著者
浅海 賢一 竹内 章 大槻 説乎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J80-D2, no.10, pp.2848-2859, 1997-10-25

本論文では,物理量間の因果関係について学習者と対話を行うことにより,物理則を系に適用したり物理量の系における役割を理解する訓練を行うための学習支援方法について述べる.ある物理量が他の物理量へ与える影響を因果関係として導出するために,定性推論の一手法である比較推論を用いる.比較推論で求めた因果の連鎖と学習者モデルに基づいて,適切な話題を選定したり,因果をたどる方向を決定したり,因果の概略から詳細へ誘導するための対話戦略を提案する.また学習者の因果関係についての説明が完全でない場合,もとの系と類似の系を対比させることにより,学習者自らに因果関係を発見させる方法について提案する.
著者
國近 秀信 古賀 崇年志 出山 大誌 村上 卓見 平嶋 宗 竹内 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.210-219, 2008-02-01
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究の目的は,学習者が構成した英文からアニメーションを生成しフィードバックする英作文学習支援システムの実現である.本システムの支援対象は「意図したことが表現できていない誤り」であり,学習者自身に誤りを気づかせるため,誤りをアニメーションにより可視化する.本システムは,原則として学習者が構成した英文の内容をそのまま可視化するが,陽に表現すべき情報が欠落していた場合はそれが顕在化するように可視化する.本論文では,誤りの可視化方法の実現とその評価について述べる.利用者が可視化された誤りに気づくか否かについて調査したところ,ほとんどの誤りに気づくことができ,本手法の有効性が確認された.
著者
竹内 章 大津 智 室山 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05

高調波電流を効率良く抑制する技術がますます重要となっている中、著者らは、小形・高効率化を目指し二入力トランスを用いた方式の高力率コンバータを検討してきた。さらに、入出力電力のアンバランスを補償するためのエネルギー蓄積素子の低電圧化のための回路についても報告した。本報告では、トランス二次側に低電圧のエネルギー蓄積素子を有する高力率コンバータを提案し、動作条件、主回路動作、および無停電電源への適用について述べる。
著者
江木 鶴子 竹内 章
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.369-381, 2009

トレース技術はエキスパートの道具であるだけでなく,プログラミングの学習者にとっても学習を効果的に進めるためには早期に習得することが望ましい.筆者らは,プログラミングの最も初期段階の学習者にトレースを指導するデバッグ支援システムDESUSを開発し,実際のプログラミング教育で使用した.本論では,実践教育で得られたデータを基にDESUSのトレース教育に関する評価について論じる.DESUSに支援を求めた学習者は利用者の92%で,実際にトレースの実行を試みた学習者は52%であった.学習者のうち36%がトレース技術を獲得しており,DESUSの指導により学習したと断定できるのは,32%であった.いずれもDESUSを使用していない環境下での学習に比べ増加した.一方,支援を受けたにも関わらずトレースを試みなかった学習者が40%を占めた.この最も大きな要因は,実行状態で受けるべきトレース指導を翻訳エラーの状態で受けていたことであった.