著者
高田 智和 田島 孝治 米田 純子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.1-8, 2008-07-18
被引用文献数
2

景観の中にあらわれる文字は、日常の文字生活を研究する上で考察の対象となりうるものである。本発表は、景観の文字・表記を、文字・表記研究の素材として扱う場合の可能性と問題点について検討する。また、景観文字を記録するためのツール開発の現状について報告する。The landscape character is an object to study on the ordinary use of Japanese character. We discuss the effectiveness and the problem about the linguistic and notational landscape survey, and we also explain the developing system based on GPS for the purpose of landscape survey.
著者
野崎 浩成 横山 詔一 磯本 征雄 米田 純子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.141-149, 1996-12-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
22
被引用文献数
3

日本語教育で教材に使用される漢字の選定および提示順序は漢字頻度調査に基づいて決定されることが多い.そこで,本研究では効率的な漢字頻度調査を行う手法を確立するために,新聞記事フルテキストデータベース中に含まれる漢字の使用頻度を調査するシステムを開発した.このシステムを用いて,新聞朝夕刊1ヶ年分の約11万件の記事を対象に大規模な調査を実施し,漢字4,476字および平仮名83字,片仮名86字についての文字使用頻度表を作成した.その結果,1)漢字使用頻度上位1,000字が全使用率のおよそ95%を占めること,2)上位1,600字で全体のほぼ99%に達し,残りの約3,000字は1%程度を占めるに過ぎないこと,3)時代的変化に着目すると,漢字使用頻度は,'66年と'93年の新聞間で相関が著しく高いこと,が示された.以上の結果は新聞における漢字の使用実態を的確に反映するものであり,日本語教育のみならず,漢字教育や言語情報処理一般に役立つ有用な知見が得られた.
著者
岩本 美江子 百々 栄徳 米田 純子 石居 房子 後藤 博 上田 洋一 森江 堯子
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1116-1123, 1989-02-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
25
被引用文献数
7 17 2

これまで著者らは生体に対する騒音ストレス作因の生理的影響に関する研究を行うなかで,生理的のみならず心理的な影響をも把握することの必要性を感じた。物理的ストレスが心理的,情動的ストレスとなって不安を生ずる事は,Aiken1)の不安とストレスは[異体同形]であるとの提言からも考えられることである。従来不安の問題は,Kierkegaard2)に代表されるように,主として哲学ことに宗教と倫理学の課題であった。それを心理学の領域で,はじめて病態心理との関連において概念づけたのは精神分析学を樹立したFreud3)であり,彼は神経症的状態の治療においても不安を中心的な問題として重視した。一般に用いられるようになった最初の不安検査は,Taylor4)によって開発され公表された顕在性不安尺度(Manifest Anxiety Scale: MAS)である。その後一連の不安研究の後,Cattell and Scheier5)やLazarusら6)は不安をその特質から一過性にみられる気分としての不安状態と不安への陥りやすさとして捕えられる性格傾向としての不安特性の二つに分けることを提案した。この二つの不安についてSpielberger7)が明確に定義づけをした。すなわち不安には,ある状況下で大きく変動するような状態としての不安(state-anxiety以下A-Stateと略記)と,ある個人において比較的一定していると言われる性格特性としての不安(trait-anxiety以下A-Traitと略記)の二つがある。さらにSpielberger, Gorsuch and Lushene8)は諸種の不安尺度を検討して,既存のどの尺度も状態としての不安と性格としての不安を区別せずに測定しており,不安に関するこれまでの全ての質問票テストはA-Traitを測定していると指摘し,最終的にこのA-StateとA-Traitを測定する尺度として1970年に状態-特性不安尺度State-Trait Anxiety Inventory(略してSTAIと呼ばれる)を発表した。本研究の目的は,若年者および高齢者,また各種状態におけるSTAIの検査結果から,この尺度の妥当性,信頼性を検討することである。さらに衛生学分野において,環境の変化特に騒音が人に対して精神的ストレス因子となって負荷したときのSTAIの応用の良否を検討することをも目的とするものである。
著者
横山 詔一 高田 智和 當山 日出夫 米田 純子
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4(2009-CH-081), pp.33-40, 2009-01-16

日本規格協会・国立国語研究所・情報処理学会の3者連合体が経済産業省の委託を受けて制作した平成明朝体グリフ約6万字種のうち,字形デザインにおける変異が顕著で,かつデザイナーから学術的な検討を要請されることが多いデザイン差をいくつか取り上げ,認知科学と社会言語学の手法を援用しながら分析をおこなった。社会言語学的な調査データは,東京の下町と山の手,京都のほか,海外の台湾においても収集された。その結果,非伝統的な新しいデザインが好まれる傾向にあることが明らかになった。