著者
内田 惠美子 筏 義人
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.197-202, 2007 (Released:2008-12-19)
参考文献数
16
被引用文献数
1

It is important to assess the safety of clothes that are used in contact with human skin. In this study the level of primary skin irritation against various surfactants applied to clothes was evaluated using a cultured skin model. The irritation of anionic surfactants depended on the number of carbons in the alkyl substituent. When the number of carbons was in the range from 9 to 12, the surfactants showed positive in the irritation at concentrations higher than 0.5 wt%. However, the anionic surfactants with carbon numbers lower than 9 or higher than 12 showed negative even at concentrations as large as 1 wt%. The cell viability of nonionic surfactants containing poly(ethylene oxide) chains was dependent on the number of chains. The surfactants containing few chains or many carbons showed negative in the irritation assay, while those containing a certain number of chains and the carbon numbers around 10 showed highly positive at concentrations higher than 0.1 wt%. The irritation of quaternary ammonium salts, which are cationic surfactants, showed positive even at low concentrations, regardless of the number of carbons in the alkyl group.
著者
田畑 泰彦 林 壽郎 筏 義人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究の目的は、細胞の分化増殖を促す細胞増殖因子を材料とうまく組み合わせることにより、積極的に細胞を増殖させる機能を備えた生体材料を開発することである。つまり、細胞増殖因子の徐放化技術とこれまでの人工材料とを複合化することによる生体材料の創製を試みる。そのため、その第一段階としての、細胞増殖因子の徐放化の検討を行った。この徐放化技術により、増殖因子のin vivoでの安定性の向上、ならびにその作用を有効に発揮させることができる。そこで、平成6年度には、増殖因子を徐放化するための高分子ハイドロゲルの調整、ならびにハイドロゲルからのモデルタンパク質の徐放化を調べた。タンパク質はその環境の変化により容易に変性失活することから、まず、架橋ハイドロゲルを作製し、その後、タンパク質をハイドロゲル内に含浸させる方法によりタンパク質含有ハイドロゲル製剤を得た。平成7年度においてはハイドロゲル用の生体内分解吸収性の高分子としてゼラチンを取り上げ、グルタルアルデヒドにて化学架橋することによりゼラチンハイドロゲルを作製した。これらの架橋試薬ならびにゼラチンの濃度を変化させることにより、ゼラチンハイドロゲルの分解性はコントロール可能であった。ハイドロゲルからの塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)の徐放を試みたところ、ハイドロゲルの分解とともにbFGFが徐放され、その徐放パターンがハイドロゲルの含水率、つまり分解性により変化することがわかった。本年度はbFGF含浸ゼラチンハイドロゲルから徐放されるbFGFの生物活性について検討した。その一つの方法として、bFGF含浸ゲルをマウス皮下に埋入した後の血管新生効果を評価した。bFGFの水溶液投与群においては全く血管新生が認められなかったのに対して、bFGF含浸ハイドロゲルの周辺には有意な血管の新生が認められ、ハイドロゲルから徐放されたbFGFの生物活性が残存していることが確かめられた。また、微粒子状のゼラチンハイドロゲルを用いた場合にも、同様にbFGFの血管新生作用の増強が見られた。
著者
筏 義人
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.522-529, 1990-08-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2 4
著者
玄 丞烋 車 源日 筏 義人
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.673-680, 1989-11-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
11
被引用文献数
30 40

ポリビニルアルコール (PVA) 濃厚水溶液を凍結させた後, 0℃付近の低温にて徐々に解凍させることにより高含水率で高強度なPVAハイドロゲルが得られる. 重合度1750, けん化度99.5mol%のPVA濃度30wt%の水溶液を-20℃で24時間凍結させた後, 5℃にて10時間かけて徐々に解凍させて得られたPVAハイドロゲルの強伸度はそれぞれ約60kg/cm2. と500%を示すのに対し, 同じ条件下で凍結させ, 室温下, 3時間で解凍させたPVAハイドロゲルの強伸度は35kg/cm2と400%であった. PVAハイドロゲルはPVA濃厚水溶液の凍結の際水相とPVA相とに相分離され, その後の低温結晶化により多孔質構造が形成される. X-線回折とSEM観察からPVAハイドロゲルは微結晶をもつミクロ多孔質構造であることが認められた.
著者
筏 義人
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.258-259, 1979-04-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
1
著者
車 源日 玄 丞烋 筏 義人
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.425-430, 1991-07-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

透明及び不透明ポリビニルアルコール (PVA) ハイドロゲルに対する種々のタンパク質の吸着量を比較した. タンパク質としてはクロラミン-T法で125Iラベル化した免疫グロブリンG (IgG), 牛血清アルブミン (BAS) 及びりゾチームを用い, 125Iの放射能を測定することにより吸着量を求めた. 透明PVAハイドロゲルに対するタンパク質の吸着量は不透明PVAハイドロゲルとポリ (2-ヒドロキシエチルメタクリレート) (PHEMA) ハイドロゲルより少なく, その値は1/2~1/30であった. また, 透明PVAハイドロゲルにおいてはIgGとBSAの吸着量がPVAハイドロゲルの含水率に関係なく一定の値を示したが, 分子量が14,600と低いリゾチームではPVAハイドロゲルの含水率に依存し, 含水率が低くなるにつれて低下した.
著者
筏 義人
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-44, 2007-06-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
36

最近, 気管支喘息のようなアレルギー疾患が先進国を中心に増え続けている。その原因は必ずしも明らかではないが, 推測されている大きな原因は,最近の急激な室内環境変化である。すなわち, 住居の気密性と断熱性が高まるとともに, 室内冷暖房設備の機能が向上した結果, 室内にダニやカビが年中住みついてしまったのである。それまでは, 高温多湿期という限られた期間しかダニやカビは住居内に生息できなかった。アレルギー疾患のアレルゲンとして最も可能性の高いダニアレルゲンが常に居住空間内に存在するために, アレルギーの発病頻度が高くなったという次第である。その結果, 室内環境からダニの糞やペットの毛などを含むハウスダストを排除しようという試みが国の内外において活発に進められている。わが国においては, 以前から畳やフトンの天日干しと叩き, 床の雑巾拭き, 掃除機がけ, などがダニの排除に実施されてきた。最近では, 先端技術を利用した方法も用いられている。本解説においては, 特にわが国で, 最近, 開発されたダニの排除法とその効果を調べた結果を最近の文献に基づいて紹介する。
著者
滝 和郎 半田 肇 米川 泰弘 三宅 英則 小林 映 新島 京 筏 義人 玄 烝休 鈴木 昌和 清水 幸夫
出版者
The Japanese Society on Surgery for Cerebral Stroke
雑誌
脳卒中の外科研究会講演集 (ISSN:03878031)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.159-164, 1984

Fourteen cases of arteriovenous malformations (AVM) of the brain, dura and scalp were embolized with ethyl-cyanoacrylate. Injection of the ethyl-cyanoacrylate was performed either by direct puncture of the feeding arteries or transfemoral catheterization with a detachable and leak balloon catheter. For every injection, 0.3 to 1.0ml of cyanoacrylate was used. With additional surgical removal, eight AVMs were totally eradicated and the remaining AVMs were partially embolized. Among the AVMs, dural AVM was most suitable for the cyanoacrylate embolization, and a high rate (67%) of total embolization without surgical intervention was obtained.