著者
秋池 篤 吉岡 (小林) 徹
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0171112a, (Released:2018-07-24)
参考文献数
82

本稿は富士フイルムのFinePix700の事例をもとに、技術変化と既存のデザインの踏襲の関係性について探求し、大きな技術変化はときに優位性のある既存デザインの実現を困難にする場合があることを確認した上で、そのような場合にデザインと技術を高いレベルで達成するためのマネジメント方法について分析を行った。その結果、新奇性は高いものの、技術的な合理性に基づいたデザインを活用することで、技術とデザインの両立を達成し、競争力のある製品を生み出すことができたことを指摘した。これは、技術とデザインの関係性について、消費者行動論のみならず技術経営論の視点から両者を捉える必要性を示す点で大きな貢献を有する。
著者
三富 悠紀 秋池 篤
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0170508a, (Released:2018-01-18)
参考文献数
32

消費者は時間圧力を感じた時に、時間圧力を感じていない時とは異なる行動をとることがこれまで指摘されてきた。しかしながら、先行研究では外在的に与えられる時間制約と消費者自身が内在的に感じる時間圧力について区別する必要性が指摘されているものの両者を同時にとらえようとした定量的な分析は不足している。本稿ではこの点に着目し、時間制約の有無と時間制約の強さを操作した上で、消費者に電気ケトルの品質を評価してもらい、時間圧力を測定した。測定結果を分析した結果、時間制約は消費者の品質評価に直接影響は与えておらず、時間圧力を介して間接的に影響を与えていることが明らかとなった。本結果より、消費者自身が内在的に感じる時間圧力を重視した分析をする必要性が示される。
著者
三富 悠紀 秋池 篤
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.5-20, 2018

<p>消費者は時間圧力を感じた時に、時間圧力を感じていない時とは異なる行動をとることがこれまで指摘されてきた。しかしながら、先行研究では外在的に与えられる時間制約と消費者自身が内在的に感じる時間圧力について区別する必要性が指摘されているものの両者を同時にとらえようとした定量的な分析は不足している。本稿ではこの点に着目し、時間制約の有無と時間制約の強さを操作した上で、消費者に電気ケトルの品質を評価してもらい、時間圧力を測定した。測定結果を分析した結果、時間制約は消費者の品質評価に直接影響は与えておらず、時間圧力を介して間接的に影響を与えていることが明らかとなった。本結果より、消費者自身が内在的に感じる時間圧力を重視した分析をする必要性が示される。</p>
著者
中川 功一 福地 宏之 小阪 玄次郎 秋池 篤 小林 美月 小林 敏男
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
no.34, pp.3-14, 2014-12-10

This study investigates a microfoundation of the structural change of business ecosystem. While previous studies point out environmental shocks and subsequent entrepreneurial behaviors, we focus on the effect of several actors' interactions within the ecosystem. By using the concept of Weick (1979)' s enactment, we build up the chain reaction framework of multiplayers' interpretation and action. Through an in-depth case study of the transition of Silicon Valley ecosystem from an IPO-centered model to a M&A-centered one, we illustrates how startups, established business companies, venture capitals and research institutes interact each other and how those interactions effect on ecosystem transition.
著者
秋池 篤 岩尾 俊兵
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.699-716, 2013-10-25 (Released:2016-07-25)
参考文献数
22

本稿では経営学におけるイノベーション研究の嚆矢のひとつともいえるAbernathy and Clark (1985) を取り上げる。彼らはイノベーションに技術/生産の軸に加えて、市場/顧客の軸を導入し、イノベーションを四つに類型化した(変革力マップ)。これは、Christensen の一連の研究の基礎となっている。しかしながら、Abernathy and Clark (1985) では市場/顧客の観点にあまり重きを置いていなかった。本稿では、その後の主要な研究を紹介、Abernathy and Clark (1985) との対比をしていくことで、最終的に、Christensen によって市場/顧客の重要性が認識されるに至ったことを示す。その上で、あるべき変革力マップ像を提示する。
著者
高橋 伸夫 大川 洋史 稲水 伸行 秋池 篤
出版者
The Academic Association for Organizational Science
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.4-14, 2013

一つの組織を対象にして時系列的かつ定期的に調査を行うことで横断的調査では見えなかった事実が分かってくる.本稿では,日本企業X社について,大規模な組織再編を挟んで10年近くにわたり,9回,定期的かつ継続的に全数調査してきたデータを取り上げる.その結果,見通し指数と満足比率の間には直接的因果関係があるが,自己決定度と満足比率の間の関係は疑似相関である可能性が高いことが分かった.