選択できていることの重要性を示唆するものであった.
著者
稲水 伸行 塚本 裕介 牧島 満 里 政幸
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.32-46, 2021-06-30 (Released:2021-07-02)
参考文献数
22

This paper uses data from about 1,000 people obtained under the declared state of emergency to compare 1) a group that had telecommuting experience before the Corona disaster and was telecommuting under the declared state of emergency, 2) a group that experienced telecommuting for the first time, and 3) a group that was working in an office. First, the results show that an abnormal level of telecommuting was taking place under the declared state of emergency, which has not been assumed by existing studies. Second, people who were in the office communicated more, but incidental communication could be compensated to some extent by the experience of telecommuting. Third, unexpectedly, telecommuting for work that was thought to be only possible in the office led to a positive psychological state. Based on these findings, we will discuss how COVID-19 will change the way we work.
著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.72-85, 2010-03-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
18

組織的決定のゴミ箱モデルは,「構造が未分化になるほど『問題解決』は一般的なスタイルではなくなり,『見過ごし』と『やり過ごし』が増える」としてきた.そこで,シミュレーションによって検討したところ,⑴構造が未分化になっても,「問題解決」に大きな変化はなく,むしろ「決定を要求される頻度」が低いと増加する傾向がある,⑵「見過ごし」が急減する,⑶「やり過ごし」が急増することが明らかとなった.
著者
高橋 伸夫 大川 洋史 稲水 伸行 秋池 篤
出版者
The Academic Association for Organizational Science
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.4-14, 2013

一つの組織を対象にして時系列的かつ定期的に調査を行うことで横断的調査では見えなかった事実が分かってくる.本稿では,日本企業X社について,大規模な組織再編を挟んで10年近くにわたり,9回,定期的かつ継続的に全数調査してきたデータを取り上げる.その結果,見通し指数と満足比率の間には直接的因果関係があるが,自己決定度と満足比率の間の関係は疑似相関である可能性が高いことが分かった.
著者
稲水 伸行
出版者
The Academic Association for Organizational Science
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.4-14, 2013

近年,オープン化と自由席化をしたオフィスの導入が進んでいるが,組織パフォーマンスへの効果やプライバシー,縄張り意識などの観点で議論されてきた.本稿で取り上げる日本マイクロソフト社の品川オフィスでは,⑴多様な空間づくり,⑵柔軟な制度運用,⑶コミュニケーション手段の統合,の3つの特徴によりコミュニケーションの活性化が図られており,この種のオフィスの導入と運用への示唆を与えてくれる.
著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.4-14, 2013-09-20 (Released:2014-02-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

近年,オープン化と自由席化をしたオフィスの導入が進んでいるが,組織パフォーマンスへの効果やプライバシー,縄張り意識などの観点で議論されてきた.本稿で取り上げる日本マイクロソフト社の品川オフィスでは,⑴多様な空間づくり,⑵柔軟な制度運用,⑶コミュニケーション手段の統合,の3つの特徴によりコミュニケーションの活性化が図られており,この種のオフィスの導入と運用への示唆を与えてくれる.
著者
稲水 伸行
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2010-2011