著者
渡辺 将充 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.435, pp.53-58, 2009-02-13
被引用文献数
1

本稿では,視覚障害者のためのタッチパネル利用を可能にするシステムを目指し,システムの課題と解決策について述べる.本システムでは,タッチパネルと非接触の状態のユーザの指を,操作対象のキーへ,聴覚フィードバックにより誘導する.この際の誘導法について検討する.キー位置の提示法について,指に対するキーの方向・距離提示による方法と,キーと指の絶対位置提示による方法を提案する.方向の提示音は,言語音と非言音の2通りで.方向の提示法は,1次元的方向提示と2次元的方向提示とである.各誘導法について,アイマスクを装着した晴眼者8名による比較実験を行った.結果から,言語音が誘導に適していることが示された.また,指移動時の被験者による偏向の違い,キーの絶対位置の提示の有効性が示唆された.
著者
楊 広宇 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.473, pp.151-156, 2013-03-04

本研究はカメラで撮影した文書画像中の湾曲・射影歪を除去することにより文字情報を取得する手法を提案する.提案手法では,画像から文字候補を取得後,文字候補間の重複関係により行ごとに組み分け,4次多項式を用いてテキストラインの湾曲を近似する.そして,文書左右エッジを使って推定した複比と消失点により縦方向を推定し,画像をグリッドに分割する.その後,各グリッドの射影変換行列を計算することにより補正を行う.実際に撮影した文書画像50枚(英語文書画像:30枚,日本語/中国語文書画像:20枚)を用いた実験により,提案手法の有効性を確認した.
著者
森下 諒一 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇 石崎 隆志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.467, pp.15-20, 2010-03-05
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究は,屋外で鳴らされる緊急自動車(救急車,消防車,パトカー)のサイレン音を検出し,その情報をドライバーに提示することによる安全運転支援,緊急自動車の円滑な走行支援を目的としている.また,従来研究での課題である,高雑音環境下での検出性能の向上を目指す.サイレン音の検出方法は,サイレン音のスペクトルが倍音構造をとるという特徴を用いた基本周波数推定処理,過去数フレームで推定した基本周波数からどのサイレン音が鳴っているか判定するサイレン音識別処理の2つからなる.ホワイトノイズと実際に録音した交通雑音を付加したサイレン音を用いた評価実験から,SN比0dBの雑音環境において,サイレン音の基本周波数を正しく推定し,サイレン音の識別が正しく行われることを示した.
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.661-672, 2004-02-01
被引用文献数
16

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.
著者
川口 弘哲 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.12, pp.2180-2181, 2010-12-01
参考文献数
2

We aim to discover the factors of an unpleasant sound by processing the sound in the frequency domain. The processed sounds have the same amplitude envelope as an unpleasant sound, and consist of only one or two peak frequencies of the original unpleasant sound. Using these sounds, we attempt to specify a frequency band relating to unpleasantness. As a result, the sound with two pair of peak frequencies tends to make subjects feel unpleasant compared with one peak, and subjects feel unpleasant by the sounds having peaks in 2kHz and 9kHz around. Next, we investigate whether the sound becomes unpleasant by adding the amplitude envelope of unpleasant sounds. The result shows that addition of the envelope makes subjects feel unpleasant compared with the carrier alone.
著者
鎌田泰毅 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西昇
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2012-CVIM-181, no.16, pp.1-8, 2012-03-08

卓球競技では,ボールの回転はボールの軌道やボールのインパクト後の反射角に大きな影響を与えるため,非常に重要な要素である.そこで我々は,卓球ボールの回転軸・回転数を自動で定量的に評価することを目的とし,高速度カメラ画像を入力とした回転推定システムを考案する.提案したシステムは,ボールの検出モジュールと回転推定モジュールの2つに大きく分けられる.ボールの検出モジュールでは,ソーベルフィルタを利用して得られたエッジ点に対して,円に対するHough変換を利用することで,ボールの候補となり得るエッジ点を探索する.その後,探索された円内の輝度値や中心点座標の軌跡情報を利用して,ボール候補の絞り込み検出を行う.回転推定モジュールは,ICPアルゴリズムを利用して隣接フレーム間の対応点を探索し,変換座標を特異値分解を利用して導出する.3DCGアニメーションに対して実験を行い,本システムの精度を測定した.回転軸の精度は平均誤差が約3°であり,選手に提示するのに十分な精度であった.回転数の精度は平均誤差が約6%であり,目視で計測したときの誤差3%には及ばなかった.練習を対象とした実測実験では,回転数の精度は誤差約6%であった.
著者
安藤 真也 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.1-8, 2002-03-07
被引用文献数
5

この論文では,聴覚障害者のために環境音の中から警告音を識別し使用者に伝えるシステムについて述べる.音源識別処理の概要は次のようである.まず入力音に対し短時間FFTを行うことにより周波数情報に変換し,それを固有空間へ投影することにより特徴抽出を行う.そして,特徴抽出された入力音のオンセットからオフセットまでのデータ,それが3秒以上の時はオンセットから3秒間のデータに対し,隠れマルコフモデルを用いることにより入力音の識別を行い,識別結果を画面出力することにより使用者に伝える.以上の識別処理を計算機に実装し,6種類の警告音(サイレン,非常ベル,警笛,踏切,クラクション,救急車)を識別対象音源として実験を行ったところ,一10dBの雑音環境においても94%の識別率を得ることができた.
著者
平岩 裕康 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 劉 詠梅 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.195-202, 2002-03-07
参考文献数
14

