著者
藤田 英二 竹中 健太郎 下川 美佳 與谷 謙吾 小澤 雄二 中村 勇 小崎 亮輔 前阪 茂樹
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.19-27, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
26

This study investigated the effects of full-force bicycle pedaling exercise on deep body temperature and exerted power while wearing kendo-gu with a mask and face shield in a hot and humid environment. The subjects were eight male university kendo athletes. All subjects wore kendo-gi and kendo-gu but the experiments were conducted under two conditions: one with the subjects wearing a mask and face shield and the other without a mask and face shield. The experiments were conducted in a climate chamber with the WBGT (wet bulb globe temperature) set at 28. Intermittent, full-force pedaling exercises using a bicycle ergometer with a 15-minute rest period in between exercises. Changes in core body temperature during rest and the rate of decrease in exerted power during the two full-force pedaling exercises were examined. The results showed that wearing a mask and face shield caused an increase in deep body temperature during the resting period between exercises, and a decrease in exerted power during the post-rest exercise. These results suggest that wearing masks and face shields in a hot and humid environment in kendo training may increase the risk of heat stroke and affects the quality of training.
著者
椿 武 前阪 茂樹 下川 美佳 竹中 健太郎 前田 明
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.157-165, 2017-03-31 (Released:2018-03-12)
参考文献数
29
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the effect of lunge training on the striking ability of kendo players. Twelve university kendo players were assigned to either a training (n=6) or a control (n=6) group. The subjects in the training group performed lunge training three times a week for four weeks. After this training period, the pull-speed of the left leg during striking (p<0.01), the forward step distance of the right foot, maximal ground reaction force, maximal leg extension power, and the greatest leg split distance (p<0.05) all increased significantly in the training group. This study demonstrated that lunge training was effective in increasing the striking ability (i.e. increasing the pull-speed of the left leg after a strike) of kendo players.
著者
阿比 留萌 金高 宏文 竹中 健太郎 下川 美佳
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.235-245, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
10

本研究は, 相手が一足一刀の間合いに入るために移動動作を起こす機会における出ばな面を習得した剣道競技者 (A 競技者) の身体知について報告した.具体的には,習得前後の運動動作と運動意識の懐古的比較から習得・指導に向けた身体知の提示を目的とした.その結果,重要な身体知は「左足母指球付近の荷重感」の意識であることが示唆された.打突前に左足の母指球付近に荷重することで,体を前に出す動作を開始する際に生じる右足から左足に体重をかけ直す動作(荷重移行)が省かれ,さらに打突の適切な距離や体勢に関する運動意識を得ることに繋がった.以上のことから,相手が一足一刀の間合いに入る機会における出ばな面を打突する場合は,左足母指球付近の荷重感を意識し打突の準備をすることが重要であると考えられる.
著者
竹中 健司
出版者
国際浮世絵学会
雑誌
浮世絵芸術 (ISSN:00415979)
巻号頁・発行日
no.152, pp.69-77,図巻頭7, 2006
著者
下川 美佳 金高 宏文 竹中 健太郎 赤崎 房生 前田 明
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.35-43, 2018

<p>本研究は,剣道の打撃動作にともなって発生する打撃音と踏み込み音との関係を明らかにすることを目的とした。そのために,ヒトの音に対する可聴範囲(20Hzから20000Hzまでの周波数帯域)内の200Hzから4900Hzを対象に打撃音,踏み込み音およびそれらの複合音(打撃音+踏み込み音)との相違について検討した。</p><p>その結果以下のことが明らかとなった。</p><p>(1)打撃音は踏み込み音や複合音より小音である。</p><p>(2)打撃音と踏み込み音および複合音では構成する周波数帯の振幅スペクトルが異なる。</p><p>(3)複合音は,ヒトの聞き取りやすい周波数帯の振幅スペクトル量を大きくする。</p>
著者
竹中 健
出版者
Hokkaido Sociological Association
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.39-59, 2010

ボランティア組織を政策的な意図をもって立ちあげ,そのなかへ人びとを動員しようとする様ざまな行政によるしかけと,その網に乗って真に他者のために活動したいと望む人びとの諸行為の連関を明らかにすることは重要である。それにより日本における相互扶助の社会関係が,制度的・非制度的な両面において今後どのような展開をもって進んでいくのかを予測し,より好ましい福祉社会のありかたを検討できるからである。<br> 多くの病院ではボランティア組織が導入されて 10年以上が経過している。それにもかかわらず,日本においては必ずしも十分に定着や拡大をしていない状況があるとするならば,その実態をていねいに把握し,分析する必要がある。<br> 本稿においては,行政主導によって 90年代後半以降に設立された病院ボランティアの典型として長野県にあるひとつの市立病院に存在する2つのボランティア組織と1つのボランティアグループの定着過程をみる。それにより,病院におけるボランティア組織導入後の展開可能性および病院内にボランティア組織が存在することの意義をもう一度実証的な見地から捉え直し,考えていく。行政による誘導後の病院ボランティアに展開の可能性はあるのか。そしてどのようなかたちで,定着または衰退していくと予想されるかを論じる。
著者
竹中 健
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.41-60, 2006-06-10

ボランティアの理念と現実に存在しているボランティア組織の実体は異なる。ボランティア行為には,新たな人間関係や社会関係を創出していく力があるのか?もしあるとすれば,それはどのようなかたちで創り出されているのか?積極的に新たな関係を創り出そうとしているのは,行政なのか,それとも行為者本人たちなのか?ボランティア組織の構造を明らかにし,それがより上位の組織にたいしてどれだけ独立したものであり,どれだけ自律的な組織かを判断することには意義がある。本研究は現実のボランティア組織の自律性と独立性を,実証的にとらえようとする試みである。