著者
平林(宮部) 真衣 柴田 大作 篠原 恵美子 河添 悦昌
雑誌
ワークショップ2022 (GN Workshop 2022) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.52-61, 2022-11-17

2019 年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,2022 年 9 月現在,未だ収束の兆しを見せず,人々の生命や生活,経済に多大な打撃を与えている.感染症制御に欠かすことのできない集団免疫獲得という視点から,COVID-19 ワクチンの接種促進は重要な課題であるが,ワクチンは任意接種が原則とされ,有効なワクチンが提供されても接種を受けない人々が存在する.ワクチン接種の意思決定に対する,インターネット上の情報閲覧による影響が指摘されており,マイクロブログ上で投稿・拡散されるワクチンに関する “流言” が,ワクチン接種に何らかの影響を及ぼす可能性があると考えられる.そこで本研究では,マイクロブログの一つである Twitter 上に投稿された,“ワクチン” に関連する “人々が疑問を呈したり訂正したりした流言(訂正流言)” の分析を行い,以下の点を明らかにした.(1)訂正流言中で疾患名が明示されやすいワクチンが存在する.(2)感染症流行下では,流行中の疾患名を明示せずに単に「ワクチン」とだけ表記する場合も多い.(3)ワクチンに関する訂正流言の内容の多くは「悪影響があること」あるいは「効果がないこと」に言及したネガティブな内容である.(4)訂正流言発生数と COVID-19 ワクチンの接種実績との間には正の相関があり,流言を訂正するツイートの増加が接種行動誘発の一因となっていた可能性がある.
著者
篠原 恵 松下 戦具 森川 和則
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.134, 2016 (Released:2016-10-17)

株価の予測は、過去の変動から未来の変動を予測する賭け行動である。このような事態では、物事の変化の受け止め方に関する性格特性が賭け行動に影響する可能性がある。しかし、株価の予測への性格特性の効果はほとんど調べられていない。 そこで、本研究では、世の中や人生の移り変わりについての見方である無常観が、株価予測にどのように影響するかを調べた。 実験課題は、株価の変動を示すチャートを観察し、その後の株価が上がるか下がるかを予想することであった。実験の結果、チャートが上昇トレンドの場合、無常観の低い参加者はその後の株価も上昇すると予測する傾向があった。一方、無常観の高い参加者は、上昇の継続と下降への反転を同程度予想した。これらの結果は、無常観の高い人は、賭け行動においても中立的なあるいは保守的な予測を行うということを示している。
著者
牛久 智加良 曽雌 茂 井上 雄 篠原 光 篠原 恵 大川 杏里 梶原 隆義 中島 由晴 勝見 俊介 丸毛 啓史
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.51-55, 2020-02-20 (Released:2020-02-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

はじめに:化膿性脊椎炎の保存的治療初期のCRP値改善率が治療期間と相関するか不明である.対象と方法:保存的治療で感染沈静化した41例を対象とし治療開始後1週目までのCRP値改善率を求め,その中央値(54.9%)から良好群と不良群に分け治療期間を比較した.結果:平均治療期間は,良好群37.9日,不良群69.7日であった(p<0.05).結語:1週目のCRP値改善率は治療期間に関連した.
著者
篠原 恵介 畑 敏道
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.618-624, 2014
被引用文献数
6

We investigated the effect of a post-training chronic infusion of <i>N</i>-methyl-<span style="font-variant: small-caps;">d</span>-aspartate (NMDA) receptor blocker on retention of spatial reference memory in rats. In Experiment 1, we trained 4 groups of rats for 4 days (4 trials/day) in the Morris water maze task. In a single probe trial after retention intervals of 1, 7, 14, and 28 days, the 1-day group showed more goal crossings than shown by the other 3 groups. In Experiment 2, a chronic infusion of the NMDA receptor antagonist <span style="font-variant: small-caps;">d</span>-2-amino-5-phosphonovaleric acid (<span style="font-variant: small-caps;">d</span>-AP5) or a control vehicle into the lateral ventricle was initiated 1 day after the training session, and continued for 6 days. In the subsequent probe trial (7 days after training), the rats that had received the <span style="font-variant: small-caps;">d</span>-AP5 infusion showed significantly more goal crossings than the controls. These findings suggest that an NMDA receptor blockade following acquisition facilitates retention of spatial reference memory.