本報告では,ノートPCとCCDカメラを利用して,視覚障害者が周囲環境を理解するのを支援するシステムを提案する.視覚障害者が周囲環境を理解する上で必要な情報として,本研究では文字情報を扱うこととした.本手法は,ノートPCに取り付けたカメラから静止画像を撮影し,文字および文字列の有する一般的特徴を利用することにより,文字領域を画像内から抽出する.次に,抽出した画像をOCRに入力することによって音声化し,視覚障害者に画像内にある文字情報を伝える.実環境で撮影した400枚の画像に対して実験を行ったところ,全文字列の67.9%が完全に抽出された.また,25.7%の文字列は一部欠けていたが,文字認識されたときに,人間の知識で補うことができる程度の欠落であった.さらに,地下鉄の駅構内においてフィールド実験を行い,有効な情報が提供できることを確認した.
著者
板垣 達也 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.13-18, 2012-03-02
参考文献数
4

本研究では車外の警告音を認識してドライバーに伝えるシステムを提案する.システムは警告音の倍音構造の存在を示す倍音らしさという特徴量を用いて基本周波数の推定を行う.そして基本周波数の推定値を用いて音を識別(クラクション,救急車,消防車,パトカー)する.クラクションとサイレン音を予め録音し,それらを単独あるいは合成した音を入力して実験した.SNR0dBの環境において,クラクションと救急車(高音),消防車とパトカー(一定)において約80%以上の正解率で基本周波数を推定できることを示した.また,屋外を実際に走行している救急車のサイレン音を録音した信号でも実験を行い,ドップラー効果によって基本周波数が変化しても,推定可能であることを示した.
著者
竹内 義則
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

人間は動いているものを目で追い,耳で音の発生している方向を定位することができる.例えば,複数の人物から話者を特定し,その人物を見続けることができる.このような機能の実現はビジョンシステムにおいて有益な応用である.そこで,我々はカメラとマイクの2種類のセンサを利用して,複数の人物を追跡するシステムを構築する.人物の情報をよりたくさん得ようと考えた場合,顔を撮影することが望ましい.そこで,人物領域の特徴として頭部を検出する.また,複数の人物を洩れなく追跡するために,カメラに「追跡」と「監視」の2種類の役割を与える.これらの役割をカメラの連携を用いて動的に変化させることで,注目している人物の詳細な情報を獲得でき他の人物も見逃すことなく追跡を行なうシステムを構築する.システムは,カメラから頭部領域,マイクから音信号を検出する.検出結果から人物位置や音源位置の特定を行なう.これらの結果から,どのカメラがどの人物を追跡するかを決定する.あるシーンにおいて何か話している人物を撮影できれば,そのシーンを理解するのに役立つ.そこで,音源位置情報から音を発している人物を特定し,その人物を優先的に追跡する.追跡する人物が決定したら,その人物を追跡するカメラを決定する.それは,人物を高解像度で撮影するためできるだけ近いカメラで,かつ,正面から人物を撮影できるカメラを割り当てる.さらに,オクルージョンの発生により割り当てられたカメラでは人物を捉えられない場合があるので,新たに他のカメラに追跡を委託する.以上の処理を繰り返すことにより人物の追跡を行なう.3人の人物を追跡する実験を行ない,各人物の位置情報を獲得し,人物の顔を捉えて効果的に追跡することが確認できた。また,音情報を得た場合,音を発した人物を優先的に追跡し,追跡中の人物がオクルージョン領域に入った場合に他のカメラが追跡することを確認した.
著者
竹内 義則 山村 毅 大西 昇 杉江 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.116, pp.117-122, 1996-06-21

本稿では,生体の視覚系を模倣するビジュアルトラッキングシステムを提案する.視覚処理過程で得られる様々な特徴の中で,動きの特徴に着目する.人間が移動する物体を追跡するときの眼球運動は,位置情報によるsaccade運動,速度情報によるpursuit運動の2種類がある.この眼球運動のふるまいを模倣したトラッキングアルゴリズムを提案する.開発したシステムは,カメラ,画像処理装置,パンチルトステージ,モータ駆動装置からなる.追従の速度や精度を向上するため,最大回転速度50[deg/s],精度0.002[deg]のパン・チルトステージを開発した.提案したトラッキングアルゴリズムを画像処理装置に実現し,移動物体を33[ms]以内で検出することが可能となった.実験結果により,移動物体(歩いている人間)を実時間で追跡することができることを示した.
著者
西掘 研人 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1086-1097, 2008-07-01
被引用文献数
1 1

We propose a new method for determining the correspondence between audio and visual events based on the selective attention which is observed in a living organism. For auditory attention, our system recognizes a target sound in noisy environments using an auditory filter that focuses on a specific period corresponding to visual events. It was confirmed that the success rate of correspondence between audio and visual events increased from 78.6% without the auditory filter, to 95.2% with the auditory filter. This certifies the importance of visual information for auditory attention. We also realized a visual attention of localizing a sound source and adjusting the line of sight and the iris of a camera when the system perceived a sound, but could not obtain visual information. The success rate of experiments based on visual attention is 93.3%. These results show the effectiveness of the proposed method.
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.4, pp.73-79, 2003-01-20
被引用文献数
2

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.In this research, we propose a method of calculating the similarity between documents for identifying the imitated document. Many of imitated documents consist of the sentences similar to the sentence contained in an original documents, and their surface-expression changes by transposing to a synonym etc. Then, our method compares two documents in the sentence unit that constitutes each document by using term frequency and concept dictionary. We show that we can distinguish clearly the document described by the same theme, and the imitated document by using our method.