著者
高田 智和 田島 孝治 米田 純子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.1-8, 2008-07-18
被引用文献数
2

景観の中にあらわれる文字は、日常の文字生活を研究する上で考察の対象となりうるものである。本発表は、景観の文字・表記を、文字・表記研究の素材として扱う場合の可能性と問題点について検討する。また、景観文字を記録するためのツール開発の現状について報告する。The landscape character is an object to study on the ordinary use of Japanese character. We discuss the effectiveness and the problem about the linguistic and notational landscape survey, and we also explain the developing system based on GPS for the purpose of landscape survey.
著者
田島 孝治 安藤 公彦 大島 浩太 寺田 松昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.1084-1097, 2009-07-01
被引用文献数
1

本論文では,我々が開発した情報提示システム「水晶珠」について述べる.水晶珠とは,個人の現在位置と時刻情報から,そのとき,その場所で,その人だけに必要と思われる情報を生成し,携帯端末に自動的に映し出す情報提示システムである.提案システムは,近年注目されているContext-Awareの考え方を利用しており,秒単位で生じる位置情報による膨大な行動履歴の保存と,多種の予測方式や携帯端末固有の環境に柔軟に対応できる必要がある.そこで,個々の履歴を圧縮するのではなく,地域の特性を利用した行動履歴保存方式を提案する.提案方式により,その地域で意味のある点を抽出し,行動履歴の保存に利用することでデータ量を削減する.また,行動の予測はインタフェースのみを定義することにより,多種の予測方式へ適応可能なシステムを実現した.提案システムに実際の行動履歴を入力した検証実験により,行動履歴の保存に必要なデータ量の削減とプロトタイプシステムによる動作を確認した.提案システムの試作により,事前のユーザ登録のみで,情報提供を受けるときには利用者は入力作業を行う必要のない情報提示システムの可能性を示唆した.
著者
田島 孝治 高田 智和
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-6, 2010-07-24

本発表は,GPS とデジタルカメラを用いた景観文字調査において,目視による写真分類作業を効率的に行うために,撮影位置と Exif 情報中の 「レンズ焦点距離」 を活用する方法について効果と問題点を考察する.また,提案方法を搭載したツール開発の現状について報告する.We discuss the effectiveness and the problem abut classifying images using the focal length information in Exif tag for the linguistic and notational landscape survey with GPS and Digital cameras. And we explain the developing system that has proposed method for notational landscape survey.
著者
高田 智和 田島 孝治 堤 智昭
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本研課題究は、前近代の漢文訓点資料を対象として、(1)漢文本文及び訓点(読み仮名、送り仮名、ヲコト点・声点・句読点・語順点などの各種記号)を文書構造の国際記述(TEI: Text Encoding Initiative)に基づく構造化記述法を考案する。(2)平安・鎌倉時代を特徴付ける訓点であるヲコト点(漢字の四隅・四辺等に記入して読みを表す記号)のデータベースを作成する。(3)(1)と(2)のデータに基づいて、ヲコト点の類型と系統を定量的観点から考察する。(4)(1)と(2)のデータに基づいて、漢文訓点資料の書き下し文の自動生成方法を検討する。これらにより、漢文訓点資料の解読成果を学界で共有するための基盤構築を目的とする。2018年度は以下の活動を行った。(1)訓点の定量的分析のための文書記述を2017年度に引き続き検討した。(2)2017年度に作成した移点ツールのプロトタイプに、仮名点・語順点入力機能を追加し、『尚書(古活字版)』(国立国語研究所蔵)の記述を行った。(3)(2)の移点ツールと『尚書(古活字版)』の記述データ(試行版)を公開した(http://www.gifu-nct.ac.jp/elec/ktajima/tools.html)。(4)これまでに各研究者が作成した点図について、座標表現によるデータ化を試行した。(5)点図データと連携させる訓点資料の書誌情報データの設計を検討した。(6)ヲコト点図データベースに公開した(https://cid.ninjal.ac.jp/wokototendb)。
著者
藤澤 功 Erick Chandra 出口 利憲 田島 孝治
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1285-1290, 2017-06-21

本稿では,環境モニタリングシステムをRaspberry Piと呼ばれるシングルボードコンピュータを用いて実現した結果について述べる.この方法により,測定対象のセンサデータだけではなく画像も取得可能である.しかし,電力の供給が困難な場所では,測定を行うデバイスはバッテリー駆動が必要である.そのような場合は消費電力の問題で長期運用は困難である.そこで,本稿ではデバイスを間欠動作させるハードウェアを試作し解決を図った.結果,一日16回モニタリングを行う場合,モバイルバッテリーで3ヶ月以上動作可能であることが明らかになった.
著者
堤 智昭 田島 孝治 小助川 貞次 高田 智和
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.278-287, 2018-02-15

本研究では,訓点の一種であるヲコト点を対象とし,計算機を用いて解析することを目的としたヲコト点の構造化記述方式を提案する.提案方式に基づいてヲコト点図の電子化を支援する入力支援ツールを開発し,主要ヲコト点26種を電子化する.さらにそれを用いてヲコト点の基礎計量を行う.基礎計量では,ヲコト点を構成する要素である「読み」・「位置」・「形状」を対象とした.その結果,最も多く登場する「読み」は「ス」「ナル」「ナリ」「タリ」であり,形状は「・」であることや,漢字の四隅に多くのヲコト点が付与されることなどを定量的に示した.また,主要ヲコト点26種の電子化処理と基礎計量の結果を受けて,提案する構造化記述方式の有効性を確認した.